西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

スーザ「星条旗よ永遠なれ」

2007-12-27 21:24:27 | 音楽一般
今日は、スーザの「星条旗よ永遠なれ」が初演された日です(1896年)。
小さい頃家になぜかスーザの行進曲集のレコードがありました。時々聴いていたように思います。「忠誠」「ワシントン・ポスト」「士官候補生」「エル・カピタン」「美中の美」それに勿論この「星条旗よ永遠なれ」が入っていたように思います。最初はどれも似たもののように聴こえましたが、聴いていくうちにそれぞれ一つ一つの良さを感じるようになりました。「美中の美」というタイトルが印象的な語感を与えていたように思います。今辞典で調べると、「美中の美」は草花園芸博覧会のために作られたと出ています。今聴いてもスーザのこれら行進曲は古臭い感じはせず、行進曲の古典といわれる所以です。
スーザの行進曲は歴史の若いアメリカを象徴するような外面的な華やかさを感じさせますが、一方ドイツの行進曲は歴史的・伝統的な重みを感じさせます。何と言っても、ドイツ行進曲を代表する作と言えば、タイケの「旧友」です。タイケは、ほとんどこの曲1作で知られた作曲家ですが、確かにこれは名曲です。私は、プロイセン王国時代からのドイツ行進曲を集めた5枚組みのレコードを買うほどドイツ行進曲には惹かれるものがあります。それは、それらの作品にはそれぞれその歴史的な背景があり、そのような歴史から生まれた行進曲に惹かれるということです。
巨匠カラヤンは、70年代にベリリン・フィルの管楽アンサンブルを指揮してLP2枚からなるドイツ行進曲集を出したことがあります。ちょっと意外に思ったものでした。結局私は購入はしませんでしたが、ラジオで演奏を聴き、録音したことがあります。一糸乱れぬ演奏で、このような演奏をされるとなかなか一般の吹奏楽団は手も足もでないのではなどと思いました。



最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
キナ臭い世情だからこそ平和の祈り込めて (大石良雄 おおいしよしたか 本名)
2022-03-05 23:44:39
拝啓 サイトヘッド(SH)様にはよろしくお願いいたします。
*「一段低く見られるマーチ タカがマーチされどマーチ」
自分は年少よりマーチが大好きでした。トリガーはやはり当時のTVヒーローの番組中のマーチ「Gロボ、Cウルトラ宇宙マーチ」等でしたが、やがて「タンホイザー大行進曲 アイーダ凱旋行進曲、フィデリオ劇中行進曲、ジプシー男爵入場行進曲」等を知り益々マーチ好きとなりました。この「スーザのジ スター&トライブスフォーエバー星条旗を永遠なれ」も大好きなマーチでしておそらく「現存在するほとんど全てを聴いた」と思います。しかし残念ながらほとんど大半の演奏は全く満足できない残念な演奏でした。この「星条旗よ-」はスーザの大半のマーチの様な「極簡単シンプルな構成とメロ」とはかなり異なり、つまり「アメリカンポップスのスタンダードコード進行=C/Am/F/G7」等の様なシンプルで高揚しやすいコードやメロを用いずに、かなり捻った一見複雑なコードやメロを持つ稀な名曲と言えます。これは「アメリカンポップスとフレンチポップスのコード進行の相違=E7/A7等が入る=Mポルナレフの曲等」にも相違し、演奏もそれなり以上に難しく感じます。この種の傾向のあるマーチは実は「ツィムマーマン=アンクローズアゥエイ-錨を上げて」等にも感じられます。蛇足ですがこの「錨を上げて」も大変な名曲であり、百を超える演奏を聴きましたがやはり「Fフェネル バーンスティン Eボールト」の各指揮演奏が素晴らしかった。実はスーザ自身も自らのバンドを率いて何度もレコーディングし自作指揮をしていますが、ある放送録音を聴きますと「妙に前のめりのノリと独自のフィーリング」が感じられ、もしかしてこの雰囲気があの謎と言われる「スーザテクニック=アナリーゼ」なのかもしれませんがデータが無く確証がありません。更に様々なアレンジ=バージョン違いが存在し「何処の誰がオリジナルスコアで演奏しているのかさえ不明」なのは辛い。
吹奏楽でも「ウインド、ブラス」オーケストラでも「数種類」存在しますが、そんな中でも「吹奏楽版=Fフェネル&イーストマンWA」「管弦楽版では=バーンスティン&NYpo フィードラー&ボストンポップス」等が大変優れた演奏をしておりますが、実は何と言っても最高なのがあの「Dケイ指揮するNYフィルライブ」なのです。驚く事にこの「Dケイの指揮する時のNYpoは、一切クラシックの音を出さず、見事にポップスの音を出している」のは心底驚きました。さすがに世界一のオケNYpo、ボストンポップスさえ遠く及ばず日本の腐れオケなんぞ問題にもならない。恐ろしいまでの見事な「星条旗よ-」なのです。スーザの自作自演を聴きますと、まぁ当時の幼稚な録音技術では拾いきれないと言うか技術的都合で出来なかったのか、打楽器の音が聴こえず?不鮮明なのか? スコア通りハープが入っているのが聴こえます(現在Fフェネル指揮版でもハープは入っていない) 驚く事に「同じアメリカ本国の本場の演奏であっても、驚く程異なっていた」事。お行儀が良すぎて演奏は完璧なのに何も感じない演奏ってのもあるのです。実はマーチってぇあまりにこうした「杓子定規のインテンポ、感情抑揚を無理やり抑え込んだような演奏ってぇ全然つまらない」のですね。つまりSH様も御訪問の皆様も御承知の通り「実用的行進曲=実際行進用途 芸術的行進曲=コンサートマーチ」とは明確に異なり、この「星条旗よ-」はまさにコンサートマーチと言えます。此処を非常に良く理解していたのが「Fフェネル先生の指揮」でしたね。全然インテンポの能面の様な素っ気無さでは無く、常に流動的で動き周り面白かったのです。只ご承知の様に「ホロヴィッツのピアノ編曲版」はいただけません。あのピアノ編曲版は、ホロヴィッツのテクをひけらかすだけの人寄せパンダ的レベルですので。中にはパイプオルガン版の編曲もありますが(カーペンター編曲等) これも正直相当に無理が感じられます。この「星条旗よ永遠なれ」こそ、クラシックのコンサートマーチ、更に日本の誇る「行進曲軍艦」等にも勝るとも劣らない世界最高のマーチとして今後も君臨するでしょう。出来ましたら「平和の為に」鳴らして欲しいと心より願っております。 敬具
返信する

コメントを投稿