本因坊戦七番勝負の第3局は6月7日、8日に広島県尾道市で行われ、高尾紳路本因坊(29)が挑戦者の山田規三生九段(33)に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗とした。第4局は6月12、13日、佐賀県唐津市で行われる。
戦いに終始した一局だったが、山田が次々と繰り出す勝負手に対し、冷静に手厚く対処した高尾が乱戦を制して2勝目を挙げた。
<高尾本因坊の話>
左辺のワカレはいい勝負だと思ったが、封じ手のあたりではあまり自信がなかった。上辺の攻防でよくなったかもしれないが、勝ちと分かったのは最後の方です。自分なりに精いっぱい打てました。
<山田九段の話>
左辺で戦いを挑んだのは、考えてしまったあげく普通には打てなくなったため。上辺の戦いでチャンスが出てきたかなとも思ったのですが。最初から最後までめちゃくちゃでしたね。
(毎日新聞より抜粋)
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山田九段、独自路線にこだわり過ぎたのでしょうか不本意な流れになってしまいました。
高尾本因坊、挑戦者の変化球に惑わされずに押し切った勝負のようでした。
そういえば第4局は今日(6/12)からなんですね。変則日程で関係者も大変だと思われます。
「週間碁/秀行の目」の中で下記のような記事が載っていました。(抜粋)
「遠い中・韓の背中」
中国へ行って、帰ってきたところです。日本は大きく差をつけられたと実感しました。こまったことですな。
さて本因坊戦。高尾君も山田君も兵法を知りません。何をやっているのかと、二人をどやしつけたくなります。
(中略)
白○○手、黒××手のようなヘボをやる限り、中国や韓国には永久に追いつけないでしょうね。暗澹たる気持ちになります。
(藤沢秀行名誉棋聖・談)
相変わらず厳しい評価ですが、そんなに差があるのかと思います。暗い気持ちになりますが光明は見出せないのでしょうか。
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今回の対局地は広島県尾道市。訪れたことはありませんが、絵画、映画、寺院、文学など歴史と文化が香る街だそうです。いつかゆっくりと訪れてみたいものです。
「碁聖秀策」誕生の地、因島市は今年1月から尾道市と合併し新尾道市としてスタートしたそうです。「因島」の地名は残るでしょうが小が大に吸収されたようで、ちょっと割りきれない思いがします。