西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ルドルフ・ケンペ

2007-06-14 08:33:54 | 音楽一般
今日は、ドイツの指揮者ルドルフ・ケンペの生誕日です(1910年)。
ケンペというと、やはりその偉業は、リヒャルト・シュトラウスの管弦楽曲の全集と言っていいでしょう。もちろんこれは完璧な全集というわけにはいかず、ほぼといわねばなりませんが。最初、これはLPで出されました。3枚ずつ3巻で、合計9枚です。ここには、10の交響詩全部と、「メタモルフォーゼン」、それに組曲「町人貴族」などがあり、おまけに歌劇「薔薇の騎士」からのワルツ集などもあります。このワルツ集はお気に入りで、よく聴くことがあります。これですべてかと思ったら、その後「協奏曲全集」が出ました。LP4枚で、5曲の有名な協奏曲の他に、ブルレスクなど普段あまり耳にしない独奏楽器つきの作品が収められてあり、こちらの方はすべての作品が網羅されていると言っていいでしょう。その後数年した時、これらの作品がすべてCD化され1セット物で出たのには驚きました。9枚組です。そして値段もぐっと安価で。当然ながらダブって買うことは避けるのですが、今回ばかりは購入してしまいました。「アルプス交響曲」や「ドン・キホーテ」など細かくトラック番号が打たれているのは、鑑賞に便利です。ケンペは、他にブルックナーなどにも名演を残しています。ドイツ音楽の正統的解釈者という印象を強く持っています。そして彼は日本に来る機会が確かなかったように思います。しかし、そのドイツ音楽の演奏遺産はこれからも聴かれ続けていくことでしょう。