西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ワーグナー讃

2013-05-22 12:30:08 | 音楽一般


今日は、ドイツのオペラ作曲家リヒャルト・ワーグナーの生誕日。生誕200年です。世界各地でこの日ワーグナーの作品が演奏されるようです。

亡くなったのが、1883年2月13日だから、没後130年ということにもなる。70歳を3か月ちょっと後に控えて亡くなったことになります。

ほとんどすべてのワーグナー作品を聴いてきましたが、コレクション上どうしても欲しいのが発売され、最近3つほど購入しました。

1.『ニーベルングの指環』全曲 ショルティ&ウィーン・フィル(17CD+DVD+ブルーレイ・オーディオ)

2.バイロイトの遺産~ワーグナーの幻想(50CD)

3.知られざるワーグナー~管弦楽、声楽、ピアノ作品集 プラッソン、サヴァリッシュ、ヤノフスキ、ルートヴィヒ、ハンプソン、ルディ、他(3CD)

ショルティのワーグナーは、「指輪」を除くセット物を所持していますが(ということはそれ以前に、レコードや単発では持ってなかった!)「指輪」のセットは持っていなかった。というのは、このセット、値段はぐっと割安になっていたが、ぜひとも欲しかった動機などを取り出したCD2枚(レコードでは3枚だった)が備わっていなかった。しかしこの1のセットは、これを含み、リハーサル風景のDVD、それになんとブルーレイに「指輪」全曲を入れている!ものすごいセット物なのですね。7000部限定でNo.6498と打ってある。迷わず購入。これでショルティのワーグナー全10作品は揃うことになりました。

2.は「オランダ人」以降の10作品がすべて入っていて、しかも他にも歴史的名演が数多く収められている。枚数の割には、格安だった。

3.はワーグナーの珍盤ともいうべきものも含まれていて、多くは別の演奏のものを所持していますが、一緒に買い求めました。

これでワーグナーを今後買うことはないでしょう。

今、「神々の黄昏」の中から「ジークフリートのラインの旅」と「ジークフリート牧歌」を1.にあるショルティ指揮のものを聴きました。

以前も書きましたが、ワーグナーは文筆面、それに作曲面、両方における大天才だと思っています。

「タンホイザー」中の大行進曲、「ローエングリーン」のエルザの夢、「トリスタン」の第1幕への前奏曲と終幕の愛の死、「名歌手」の優勝歌、「指輪」のワルハラへの神々の入場、魔の炎音楽、上に挙げたジークフリートのラインの旅、そして最終作品「パルジファル」の第1幕への前奏曲・聖杯騎士の合唱・聖金曜日の奇蹟、まだまだありますが、これらは本当に素晴らしい音楽です。これらを私たち後世の人間に残してくれたことに大感謝です。私にとってワーグナーはそのような音楽家です。

カラヤン讃

2013-05-21 19:50:58 | 音楽一般
20日未明にNHK・BSで放送された「カラヤン ザ・セカンド・ライフ」を録画したものを見ました。カラヤンの、音楽というべきか作曲家に対する真摯な取り組みが改めてわかった次第です。指揮者たる者、もちろん作品を十分知りつくし演奏しているわけでしょうが、カラヤンの曲に対する理解は他を圧するものなのではないかと私には思われました。時にはユーモアを交えての楽員への楽曲理解の指示。マーラーの5番やブルックナーの8番の風景がごく一部ですが、ありましたが、これからその録音作品を聴くときの大きな参考を与えられたような気がしました。ベルリン・フィルの奏者やムター、ファスベンダー、それに録音技師などがカラヤンについて多くを語っていましたが、総じてカラヤン、および演奏作品を理解する上でとても有益な発言だったように思います。カラヤンは東洋哲学にも関心があるようで、それと関連してか、番組の中で次のような発言をしていました。

ゲーテの言葉を引用して「私の心の意欲に体が追いつかないなら自然は別の体をくれるべきだ」と言い、私もまったく同じ気持ちです、と。
またさらに、人は生まれ変わるものです 私は必ず戻ってきます、と。

どのようにこれらの言葉は解釈されるのだろう。人それぞれでしょう。

ベルリン・フィルのエーベルハルト・フィンケは次の言葉を述べている。
彼は自分に与えられた使命を見事に全うしました だから人生を悔いて戻ってくるとは思えないのです

私は、このドキュメンタリーを見て、もっともっと深く音楽家の内面を聴くように努めなくては、と思った次第です。そんなことをカラヤンは教えてくれました。

番組の最後に、やはりBPOの楽員の「もう一度彼に会いたい」という言葉が印象的でした。


画像は、昔CD店でCDを購入した時に、もらったTシャツです。最近は景品をもらうということはないようですね。

「熱狂の日」音楽祭2013見聞記(その2)

2013-05-05 20:56:49 | 音楽一般
今年の音楽祭は3日とも好天に恵まれました。今日も実に多くの人が来ていました。

今日は最初に有料コンサートを聴きました。レジス・パスキエ氏のバイオリンとアンヌ・ケフェレック女史のピアノによるフォーレとサン・サーンスのバイオリン・ソナタのともに1番です。とても良かったですね。フランス音楽の真髄と言ってよい2人の作曲家の作品をフランスを代表する演奏家による演奏ですから、まさに「至福の時」にならないことはないでしょう。5年前に「熱狂の日」音楽祭で幸運にもケフェレック女史のサイン会があり、購入したCDにサインをしていただきました。その時写真も撮らせていただき、ともに、ここに載せました。たまたまサイン会に遭遇し、演奏は聴いていませんでした。だから次回は演奏会に行こうと思いながら、ずっとそのままだったのです。今回やっと聴けました。しかもフランス音楽史の中で代表作と言ってよいバイオリン・ソナタ2曲ですから、本当に記念となるコンサートでした。

昼食後、再び会場に入り、ピアノ連弾やビゼー「アルルの女」、それとRolandの演奏会、これはフルに20分ほど、を聴いて会場を後にしました。

親に連れられた小さな子なども多く見かけて、こういう子たちは実に幸せだなと思いました。聴いたことなど覚えていなくても、心のどこかにその種子が植え付けられることでしょう。それが何かのはずみで大きく開花するのではと思うのですね。クラシック(古典)音楽とはそういうものだと思っています。

「熱狂の日」音楽祭2013見聞記

2013-05-03 20:36:59 | 音楽一般


今年も音楽祭に行きました。今年のテーマは【パリ、至福の時】という。フランス音楽、それとスペインの音楽が取り上げられている。丸の内界隈の、無料コンサートをいくつか聴ければ、それともう一つ、ネットを見るとまだチケットを販売しているものがあるという。それを手に入れられれば、ということで出かけた。

東京駅で降り、地上に出ようとしたら、今年誕生したJPタワーKITTEの1階アトリウムに出た。すごい人だかり。ちょうどフルートとピアノのための演奏会が始まるところだった。実は同時刻に始まる別のところを目指して来たが、チラシの演奏曲目を見て、ここで聴いてみようということになった。30分間、フルートによる至福の時を味わいました。最後にアンコールに用意された「タイスの瞑想曲」などとてもよかったです。場所が場所だけにざわざわという音は絶えず聞こえますがそれを補うものがあったように思います。

その後、チケットを求めに会場へ。20分くらい並んで手に入れることができました。明後日のです。

展示ホールでしばし買い物などをして、丸の内ビルでのコンサートへ。ドリーブのコッペリアとビゼーのカルメンからの抜粋を聴き帰路へ。短い時間でしたが、十分雰囲気を味わうことができました。明後日が楽しみです。