西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

「ラ・フォル・ジュルネ」のショパン

2010-05-10 18:33:44 | 音楽一般

もうすでに1週間が経ちました。「熱狂の日」音楽祭に行かずして、GWは過ごせないという気持ちで今年も音楽祭に行きました。チケットを取るのが遅くなったので、何がまだ手に入るかという思いで、東京フォーラムに数日前に行きました。予想通りAホールのはまだありました。その中から、No.112の演奏会を聞くことにしました。

ジュジアーノというピアニストは始めて知りました。とても良い演奏を聞かせてくれました。ところで2曲のうちの1曲目は変更になりました。「演奏会用アレグロ」から作品2の管弦楽の伴奏付きの「『ラ・チ・ダレム・ラ・マーノ』による変奏曲」になりました。シューマンが、ショパンを「諸君、天才だ、帽子をとりたまえ」と評したあの作品です。変更になったのは私にとっては、実演でこの曲を聞け良かったと思っています。2曲目のメインは、「ピアノ協奏曲第2番」。のだめの映画後編で「第1番」が使われています。私としても、何度も聞き好きな1番が聞けたらと思っていましたが、半面「2番ではダメなのですか」という声も沸いてきて、2番がメインのこの演奏会を選びました。2番については、実は1番よりも先に作曲され、出版の関係で、このナンバーがついたということです。この第2楽章は「理想の人」と呼んでいたコンスタンツィヤという初恋の女性を思い描きながら作曲したということです。実演でそれを聞いてみたいという思いがありました。十分にそのショパンの気持ちが知りえたとはまだ言えません。この後もまた何度か聞いて確かめたいと思います。アンコールは独奏で2曲ありました。5000人入るこのホール、ほとんど満員だったと思います。「のだめ」の影響はこの音楽祭に大きく反映されているようです。そうでなければこれだけの人々が集まるのが理解できないといったところです。


ところでこの日のコンサートを選んだ理由は、その後、無料で聞かれる演奏会のことも考えてでした。地下の会場で、「のだめオーケストラ」のメンバーによる演奏会、それと地上でのフルートの演奏会を聞いてみたいと思ったからです。(一緒にいった妻がフルートを趣味でしているので。)いずれも立ったまま聞きました。すごい混雑でした。のだめメンバーの演奏は、ドラマで出てきた音楽をいろいろ楽しむというものでした。フルート奏者の新村さんはまだ中3?・高1?、度肝を抜くようなテクニックで吃驚仰天といったところです。またど派手なコスチューム。ショパンの幻想即興曲をフルートで演奏することから最後はリムスキー・コルサコフの「くまん蜂の飛行」まであっと驚くような演奏でした。ただ凄いという言葉しか浮かびません。


会場を後にし、周辺のエリアのコンサートへ。弦楽四重奏団のコンサート。これもとても良かったです。ドボルザークの「アメリカ」などすばらしい演奏を聴きました。無料で聞け楽しめるのですから、うれしい限りです。最後、新丸ビルでもあるというので行きましたが、こちらは変わったタイプの内容だったのでパスし、代わりにというか、これも目的で行ったのですが、「のだめワールド」に行きました。こういう風に漫画が制作されてきたんだということを知りました。その後は食事をして帰りました。半券を持ってもう一日雰囲気を味わいにとも思いましたが、時間が取れず行きませんでした。去年、音楽祭が終わったとき、次回はテーマは何だろうと予想しましたが、見事にそれは外れました。来年のテーマはなんだろう。発表になっているでしょうが、知りません。ネットを見れば出ているのでしょうが。来年も、できれば連日、聞きに行きたいと思っています。