Op.71は管楽六重奏曲でクラリネット、ファゴット、ホルン各2本からなります。作曲は「1792以前‐c.1796」とあります。1805年4月に初演され、作品番号はのちに付けられたということですから、全く作曲年代とは合っていません。
Op.72は、歌劇「フィデリオ」。1804~5年に作曲され、その後1806年と1814年の2度改訂されている。もちろん今はこの2度目の改訂版が普通上演されている。歌劇「フィデリオ」と書いたが、初めと1度目の改作は歌劇「レオノーレ」であった。Op.73は1809年作曲のピアノ協奏曲第5番《皇帝》、Op.74は同じく1809年作曲の弦楽四重奏曲第10番《ハープ》ということなので、「フィデリオ」作曲のどの年代をとっても、番号は作曲年代を表わしているとは言い難い。
歌劇「フィデリオ」に関する音楽を上げると、
1.歌劇「レオノーレ」(初作・1稿)
2.歌劇「レオノーレ」(改作・2稿)
3.歌劇「フィデリオ」(2の再改訂版・3稿)
4.序曲「レオノーレ」第1番
5.序曲「レオノーレ」第2番
6.序曲「レオノーレ」第3番
7.序曲「フィデリオ」
8.歌劇「レオノーレ」(初作・1稿)のNo.7a 行進曲(別稿)
となると思います。(これでおそらく全て。少なくとも録音されているものでは全部と思います。)
序曲はもちろん歌劇の一部をなしますが、どのような関係にあるかと言いますと、1のための序曲は5で、1805年11月20日にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました。8もこのときのものです。
6の序曲は2のためのものです。ただし、2の初演は1806年3月29日にこれも初作と同じアン・デア・ウィーン劇場で行われましたが、この初日日には序曲の完成が間に合わず「アテネの廃墟」の序曲が使われたということです。(ちょっと不思議。そんなことあるのかと言いたくなりますが。なぜそれなら5を使わないのかと思うのですが。)
そして7は現在そうであるように3の序曲となっています。そしてこれも通例になっていますが、この歌劇「フィデリオ」のNo.16の前に6が演奏されます。
さて4はどうなのかという話になりますが、1807年に作曲され、出版は1838年です。そして最終番号のOp.138が充てられたというわけです。
私は以上のことを理解するのに少し時間がかかりました。このようなことだと思っています。そしてこの4を除いたものがOp.72となっています。6はOp.72a、7はOp.72bと番号付けされています。5もOp.72aと書いてある作品表を見ることがありますが、これは誤りでしょう。そしてこれらを除いたものがすべてOp.72に入ると私は思うのですが。
Op.77はピアノ作品の「幻想曲」です。これは1809年作曲ですから、番号は作曲年代を表しています。
次回は80番台からです。
トスカニーニ全集も10セットくらいまだ残しています。ゆっくり聴きたいときに聴くでやっていきたいと思います。
では良いお年を。
Op.72は、歌劇「フィデリオ」。1804~5年に作曲され、その後1806年と1814年の2度改訂されている。もちろん今はこの2度目の改訂版が普通上演されている。歌劇「フィデリオ」と書いたが、初めと1度目の改作は歌劇「レオノーレ」であった。Op.73は1809年作曲のピアノ協奏曲第5番《皇帝》、Op.74は同じく1809年作曲の弦楽四重奏曲第10番《ハープ》ということなので、「フィデリオ」作曲のどの年代をとっても、番号は作曲年代を表わしているとは言い難い。
歌劇「フィデリオ」に関する音楽を上げると、
1.歌劇「レオノーレ」(初作・1稿)
2.歌劇「レオノーレ」(改作・2稿)
3.歌劇「フィデリオ」(2の再改訂版・3稿)
4.序曲「レオノーレ」第1番
5.序曲「レオノーレ」第2番
6.序曲「レオノーレ」第3番
7.序曲「フィデリオ」
8.歌劇「レオノーレ」(初作・1稿)のNo.7a 行進曲(別稿)
となると思います。(これでおそらく全て。少なくとも録音されているものでは全部と思います。)
序曲はもちろん歌劇の一部をなしますが、どのような関係にあるかと言いますと、1のための序曲は5で、1805年11月20日にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました。8もこのときのものです。
6の序曲は2のためのものです。ただし、2の初演は1806年3月29日にこれも初作と同じアン・デア・ウィーン劇場で行われましたが、この初日日には序曲の完成が間に合わず「アテネの廃墟」の序曲が使われたということです。(ちょっと不思議。そんなことあるのかと言いたくなりますが。なぜそれなら5を使わないのかと思うのですが。)
そして7は現在そうであるように3の序曲となっています。そしてこれも通例になっていますが、この歌劇「フィデリオ」のNo.16の前に6が演奏されます。
さて4はどうなのかという話になりますが、1807年に作曲され、出版は1838年です。そして最終番号のOp.138が充てられたというわけです。
私は以上のことを理解するのに少し時間がかかりました。このようなことだと思っています。そしてこの4を除いたものがOp.72となっています。6はOp.72a、7はOp.72bと番号付けされています。5もOp.72aと書いてある作品表を見ることがありますが、これは誤りでしょう。そしてこれらを除いたものがすべてOp.72に入ると私は思うのですが。
Op.77はピアノ作品の「幻想曲」です。これは1809年作曲ですから、番号は作曲年代を表しています。
次回は80番台からです。
トスカニーニ全集も10セットくらいまだ残しています。ゆっくり聴きたいときに聴くでやっていきたいと思います。
では良いお年を。