静岡県伊豆市で7月16日から行われた第63期本因坊決定戦七番勝負の第6局は挑戦者の羽根直樹九段が本因坊秀紳に黒番番中押し勝ちし、対戦成績を3勝3敗とした。第7局は22、23の両日、新潟県妙高市の赤倉観光ホテルで行われる。
羽根が第5局に続き、秀紳の大石を仕留めて快勝。持ち前の粘り腰で3連敗後に3連勝と巻き返し、決着を最終局に持ち込んだ。
<羽根九段の話>
封じ手のあと、黒59以下を打つ気になりました。黒97(8四)のノゾキから白一子を取れて、やれるかなと。最後の攻め合いは大丈夫だろうと信じていました。
<本因坊秀紳の話>
封じ手以下の手順には感心しましたが、形勢はいい勝負だと。でも、黒97を許して急に苦しくなりました。この手を打たせないように工夫すべきでした。
(毎日新聞より抜粋)
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羽根九段が高尾本因坊のお株を奪うような、厚みからの攻めで快勝。充実の一局でしょうか。
一方の高尾本因坊、元気がありません。TVで見る表情も迷いがあるような感じでした。
これで3勝3敗のタイとなり最終第7局を迎えることになりました。激闘続く本シリーズですが、両者の熱闘譜を期待しましょう。
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今回の対局地は静岡県伊豆市の玉樟園新井。近くには江戸末期の本因坊秀和の生家や顕彰碑、資料館などがあります。
昨年の5月に訪れましたが田舎の質素なお寺(最福寺)で、案内板も小さく、場所を探すのも苦労しました。
日本人の囲碁への関心度はこの程度かと、やや残念な気持でした。
第7局は新潟県妙高市の赤倉観光ホテル。週刊碁の「規三生(山田規三生九段)の目」というコーナーで、第7局に際し
「両者とも目の前の一局に集中し、天命を待つしかありません。妙高の山々に打ち上がる花火のように、二人の闘志がアカクラんらんと燃え輝いて、最高の夏の夜の夢を見せてください。」
と書いています。妙高、赤倉をかけたシャレでしょうが、イマイチでしょうか。