西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

セルゲイ・クーセヴィツキー

2007-06-04 07:16:40 | 音楽一般
今日は、指揮者のセルゲイ・クーセヴィツキーが亡くなった日です(1951年)。
クーセヴィツキーは、セルゲイという名前から分かるように(ラフマニノフやプロコフィエフと同じ)ロシアの出身です。しかし、革命ロシアを嫌い、自由な音楽活動を求めて、アメリカに渡りました。そこで、ボストン交響楽団の常任指揮者になり、この楽団をアメリカの5大オーケストラの1つにまで育て上げた今世紀を代表する指揮者の1人と言っていいでしょう。
私が、クーセヴィツキーに注目するのは、いろいろな作曲家の作品名に接していると、クーセヴィツキーに委嘱された作品という言葉に結構出くわすのです、そこから興味を持ちました。例をあげると、ストラヴィンスキーの「詩篇交響曲」やラヴェルによる「展覧会の絵」の編曲、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」などがあります。財団を持つなど、相当な財産を持つことによりこれらが可能だったのかと思いますが、また若いころには、自前のオーケストラを持たせてもらったなどの話があるほど、生涯を通じて裕福な一生を送った人なのだろうと想像されます。しかし、同時代の前衛的な作曲家を擁護するなど(例えば、スクリャービン)、時代をリードする音楽家でもあったわけです。これまで、あまりその演奏に触れてはいませんでしたが、その自分が育て上げたボストン交響楽団を指揮した演奏などを聴いてみたいと思っています。