西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ギュスターヴ・シャルパンティエ

2007-06-25 09:07:59 | 音楽一般
今日は、フランスの作曲家ギュスターヴ・シャルパンティエの生誕日です(1860年)。
シャルパンティエには、もう1人マルカントワーヌ・シャルパンティエがいて、こちらはヴェルサイユ楽派の作曲家です。「真夜中のミサ」など優れた教会音楽を書いています。
ギュスターヴ・シャルパンティエは、歌劇「ルイーズ」の作曲者として知られています。日常の出来事を題材にしたヴェリズモ・オペラに分類される傑作である。20代半ば、私はこのオペラの名を知りませんでした。レコード店に行っても見かけたことはなかったと思います。初めてのヨーロッパへのツアーで、フランスのパリに行きました。オペラ座では何をしているのか、できたらチケットが手に入るなら見てみたい、と思い、オペラ座前の切符売り場へ。
私は、Qu'est-ce-qu' on donne a l'Opera ce soir?(今日オペラ座で何をしていますか?)と聞く。
チケットのおばちゃん、…. Une tres belle piece.(・・・。とてもいい作品よ。)
というような返事。
….のところがわからなかったのです。わからなかったというのは、その名を聞いてもそのオペラの存在を知らなかったのです。知らないオペラを見てもしょうがない。ヴェルディとかプッチーニ、あるいはビゼーまたはグノーのオペラだったら、と思いました。その後、旅行から帰ってからでしょうか、ふとこの時のオペラのことを気にしていた時、シャルパンティエのLouiseだったのではないかと思いました。(85%くらいの確信です。)1音節の単語だったのです。レコード店で3枚組みの「ルイーズ」を見つけました。もちろん購入しました。この時見られなかったその音だけでも聞けるわけだしと。オペラ座は建物を見るだけでもいいわけだし、その意味でもたとえ知らないオペラとしても入るべきだったと後で思いました。シャルパンティエというと、この時のことを思い出してしまいます。
この時のツアーでは、私は貪欲に音楽会を見てまわっていました。ウィーンで「メリー・ウィドウ」(アン・デア・ウィーン劇場)、その前ローマでは「アイーダ」と「リゴレット」(カラカラ劇場)、ロンドンではクリーヴランド弦楽四重奏団によるベートーヴェンのチクルス(クイーン・エリザベス・ホール)の1回で14番が入っていたのを覚えています。オペラ座は、また行く機会があるでしょう。その時に、と思っています。