第21回世界囲碁選手権富士通杯の決勝戦と3位決定戦が、7月7日に東京・市ヶ谷の日本棋院会館で行われ、中国代表の古力九段(25)が韓国の李昌鎬九段(32)を下し初優勝した。
韓国勢11連覇がかかっていた決勝戦だったが、古力の攻めが李昌鎬の反撃を封じ込めた。
中国勢では95年の第8回大会で馬暁春九段が優勝して以来二度目の優勝となる。
また、中国勢同士の組み合わせとなった3位決定戦は、常昊九段(31)が劉星七段(23)を下して3位に入り、来期のシード権を得た。
日本勢は依田紀基九段のベスト8が最高だった。
(日本棋院HPより抜粋)
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ベスト4に残ったのは中国3、韓国1でしたが、韓国世界戦の帝王・李昌鎬(イ・チャンホ)九段は準決勝で劉星七段を破り、古力九段との対決。決勝戦では古力九段が中盤から力強く攻めて、世界戦を制覇しました。
NHK-BS2「囲碁・将棋ジャーナル」で優勝者・古力九段へのインタビュー、「この喜びを最初に誰に伝えますか?」という質問に「昨年亡くなった父親・・・」と声を詰まらせていました。いまどきめずらしく純朴で爽やかな印象でした。
また、「週刊碁」の記事では日本の碁界について「日本がどうして世界戦で勝てないのか、不思議に思っています。日本はゆっくりした本格派の碁で、布石や形が美しくて素晴らしいと感じています。ただ、時間のない世界戦では激しい碁が多く中盤に問題にあると思います」とありました。
多少のリップサービスはあるとしても、誠実で好感が持てる棋士だと思いました。
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いままで国際棋戦といえば日・中・韓の3強といわれてきましたが、この数年の勢力図は中・韓の2強時代、そして本シリーズでは「中国の時代」到来を予感させます。
戦績で日本は苦境に立たされていますが、文化的な側面や精神性でアピールできればと思っています。