棋聖戦七番勝負第2局は2月1日、2日に岐阜県下呂市で行なわれ、白番の山下敬吾九段(27)が羽根直樹棋聖(29)に白番で6目半勝ちし、2連勝とした。
羽根の封じ手をきっかけに中央黒への攻めに回った山下は、右辺から中央にかけて地をまとめて攻めの効果を挙げ、流れをつかんだ。
非勢を意識した羽根は紛れを求めて左辺の白地になだれ込むチャンスをつかみ、今度はこの黒石をめぐる大コウが発生。
黒は左辺で生き、白は右辺を突き抜く振り替わりとなった。最後は寄せ合いとなったが、山下がリードを守りきった。
<山下九段の話> 打ちたい手が打てた。4勝しなければ意味がないので次も思い切りいきたい
<羽根棋聖の話> 中央の白模様が大きすぎ、2日目の午前中には負けにしていた。1局でも多く打てるよう頑張りたい
(読売新聞より抜粋)
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山下九段の戦闘力と形勢判断が勝利を呼び込んだようです。羽根棋聖の実利に対し悠然と厚みで対抗する勇気には感服します。
一方の羽根棋聖、厳しいと思われた封じ手が逆にチャンスを与えた形となりました。厳しい手は諸刃の剣ということでしょうか。
これで山下九段の2連勝、断然有利となりました。しかし羽根棋聖も粘り強いタイプ、次回以降の巻き返しが期待されます。
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第2局の対局地は日本三名泉と称される、岐阜県の下呂温泉。
囲碁・将棋のタイトル戦で有馬温泉、下呂温泉はしばしば登場しますが、群馬の草津温泉はほとんどありません。
交通アクセスで不便な面もありますが、全国の温泉の中で人気度の高い草津で是非開催してほしいものです。
2004年の「ねんりんピック群馬」の囲碁部門会場は草津温泉で、全国から250名もの囲碁ファンが訪れ囲碁と温泉を楽しまれました。「囲碁と温泉」、相性はいいと思いますよ。
【日本三名泉】
江戸時代、徳川家康、秀忠、家光、家綱の四代の将軍に仕えた儒学者、林羅山(1583~1657年)詩文集第三に全国の温泉の中で、草津、有馬、下呂が天下の三名湯と記されていたことによって、【日本三名泉】と称されています。