西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

’09 「熱狂の日」音楽祭見聞記(その2)

2009-05-05 22:16:46 | 音楽一般
今日は生憎の雨。昼頃降り始め夕方からは結構な雨に。それでも大勢の人が詰め掛けていて、「熱狂の日」最終日を惜しむかのような人の波。丸の内近辺は今日は行かずに、会場の方へ直行した。

バッハのバイオリン協奏曲3曲を聴きにA会場へ。5千人のホールが埋まるのだから凄い。この3曲いずれも名曲である。バッハの家系は遺伝学的にもよく取り上げられるほど先祖に音楽家が輩出した家系である。バッハ以前の音楽家の努力で積み重ねたものが一挙にこの大バッハに集約されて溢れ出たかのように1000曲を越える作品群がJ.S.バッハの手から生み出された。そのどれもが傑作と言っても過言ではないが、わずか3曲しかない(実は残されたのがこの3曲ということらしい)バイオリン協奏曲はいずれも甲乙付け難い傑作である。何の努力もなしにこのような曲がペンから湧き上がるのであろうか。全く不思議としかいいようがない。バイオリニストでもあるジャン・ジャック・カントロフの指揮は、私は彼のモーツァルトの協奏曲で独奏を受け持った数枚のシリーズを愛聴しているが、彼のバッハは、自分が独奏者ならばこのように弾くというのを全面に押し出したような曲作りに感じられた。決して古典派・ロマン派だけの音楽家ではないことを認識した。

次はやはりバッハの「管弦楽組曲第2番」をメインとするB7会場でのコンサート。バッハの他に、1曲目ビバルディ、そして2曲目がヘンデルである。ビバルディは珍しくも「ピッコロ協奏曲」、独奏は高木綾子である。フルーティストはオケの中でピッコロに持ち替えることがあるから、何も不思議はないだろう。そして「管弦楽組曲第2番」はフルート独奏を伴うので、ネットで調べた時もまた会場でのパンフでも、フルートが誰とも記載してなかったので誰が吹くのかと直前まで思っていたのだが、3曲目も高木綾子が出てきたのでびっくり。計らずもフルートの演奏も聴けたのだった。それならなぜ演奏家の名前に「高木綾子(ピッコロ、フルート)」としてなかったのか?よくわからない。「高木綾子(ピッコロ)」の表記で誰しも、当然「管弦楽組曲第2番」も高木綾子の独奏と考えるのだろうか。ながなが書くほど拘ることがないかも知れないがそんなことを思ってしまう。2曲目のオーボエも含め、いずれも素晴らしい演奏だった。今回聴いた2つの演奏会はどちらも「お得なもの」と言っていいだろう。

来年のテーマは何なのだろう。恐らく発表されていると思うのだが、私はまだ目にしていない。帰り電車の中で、フランス、イタリア、スペインなどラテン系の音楽家を集めたものかな?などと考えたのだが、どうなのだろう。(今年がドイツ系中心だったので)来年も、事前によく勉強して、今年以上に楽しみたいと考えている。

’09 「熱狂の日」音楽祭見聞記(その1)

2009-05-04 22:26:00 | 音楽一般
昨日から「熱狂の日」音楽祭が今年も始まった。プレ・イベントはもう何日も前から始まっている。ネットでそのことはわかるので早くから雰囲気を味わえに行けばいいところであるが、GWとは言え、勤めの仕事を持ち帰っているとおいそれとはいけない。ということで今日はじめて会場へ。

予約して手に入れた券は明日の2つのコンサートのみ。それで今日は丸の内周辺で無料コンサートを楽しもうと出かけた。結局4つのコンサートに足を運んだ。

丸ビル1階マルキューブでのオーケストラ演奏
丸の内オアゾ1階でのピアノ連弾(これは後半のみ聴いた)
TOKIA1での無伴奏バイオリン
再び丸ビル1階マルキューブでのオーケストラ演奏(ブランデンブルク協奏曲5・6番)

無料でこのようなのが聴けるとコンサートホールでの演奏会に足を運ばなくても、などと思ってしようような熱演ばかり。素人のものもあるが、多くは音大を出た人たちだからだろう。とても良いものばかりでした。特に、無伴奏バイオリンには驚きました。最近の演奏者のことは疎くなってしまったようで、この高木和弘氏のことは全く知りませんでした。それでいきなり凄い演奏を聴かされびっくり仰天でした。今も耳にあの音色が浮かんできます。バッハのシャコンヌ、とても良かったです。何度も聴いてみたいような演奏でした。
ブランデンブルク協奏曲の5番でもソロを弾くというのですぐ駆けつけました。直前にあれだけの演奏をしてその後すぐにこのソロ。これにも驚きでした。フルート・ソロも良かったですね。それで帰ってネットで見てみました。お二人ともそれぞれ首席で大学を卒業など経歴が出ていて納得。

明日は、会場へ。バッハとビバルディを堪能したいと思います。