3年連続で「知念かおりVS万波佳奈」という顔合わせとなっていた第9期ドコモ杯・女流棋聖戦三番勝負の最終第三局が行われ、挑戦者の万波が白番2目半勝ち。2勝1敗でタイトル奪還を果たした。
(週刊碁より抜粋 記・佐野 真)
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第三局の万波さん、序盤から苦しい立ち上がりのようでしたが、知念さんの緩着にも助けられて勝利を手中に納めたようです。タイトル奪還、おめでとうございます。
現在女流棋戦のタイトルホルダーは下記の通り、群雄割拠の時代となってきました。
一時は小林泉美さん一強という時もありましたが、最近は誰がタイトルを取るか予想できない女流碁界です。
◆女流本因坊:矢代久美子
◆女流名人:青木喜久代
◆女流棋聖:万波佳奈
◆女流最強:小林泉美
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今回のタイトル戦、「週刊碁」の記事は一昔前の青春ドラマのような表現ですが、新鮮な感じがしました。(下記参照)
あの「涙の失冠」から、ちょうど一年である。
勝負の世界において、喜怒哀楽をストレートに表現することが、必ずしも称賛に値するとは言い切れないが、昨年の挑戦手合で二連敗を喫して知念にタイトルを奪われた時に万波が思わず涙したシーンは、実に新鮮な感動を与えてくれた。
果たして今の碁界で、対局に負けて泣ける棋士がどれだけいるだろうか? その涙を拭うため、報われるかどうかも分からない努力を日々続けられる棋士がどれだけいるだろうか? 万波のあの涙が、その場限りのものでなかったことはすぐさまリターンマッチの挑戦権を勝ち取り、こうして三番勝負を戦っている事実が、何よりも雄弁に証明している。
(以下略)