西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

テ・デウム(5)

2017-01-26 09:30:30 | 音楽一般
Miserere nostri, Domine, miserere nostri.
ミセレーレ ノストリー ドミネ ミセレーレ ノストリー
Fiat misericordia Tua, Domine,
フィーアト ミセリコルディア トゥア ドミネ
super nos, quemadmodum speravimus in Te.
スペル ノース クェマドモドゥム スペーラーウィムス イン テー
In Te, Domine, speravi:
イン テー ドミネ スペラーウィー
non confundar in aeternum.
ノーン コーンフンダル イン アエテルヌム

miserere misereor(形式所相動詞)(2)憐れむ、の命令法現在単数2人称 属格支配
nostri nos(人称代名詞)(我々)の属格
fiat fio(不規則動詞)生ずる、の接続法現在単数3人称
misericordia(1)pity,compassion,mercy
super(前)~の上へ(対格支配)
nos ここでは(対格)
quemadmodum(副)just as, as
speravimus spero(1)期待する・望む、の能動相完了複数1人称
speravi spero(同上)、の能動相完了単数1人称
confundar confundo(3)mingle in confusion、の受動相接続法現在単数1人称

われらをあわれみ給え、主よ、われらをあわれみ給え。
主よ、御身に依(よ)り頼みしわれらに、御あわれみをたれ給え。
主よ、われ御身に依り頼みたり、わが望みはとこしえに空(むな)しからまじ。
(公教会祈祷文)

ラテン語の動詞は、規則動詞、不規則動詞、不完全動詞の3つがある。不規則動詞は、英語のbe,canなどの動詞の類で、giveなどをいう時の不規則動詞とは異なる。
規則動詞は第一変化動詞から第四まであるが、第三と第四の「合いの子」(ラテン語入門)と呼ばれるものがあり、全部で5種類ある。それらを(1)(2)(3)(3b)(4)として表示する。上にあるような動詞に付く(1)(3)などはそれを示す。不規則動詞は、英語のbe,canなどの動詞と同様、数は限られていて、sum(ある),eo(行く),fero(運ぶ),volo(欲する),nolo(欲しない),malo(択ぶ),fio(なる)の7ヶである(do(与える),edo(食べる)を加えることもある。他に、possum(できる)などの合成動詞がこれに加わることもある。)。不完全動詞は、一般に5ヶと数えられている(さらにいくつか加えて数えることもある)。
ラテン語の動詞を辞書などで示す時は、近代語と異なり、(詳しく言うと)能動相直説法現在単数1人称で示す。(英語のように、原形と呼ばれる不定詞ではない。)そして能動相不定法現在、能動相直説法完了単数1人称、目的分詞(ラテン語のsupinumで呼ばれることがある)の4ヶが、ラテン語の動詞の基本形となる。(英語は、原形、過去形、過去分詞形の3つ)
英語などで態というのを、相を使い、これには能動相、受動相の2ヶがある(古代ギリシア語などでは中動相が加わり3ヶ)。法は、直説法、接続法、命令法、不定法の4ヶ。不定法は他の3つと人称と数を持たない点で異なるが、法に含めて言われる。時称は(時制と言ってもいいが、手元の文法書では、多く時称を用いている。)、現在、未完了過去、未来、完了、過去完了、未来完了の6ヶ。英語の現在進行形のような、進行時制はない(独語、仏語などもなく、これは英語独特と言っていいだろう。)完了は「現在完了」と記す文法書もあるが、いくつかの文法書にあるように「完了」だけとする。数や人称は近代語と同じ。(古代ギリシア語には「双数(両数)」がある。)動詞の中には、能動相の形を持たない(しかし意味は能動)動詞が数多くある。これを形式所相動詞と呼び、不完全動詞には含めない。動詞の概略を書いてみました。

テ・デウム(4)

2017-01-25 15:45:26 | 音楽一般
Aeterna fac cum sanctis Tuis in gloria numerari.
アエテルナー ファク クム サンクティース トゥイース イン グローリアー ヌメラーリー
Salvum fac populum Tuum, Domine,
サルウゥム ファク ポプルム トゥウム ドミネ
et benedic hereditati Tuae.
エト ベネディーク ヘーレーディターティー トゥアエ
Et rege eos, et extolle illos usque in aeternum.
エト レゲ エオース エト エクストッレ イルロース ウスクェ アエテルヌム
Per singulos dies benedicimus Te;
ペル スィングロース ディエース ベネディーキムス テー
et laudamus nomen Tuum in saeculum, et in saeculum saeculi.
エト ラウダームス ノーメン トゥウム イン サエクルム エト インサエクルム サエクリー
Dignare, Domine, die isto sine peccato nos custodire.
ディグナーレ ドミネ ディエー イストー スィネ ペッカートー ノース クストーディーレ


Aeterna aeternus(形)永遠の、の女性単数奪格 gloriaを修飾する
fac facio(3b)作る、の命令法現在単数2人称
sanctis sanctus(上述)の複数奪格
numerari numero(1)数える、の受動相不定法現在
Salvum salvus(形)健康な、の男性単数対格
populum populus(2)民衆・国民、の単数対格
Domine dominus(2)主、の呼格
benedic benedico(3)祝福する、の命令法現在単数2人称
hereditati hereditas(女)heirship,an inheritance、の単数与格
rege rego(3)支配する、の命令法現在単数2人称
eos is(指示代名詞、それ)の男性複数対格 ラテン語は人称代名詞の3人称がない(!)ので、代わりに指示代名詞が用いられる。
extolle extollo(3)挙げる・ほめる、の命令法現在単数2人称 命令法現在単数2人称が、ここに集中的に出てくる。
illos ille(指示代名詞、あれ)の男性複数対格 これも人称代名詞の代わりをしている。話し手、聞き手の双方に遠いものを指す。
usque(副)ずっと続けて
in aeternum phraseでfor everの意。
singulos singuli(形)一つずつの、の男性複数対格
dies dies(5・男)日、の複数対格
benedicimus benedico(先述)の能動相直説法現在複数1人称
laudamus laudo(先述)の能動相直説法現在複数1人称
nomen nomen(中)名前、の単数対格
saeculum saeculum(2)世代・世紀・時代、の単数対格
Dignare digno(1)deem worthy、の不定法現在
die dies(先述)の単数奪格
isto iste(指示代名詞、それ)の男性単数奪格 聞き手に近いものを指す。
sine(前)(奪格支配)~なしに
peccato pecco(1)罪を犯す
nos (人称代名詞)複数1人称対格
custodire custodio(4)(他)watch over,guard,protect、の不定法現在

かれらをして諸聖人と共に、永遠の栄えのうちに数えらるるを得しめ給え。
主よ、御身の民を救い、御身の世継ぎを祝し、
かれらを治め、永遠(えいえん)にいたるまで、かれらを高め給え。
われら、日々、御身に謝(しゃ)し、
世世(よよ)にいたるまで聖名(みな)をたたえ奉る。
主よ、今日(こんにち)われらを護(まも)りて、罪を犯さざらしめ給え。
われらをあわれみ給え、主よ、われらをあわれみ給え。
主よ、御身に依(よ)り頼みしわれらに、御あわれみをたれ給え。
主よ、われ御身に依り頼みたり、わが望みはとこしえに空(むな)しからまじ。
(公教会祈祷文)

テ・デウム(3)

2017-01-24 09:37:19 | 音楽一般
Tu Rex gloriae, Christe.
トゥー レークス グローリアエ クリステ
Tu Patris sempiternus es Filius.
トゥー パトリス セムピテルヌス エス フィーリウス
Tu ad liberandum suscepturus hominem,
トゥー アド リーベランドゥム ススケプトゥールス ホミネム
non horruisti Virginis uterum.
ノーン ホッルイスティー ウィルギニス ウテルム
Tu devicto mortis aculeo,
トゥー デーウィクトー モルティス アクーレオー
aperuisti credentibus regna caelorum.
アペルイスティー クレーデンティブス レグナ カエロールム
Tu ad dexteram Dei sedes, in gloria Patris.
トゥー アド デクステラム デイー セデース イン グローリアー パトリス
Judex crederis esse venturus.
ユーデクス クレーデリス エッセ ウェントゥールス
Te ergo quaesumus, Tuis famulis subveni:
テー エルゴー クワエスムス トゥイース ファムリース スブウェニー
quos pretioso sanguine redemisti.
クォース プレティオーソー サングイネ レデーミスティー

rex (男)王、の単数主格
gloriae gloria (1)栄光、の単数属格
Christe.Christus (2)キリスト、の呼格
sempiternus (形)everlasting, perpetual, eternal
es sum(~である)の現在単数2人称
ad+動名詞 ~するために
liberandum libero(1)解放する・自由にする、の動名詞対格
suscepturus suscipio(3b)支持する・引受ける、の未来分詞男性単数主格形
hominem homo(通)人、の単数対格  (通)は男性女性共通、の意
non (副)ない
horruisti horreo(2)恐れる、の能動相直説法完了単数2人称形
Virginis virgo(女)乙女、の単数属格
uterum uterus(男)the womb(子宮)、の単数対格
devicto devinco(3)(他)conquer completely,subdue、の完了分詞で、男性単数奪格
mortis mors(女)死、の単数属格
aculeo aculeus(男)sting,spine,prickle、の単数奪格、すぐ前の奪格の分詞devictoと共に、絶対的奪格を作る。英語の独立分詞構文に相当する。
aperuisti aperio(4)開く、の能動相直説法完了の単数2人称
credentibus credo(3)信ずる、の現在分詞の複数与格
regna regnum(2)王国、の複数対格
caelorum caelum(2)天・空、の複数属格
dexteram dextera(1)the right side、の単数対格
Dei deus(2)神、の単数属格
sedes sedeo(2)座す、の能動相直説法単数2人称
gloria gloria(1)栄光、の単数奪格 綴りは同じだが、読みはグローリアーと延ばす。
Judex judex(男)裁判官、の単数主格
crederis credo(3)信ずる、の受動相直説法単数2人称
esse sum(不規則動詞)~である、の不定法現在
venturus venio(4)来る、の未来分詞で、esseと共に不定法未来を作る。
ergo(副)それ故に
quaesumus quaeso(3)願う、の能動相直説法現在複数1人称 辞書に[old form of quaero]とある。また、(1st plur. quaesumus)と。この複1の形は特殊なもの。
Tuis tuus(所有形容詞)君の、の複数与格
famulis famulus(2)servant,attendant、の複数与格
subveni subvenio(4)(与格支配)助ける、の能動相命令法単数2人称
quos qui(関係代名詞)の男性複数対格
pretioso pretiosus(形)valuable,precious,costly、の男性単数奪格
sanguine sanguis(男)血、の単数奪格
redemisti redimo(3)(他)redeem((罪・束縛などから)救う(rescue);(神が)救済する、の能動相直説法完了単数2人称

これまで何度か出てきた-istiの語尾は能動相直説法完了単数2人称の人称語尾である。

 御身、栄えの大君(おおぎみ)なるキリストよ、
 御身こそは、聖父(おんちち)のとこしえの聖子(おんこ)、
 世を救うために人とならんとて、おとめの胎をもいとわせ給わず、
 死のとげにうち勝ち、信ずる者のために天国を開き給えり。
 御身こそは、御父の御栄え(みさかえ)のうちに、天主の右に坐(ざ)し、
 裁き主(さばきぬし)として来りますと信ぜられ給う。
 願わくは、尊き(とうとき)御血(おんち)もてあがない給いししもべらをたすけ給え。
 (公教会祈祷文)

テ・デウム(2)

2017-01-17 22:08:28 | 音楽一般
Sanctus, sanctus, sanctus, Dominus Deus Sabaoth.
サンクトゥス サンクトゥス サンクトゥス ドミヌス デウス サバオート
Pleni sunt caeli et terra majestatis gloriae Tuae.
プレーニー スント カエリー エト テッラ マーイェスターティス グローリアエ トゥアエ

sanctus (形)神聖な
Sabaoth これはラテン語の辞書に出ていず、英語の辞書にはこのままの綴りで、万軍(armies, hosts)、とあります。さらに the Lord of Sabaoth で万軍の主、神、とも。army(陸軍、軍、軍隊)の複数形を意味するヘブライ語に由来するとあります。
pleni はplenus (形)~に満ちた、で奪格もしくは属格を補語としてとりますが、ここは属格が来ています。
caeli caelum(2)天空、の複数主格
terra terra (1)大地、の単数主格
caeli et terra  が主語で、sunt(sumの複数3人称形)が述語で、pleniが補語です。
majestatis  majestas (女)grandeur(偉大・高貴・威厳)、の単数属格
gloriae gloria (1)名声・栄誉、の単数属格
Tuae tuus (所有代名詞)君の、の女性単数属格


Te gloriosus apostolorum chorus,
テー グローリオースス アポストロールム コルス 
Te prophetarum laudabilis numerus,
テー プロペータールム ラウダービリス ヌメルス
Te martyrum candidatus laudat exercitus.
テー マルテュルム カンディダートゥス ラウダト エクセルキトゥス
Te per orbem terrarum sancta confitetur Ecclesia,
テー ペル オルベム テッラールム サンクタ コーンフィテートゥル エックレーシア
Patrem immensae majestatis:
パトレム イムメーンサエ マーイェスターティス
venerandum Tuum verum et unicum Filium;
ウェネランドゥム トゥウム ウェールム エト ウーニクム フィーリウム
sanctum quoque paraclitum Spiritum.
サンクトゥム クォクェ パラクリートゥム スピーリトゥム

gloriosus (形)full of glory, famous
apostolorum 辞書になし。英和辞書で探すと、apostolic (形)使徒の、apostle (名)(初期キリスト教時代の)伝道者、とある。複数属格男女性
chorus (男)company, troop of any kind
prophetarum 辞書になし。英和辞書で探すと、prophet (名)予言者、とある。複数属格女性
laudabilis (形)たたえるべき
numerus (男)数
martyrum 辞書になし。英和辞書で探すと、martyr (名)殉教者、とある。単数属格男中性
candidatus (男)a candidate for office
exercitus (4)軍隊,host,flock,swarm
per (前)(対格支配)~を通って・~を貫いて
orbem orbis (男)地球・円・輪、の単数対格
terrarum terra(先述)の複数属格
orbis terrarum で、世界、の意。
confitetur confiteor(先述)の直説法現在3人称単数
Ecclesia, 辞書になし。英和辞書で探すと、ecclesiastic (名)(キリスト教の)聖職者、牧師(clergyman)、とある。そして、この語の語源を見ると、このラテン語はギリシア語から来ていることがわかり、このEcclesiaの意味として、assembly summoned by crier,(のちに)the Church((組織体としての)教会)、とある。女性単数主格と考えられる。
Patrem pater(男)父、の単数対格
immensae immensus (形)大きな、の単数属格女性
venerandum veneror(1)敬う、の動形容詞
verum verus(形)真の、の男性単数対格
unicum unicus (形)ただ一つの、の男性単数対格
Filium filius(2)息子、の単数対格
quoque (副)もまた
paraclitum 辞書になし。英和辞書で探すと、paraclete (名)(P-)聖霊(Holy Spirit)、とある。
Spiritum spiritus(4)(男)息・生命・霊魂、の単数対格

聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍(ばんぐん)の天主、
天も地も、御身の栄えと御霊威(ごれいい)とに充ち満てりと。
ほまれにかがやく使徒のむれ、
ほめたとうべき預言者のあつまり、
潔(きよ)き殉教者(じゅんきょうしゃ)の一軍、みなもろともに御身をたたえ、
全地にあまねき聖会は、
御身、限りなき御(み)いつの聖父(おんちち)を、
いとたかき御身がまことの御独り子(おんひとりご)と、
また慰め主(なぐさめぬし)なる聖霊と、ともに讃美し奉る。
(公教会祈祷文)

テ・デウム(1) 

2017-01-16 21:51:02 | 音楽一般
Te Deum(テ・デウム)というと、真っ先にやはりブルックナーの作品を思い起こします。他に、ドボルザークのそれもスメターチェクの演奏で愛聴しています。他にも、ベルリオーズ、ビゼー、古いところではフランスのヴェルサイユ楽派のマルカントワーヌ・シャルパンティエなども作品を残しています。この曲はカトリックの祭典曲ということですが、キリスト教の歴史を知れば、私などはとても賛美する気持ちなど持てないですが、純粋に神の栄光をたたえる人の気持ちの現われという考えで捉えたいと思います。

テ・デウムはラテン語の歌詞でいつか一字一句知りたいと思っていました。力強いブルックナーのその作品を聴けば聴くほど、その気持ちは強くなります。
読みは、ラテン語の古典時代の読み方をとっています。実際に合唱団が歌うのは、ドイツ式あるいはイタリア式で、ここに記したのとは異なるでしょう。

Te Deum laudamus:
テー デウム ラウダームス
Te Dominum confitemur.
テー ドミヌム コーンフィテームル
Te aeternum Patrem omnis terra veneratur.
テー アエテルヌム パトレム オムニス テッラ ウェネラートゥル
Tibi omnes angeli; Tibi caeli et universae potestates;
ティビ(-) オムネース アンゲリー ティビ(-) カエリー エト ウーニウェルサエ ポテスターテース
Tibi Cherubim et Seraphim incessabili voce proclamant:
ティビ(-) ケルービム エト セラピーム インケッサービリー ウォーケ プロークラーマント

te 人称代名詞2人称単数対格
deum deus(2)神、の単数対格
dominum dominus(2)主人、の単数対格
confitemur confiteor(2)認める・白状する、の直説法現在複数1人称
laudamus laudo(1)賞める、の直説法現在複数1人称
aeterunum aeternus,a,um(形)永遠の、の男性単数対格
patrem pater,patris(男)父、の単数対格
omnis omnis,omne(形)全ての、の単数主格(男女性共通)
terra (1)大地
veneratur veneror(1)崇拝する、の直説法現在単数3人称
tibi 人称代名詞2人称単数与格
omnes omnis,omne(先述)の男性複数主格
angeli angelus(2)天使、の複数主格 *所持する辞書にない.
caeli caelum(2)天、空、の単数属格
universae universus,a,um(形)全体の・すべての、の女性複数主格
potestates potestas,atis(女)能力、の複数主格
Cherubim とSeraphimの2つは所持する辞書になし.英和辞典の訳、説明を記すと、
Cherubim (ラテン読みはケルービム)ケルビム(天使九階級の第二階級に属する天使、知識にひいでる) 古代ヘブライ語に由来
Seraphim (ラテン読みはセラピーム)seraph((諸天使中)最高位の天使)の複数 古代ヘブライ語に由来
et (接)と、そして
incessabili この語所持する辞書になし.英和辞典でこれに関連する語ということで調べると、incessant(形)絶え間のない・ひっきりなしの、がある。語源欄にはラテン語のincessans,-antisに由来とあり、この語はnotの意のin-とto cease(「やめる、終わる」)の意のcessareが結合したものとある。cessoはもちろん辞書にある(英 cease(やめる))。incessansのinをとったcessansはcessoの現在分詞形で、incessabili中のcessはcessoから来ている。
laudo (先述)に由来するlaudabilis,e (形)たたえるべき、という語があり、結局incessabiliは形容詞incessabilis,eの単数奪格(3性共通)と考えられる.
voce vox,vocis(女)声、の単数奪格
proclamant pro-clamo(1)(他)大声で叫ぶ、の直説法現在複数3人称

天主にまします御身(おんみ)をわれらたたえ、
主にまします御身を讃美し奉る。
永遠(えいえん)の御父(おんちち)よ、全地は御身を拝みまつる。
すべての御使い(みつかい)ら、天(あま)つ御国(みくに)の民、よろずの力ある者、
ケルビムも、セラフィムも、絶間(たえま)なく声高らかに御身がほぎ歌をうたいまつる。
(公教会祈祷文)


ブルックナーのテ・デウムは、1881年に作曲され、1883-84年に改訂されました。丁度同じころ、第7交響曲が作曲され(1881-83年)、その第2楽章にはこのテ・デウムからの旋律が引用され出てきます。最後の交響曲となった第9番は結局、作曲者の死により、第4楽章が完成されず、未完のまま残されましたが、生前ブルックナーは第9交響曲の第3楽章の後に、このテ・デウムを演奏して欲しいと言ったのは有名な話です。実際そのように演奏されることもあるようです。調性の関係で、結び付けることに難を唱える人もいるようですが、内容的には繋がるものがあると思っていますが、どうでしょうか。