西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ケフェレック女史の名前

2013-08-17 17:55:45 | 音楽一般
以前サインをいただき、その時写真も撮らせていただいたピアニストのアンヌ・ケフェレックさんですが、彼女の名前を見て思い浮かんだことを書きます。アンヌ・ケフェレック女史はフランス人で、Anne Queffélecと書く。ちょっとQu-と始まる綴りは珍しい感じがします。フランス人の姓として別にそういうわけではない?

楽聖ベートーヴェンは、父親ヨハン(1740頃-1792.12.18)と母親マリア・マグダレーナ・ケフェリヒ(1746-87.7.17)の間に生まれたことは以前2008年の最初に書きました。母親マリア・マグダレーナは19歳で宮廷の使用人と結婚したが、すぐ寡婦となり、21歳でヨハンと再婚したのだった。この母親の姓は上に述べたようにケフェリヒと言いますが、その父親はヨハン・ハインリヒ・ケフェリヒと言い、トリアーの大司教管区の宮廷のコック長をしていた。ドイツ語で書くとそれぞれ、Maria Magdalena KeverichとJohann Heinrich Keverichとなる。

思い浮かんだことというのは、Queffélecという姓はドイツ人の姓Keverichから来ているのでは?、ということです。

前回書いたケーレル、リヒテルは、ドイツ人名のケーラー、リヒターから来ているのは確かでしょう。(ドイツ系ということで迫害を受けた。)リヒテルは、ロシア語ではリフテル、ではないかと思うのですが、そこまで現地音に拘る表記は目にしたことはありません。ベートホーフェンではなくベートーベンまたはベートーヴェンでいいように思います。

ドイツ人、いやオーストリア人と言うべきか、ヘルベルト・フォン・カラヤンは作曲家アラム・ハチャトリアンと同様、そのヤンという語尾からアルメニア系とわかります。米作家のウィリアム・サローヤンも同じです。

話を戻しますが、アンヌ・ケフェレック女史は父親、弟が作家と言うことです。家庭や彼女の雰囲気からとても知性あふれた環境に生まれ育った感じがするのです。ベートーベンの母親マリア・マグダレーナは、心優しくまた忍耐強い性格だったのでは。ベートーベンの中にそのような性格を見ることができるように思います。時代は違いますが、何かこの二人の女性には共通するものを見たい気がするのですね。

ケフェレックQueffélecとケフェリヒKeverich、やはり似ているなあ。アンヌ・ケフェレック女史自身はあまり名の由来など気にしていないかな?どうも私は気になるのです。