I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

島原ウォーク その1

2011年06月11日 | 長崎街道

5月15日(日)晴れ

5月はウォーキングにもってこいの季節。というわけで、GWの長崎街道歩きに続き、旦那さんとtamiと3人で今回は島原散策に行ってきました。当初はJRが主催している島原ウォークに参加する予定だったのですが、その週に登山の予定が入ってしまったので、チラシに載っていたコースを参照しながら、自分たちで歩いてみることに。今回の起点はまるでお城のように見える島原駅。さてはて、今回はどんな町歩きになるのでしょうか?島原ウォーク、スタートです!

と、駅を出て間もなくおかしな看板を発見「お静カニ!!」ですって。確かにこの辺りではカニがよく獲れるので、カニの宣伝と交通安全の標語を合体させたのでしょう。うまいことやりましたな~

島原の町には島原城をはじめ、城下町の雰囲気が漂う建物がたくさんあります。道路の向こう側にあったので何屋さんかよく分かりませんでしたが、おそらくそれを意識して建てられたのだと思われます

私たちがまず最初に目指したのは浜の川湧水という場所。チラシに載っていた地図を手がかりに歩くと、それは国道から少し奥に入った住宅地の中にあるようです。こんな所に水が湧いているなんて、いったいどんな所なんだろう?公園かなんかあるのかな~?なんて、その場所を想像しながら案内表示に従って路地を進んでいくと…

ありました~ ここが浜の川湧水です 私の想像とは全く違って、そこは単なる公園ではなく、井戸や洗い場などが整備され、近隣に住む人たちが今もなお生活用水として利用する公共の場所でした。

と、そこに洗場使用規則』なるものを発見 区画によって洗うものがちゃんと決められているんですね~。これらの規則がちゃんと守られていることは、この場所に来れば一目瞭然。だって、とってもきれいなんですもん

島原の水は本当にきれい こんな所が近所にあったらいいのになぁ。本当にうらやましい!

洗い場のすぐ隣にあるこの建物は、かつては『銀水』という寒ざらし屋さんでした。寒ざらしとは、白玉粉で作った小さな団子を島原の湧水で冷やし、蜂蜜や砂糖などで作った特製の蜜をかけたもので、島原名物の一つに数えられる郷土料理です。

二代目の店主だった中村初吉(ハツヨシ)さんは、90歳くらいまでお店を一人で切り盛りしておられたそうですが、16年ほど前に他界し、その後お店は閉められたまま。以前銀水を訪れたことのある母の話によると、ここのおばあちゃんが作る寒ざらしはとっても美味しかったんだそうです。あぁ、一度食べてみたかったなぁ。建物の老朽化が目立つので、今後どうなるかは分かりませんが、とても雰囲気のあるステキなお家なので、どうにか補修して島原の歴史ある遺産として残していただきたいものです。

銀水のおばあちゃんと寒ざらしに思いを馳せながら、昭和の香りがぷんぷんする通りを抜けて、次のポイントを目指します。

次に訪れたのは南島原駅。この木造の駅舎、とってもステキ~ 昔の木造の小学校みたい!1913年(大正2年)に開設されたこの駅舎は、米寿(88歳)を迎えた頃に解体が検討されたそうですが、地元の人たちの強い要望で歴史的な建造物として保存されることが決まり、2002年(平成14年)に改修工事が完了。今も地元の人たちに大切に使われています。

待合室に入ると、これまたなんとも懐かしい雰囲気がぷんぷんと漂っています。

ちょっとホームに出てみました。ここにはピカピカ光る電光掲示板など一切ありません。柱も屋根も木造で、やはりほぼ当時のままの姿が残されています。おもしろいのはV字型に伸びた屋根。電車に乗り降りする時に雨が落ちてこないようにしてあるのかな 

さて、南島原駅を出てまたしばらく歩くと、今度は島原街道の石碑を発見 説明板によると、『龍馬の長崎初上陸の地は島原だった ~龍馬が歩いた島原街道~』とあります。1868年に勝海舟が坂本龍馬を伴い初めて長崎に上陸したのがこの場所なのだとか。

この時は水が引いていましたが、満潮のときには船が入れるようになっているようです。ここから陸路を使って長崎まで歩いたんですね~。

龍馬上陸の地のすぐ目の前に交番がありますが、今は島原街道に関する無人の案内所となっています。それによると、龍馬達はここから雲仙を越えて、今の国道251号線に沿って、長崎まで歩いたようです。山越えより海沿いを歩いた方が楽だと思うけど、龍馬達は最短距離を選んだのでしょうね。今度は龍馬が歩いた街道を歩いてみたくなりました。来年のGWは島原街道歩きにしようかな~なんて思いを巡らせつつ、島原ウォークはまだまだ続きまーす

つづく


GW長崎街道歩き3(鈴田峠~破籠井)

2011年06月11日 | 長崎街道

道すがらオドリコソウがたくさん咲いていました

いよいよ今年のGW街道歩きも最終回。全ての記事をアップするのになんと1ヶ月以上もかかってしまいました 途中ちょっとくじけそうになりましたが、全部の行程をご紹介したいので、最後までちゃんとアップします どうぞご笑覧くださいませ~

国道から鈴田峠に向かってどんどん上っていく私たち。平坦な道はいくら歩いても疲れないけど、上りはやっぱりしんどいな~ でもこの先の峠は自然がたくさん残っていて、昔の街道の雰囲気もそのまま保たれているステキな場所。去年はそこで念願のギンリョウソウに出会えたこともあり、気分はドキドキワクワク、テンションのkero-keroなのでした さて、今年も彼らに出会えるかな~

ここは渡辺伝弥久の墓。キリシタン大名大村純忠の家臣として活躍された方なのだそうです。自然石のお墓で、この辺りの街道の目印の一つにもなっています。

小さな野草が咲き連なる鈴田峠界隈。虫達も嬉しそうに花の蜜を吸いにきています。こちらはオミナエシ科のノジシャ。ヨーロッパではこの葉をサラダにするそうです。野にあるチシャで覚えましょう~

こちらはシソ科のカキドオシ。今年になってから覚えた花です。蔓(つる)が垣根の下を通り抜けるので「カキドオシ」というのだそうです。繁殖力が強いのでしょうね

こちらはシソ科のモモイロキランソウ。よく見るのは紫色だけど、ピンク色もあるんですね~

いよいよ峠が近づいてきました。この先からコンクリートの道が土の道に変わります。

しばらくすると細長~い柄を持つキノコを発見 よく伸びてるな~

おっ!ここにもキノコが

まるっこいホコリタケもいました~

腐った木の下からひょっこり!

天然のキノコってしょっちゅう見られる訳ではないから、見つけるとなんだか嬉しくなっちゃう キノコは落ち葉の隙間や倒木の周辺などによく生えているのですが、キノコが成長するには湿気だけでなく、光も必要。これらのポイントに気をつけながら森の中を歩くと、皆さんもきっと可愛らしいキノコたちに出会えますよ~

あ、街道歩くのにそんなアドバイスいらないか(笑)

鬼の足形石に到着~ 手前に大きな足形のようなものがあることから、そう言われているようです。大村藩と佐賀藩諫早領の境目となっていて、境石とも呼ばれています。オランダ商館医だったシーボルトもこの峠で大村藩役人の出迎えを受けたという記録があり、藩境の重要な場所だったのだとか。今でこそほとんど誰にも会わないような山道だけど、かつては様々な偉人達がこの場所を通ったのでしょうね。

さて、今回の街道歩きも終わりに近づいてきました。しかし、まだ彼らに会っていません。今年は会えないのかなぁと思っていると…

いたーっ 私が会いたかった彼ら、シャクジョウソウ科のギンリョウソウです 今年のギンリョウソウはうっすらピンク色を帯びていてとってもきれい

去年は気付かなかったけど、花の中はこんな風になってたんですね~ 黄色い部分が雄しべで、紫色の部分が雌しべです。ギンリョウソウは腐生植物(菌根を形成し、生活に必要な有機物を菌類から得ることで生活する植物)の一種で、花が咲く時以外は地上に出てこないんですって。

こうしてみると、目玉の親父の仲間みたいなのがいっぱいいるみたい(笑)

ギンリョウソウはこんな風に固まって生えていることが多いです。江戸時代も落ち葉の隙間からこんな風に旅人を見守っていたのかな 去年はたった一ヶ所でしか見つけることができませんでしたが、今年はどういうわけかたくさんのギンリョウソウと出会うことができました この時期に鈴田峠を歩けば必ず彼らに会えることを確信。来年もまた会いに来るからね~

この大きな岩は妊婦さんの大きなお腹に似ていることからどんばら岩と呼ばれています。今はバラバラになっていますが、昔は一つの大きな岩だったようです。どこにも標示はありませんが、この通り成人女性がすっぽり入るサイズなので容易に見つかると思います 鈴田峠を歩くときは探してみてくださいね~

ここは諫早側の峠の入り口。長崎街道の説明板が建ててあります。そういえば、去年はこの辺りにきれいな鶏が2~3羽いたのですが、今年は見当たりませんでした。どこに行っちゃったのかなぁ?

峠を抜けると、再びアスファルトの道が続く現代の世界へ。外に出ると急に蒸し暑くなって、三人とも汗をかき始めました いつもアスファルトの道ばかり歩いていると分からないけど、山の中とは暑さも空気も全然違います。アップダウンはあるけど、木陰がたくさんあって涼しいし、空気もおいしいし、いろんな植物達に出会えるし、やっぱり山はいい 今年のGWはトータルで30kmほど歩きましたが、鈴田峠のように昔の道がほとんどそのまま残っている場所はごくわずか。もし昔の旅人気分を味わいたくなったら、ぜひとも鈴田峠を歩いてみてください。そして私の大好きなギンリョウソウに出会ってください 長崎街道鈴田峠、kero-keroのイチオシでーす

また来年もみんなで街道歩きを楽しめますように

GW長崎街道歩き(完)