西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

アラム・ハチャトゥリアン

2007-06-06 09:00:23 | 20世紀音楽
今日は、ロシアの作曲家アラム・ハチャトゥリアンの生誕日です(1903年)。
ハチャトゥリアンというと、「剣の舞」を思い浮かべる人は多いと思います。私もその一人です。小学校でしたか、教科書に載っていて、音楽の時間に聴いたと思います。今でもおそらく載っているのでは。確かにこれは名曲と思います。この曲には、何か民族的な要素も入っているように思います。よく言われるように、音楽を聴くことで、その民族のイメージが伝わることがあると思いますが、これは作曲者の血に流れるアルメニア人の民族舞踊に由来する所があるのではと勝手に想像しますが、どうなのでしょうか。
ところで、ハチャトゥリアンはロシアの作曲家と言われて久しかったですが、それはソ連崩壊の前の話で、今はどこの国の人と言うべきなのだろうと思ったりしています。辞典には、グルジアのトビリシ生まれで両親はアルメニア人、とあります。生まれからすると、グルジア共和国となり、グルジアでは国を代表する音楽家としているのだろうか。アルメニアにも、民族的なことを考えれば、アルメニア共和国の偉大な作曲家という権利もあるでしょう。そういうことは煩わしいからと、過ごした時代を考え、「ソ連」の音楽家というべきという考えが出たら(参照している辞典は、今となっては古く、「ソ連」で出ています)、それもおかしなことでしょう。「ソ連」は現実に地上にないのですから。私は、アルメニアの作曲家とするのがいいのではと思いますが、グルジアもありうるかなとも思います。「ロシア」は決して正解にはならないでしょう。モスクワに学び、そこで大半を過ごしたとしても。「ロシア」に帰化したということでなければ。
閑話休題。「剣の舞」はバレエ音楽「ガヤネー(ガイーヌ)」中にあるが、古代ローマに題材をとったバレエ音楽「スパルタクス」もハチャトゥリアンの真髄を表す傑作と思います。ずいぶん前に、このバレエをテレビで見たときの印象は忘れられません。交響曲も3曲書いています。しかし、何と言ってもハチャトゥリアンの代表作は、私は「バイオリン協奏曲 ニ短調」だと思います。この曲は、何度も聴きました。今もその中の好きな旋律が自然に湧いてきますが、オイストラフに捧げられたこの曲をオイストラフ自身の独奏による演奏でしたが、この曲を聴くと私はハチャトゥリアンという作曲家を好きになってしまいます。ここにはアルメニアの調べが色濃く反映されているように思うからです。
2年くらい前でしょうか、CD9枚からなるESSENTIAL(不可欠な)と銘打たれた選集が出たので購入しました(ここには、なぜか「バイオリン協奏曲」は入っていませんでした)。演奏は、アルメニア・フィルハーモニー交響楽団、指揮はロリス・チェクナヴォリアンだった。やはり、ハチャトゥリアンを演奏するのは、アルメニア人によるのが一番なのだろうか。