西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

コレクション ブルックナー

2012-02-06 21:04:00 | 音楽一般
ブルックナーが私のベートーベンに次いで大好きな作曲家であるのは今も変わりません。マーラーが昨今連続演奏会が頻繁に行われるのに対し、ブルックナーの場合はそのような機会があまり想像もできそうにない。しかし私にとっては、後期の作品の素晴らしさからブルックナーに対する思いが変わることはこれからもないでしょう。

ブルックナー全集というものはこれまで出ていないと思います。ドイツ語圏でも。しかし交響曲の全集はずいぶん出ています。

1.カラヤン、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(LP11枚組)

これは待ちに待っていたものでした。4・7・8・9番はそれまでにも出ていましたが、その他は全集のために一気に録音したものと思われます。上の4つ以外は演奏会で取り上げたことがあるのだろうか?とにかく全集を出してくれたのは嬉しい限りです。ハース版があるものはこれを使っているようです。

2.ヨッフム、ドレスデン国立管弦楽団(LP11枚組+付録LP1枚)

ブルックナー協会会長ということで、当然リリースが期待されたものです。以前に宗教曲全集も出しています。ノーバク版が使われています。付録の1枚は、何と交響曲ヘ短調です。それと序曲ト短調。シャピラ指揮のロンドン交響楽団です。これを購入した時は、他にはこの曲は出ていなかったのでは。ヘ短調はいわゆる0番の前の習作と言ってよいものです。

3.バレンボイム、シカゴ交響楽団(LP11枚組)

これには、0番を含む10曲が入っています。バレンボイムはのちにベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とも全集を出していて、ブルックナーにとりわけ思い入れがあるようです。評価は、このシカゴ響との方が高かったのをどこかで読んだ記憶がありますが、どうなんでしょう。バレンボイムはミサ曲も出しています。このLPはこれからしっかり聞いていきたいと思います。

4.朝比奈隆、大阪フィル(17枚組+付録LP1枚)

枚数がとてつもなく多いですが、裏面がないのがあるのです。朝比奈氏は、日本でブルックナーを先駆的に演奏してきた指揮者として有名です。7番と9番だったか、東京カテドラル聖マリア大聖堂に演奏を聴きに行ったことがあります。東京で連続演奏会を行った時です。8番と3番も朝比奈氏の指揮を聴きました。8番はまだよく理解していない時でした。付録ですが、7番をブルックナーの聖地と言ってもよい、リンツ郊外のアンスフェルデンのザンクト・フローリアン大聖堂で演奏したものです。これは貴重なものでしょう。

5.インバル、フランクフルト放送交響楽団(CD10枚組)

インバルは突如ブルックナーで、しかも珍しい第1稿をとり上げる指揮者として現れた。私にはそんな印象が強く残っています。さらに珍しいことに、9番は、第4楽章が補完されてついているのです。こういうことには評価が分かれるかと思いますが。これらがとにかくワンセットとなって出たのです。全集となるとすぐに手が出てしまいます。ところが、その後0番と習作ヘ短調も出たのです。これらは単独に購入しました。序曲はなぜか録音していないようです。

室内楽曲、宗教曲は次回書きたいと思います。

コレクション

2012-02-02 21:14:32 | 音楽一般
これまで多くクラシック音楽を聞いてきましたが、所持するレコード・CDなどを整理し、どのようなのを残したいかを自分のためのメモとして書いていきたいと思います。(手元にない場合もあり、記憶で書くこともあるので、後で訂正することもあります。)

やはり最初はベートーベンをとり上げたい。

私がクラシック音楽に興味を持つようになったのは、高校1年の時だったろうか。それまでビートルズ一辺倒でしたが、NHKの夜9時からのクラシックの番組で「田園交響曲」を聞いて、その第2楽章がなぜか心に残り、その時の何か足りない部分を満たしてくれる、そんな感じを持ちました。前にもこのことは書いたか?そしてこのような曲を書いたベートーベンの作品にはどのようなのがあるだろう、知りたい、その時はちょうどベートーベンの生誕200年に当たるときでした。その前後に出たのが、

1.ベートーベン全集(グラモフォン)(12巻LP78枚組)

でした。その当時としては画期的な内容のもので、当時一般に発売されていたベートーベンの作品はすべて網羅されていたといってよいでしょう。この中で、アマデウス弦楽四重奏団による弦楽四重奏曲全曲は非常に優れた演奏であるとともに、その曲のすばらしさは私を大いに魅了しました。その他、もちろんカラヤンの交響曲全集のすばらしさは言うまでもありません。同じくカラヤンのミサ・ソレムニス、これもすばらしいものでした。これらとは対照的に、ベートーベンの青春時代を彷彿とさせる4枚組からなる管楽器全集も大いに楽しませるすばらしい演奏でした。12巻に収められたヨーロッパ民謡の歌曲群も好んで聞いたものでした。

その後、同じグラモフォンの外盤で

2.ベートーベン全集(グラモフォン)(20巻CD87枚組)

が出ました。第20巻は歴史的名演集ということで、19巻までには1のベートーベン全集をはるかに凌駕する曲数が収められていて、これで本当に全集と言ってよいでしょう。買う時、ためらいがありました。曲としては90%くらいはあるものだし、と。しかし演奏者はほとんど異なり、またそれ以上に本格的にベートーベンを知るには、買うしかないと決断しました。この中には、実は私を驚かせる1曲が入っていました。それまでどの本にも作品表にも出ていない、全く知らなかった、単楽章の「ピアノ、フルート、ファゴットのための協奏曲」が入っていたのです。ベートーベンの作品番号には、Op.(作品)というのとWoOそれにHessがありますが、Op.の付くのはほとんどすべて、その他、WoO, Hessのついた一般にはマイナーな曲もほとんど網羅されているのですね。ヨーロッパ民謡集も1ではごく一部でしたが、こちらはほとんどすべて、150曲くらいでしょうか、入っているのですね。買わなかったら後悔したでしょう。この全集は、これからも1とともにそばに置いておきたいです。

しかし作品表に印をつけていくとまだ所持していない曲があるのに気づきます。それら珍盤と言っていいでしょうか、それらを探しにレコード、いやCD店巡りをしてしまうのです。

3.チェロとピアノのための作品完全全集(CD3枚)

これには驚きました。「チェロ・ソナタ 変ホ長調 作品64」が入っているのです。これは作品3の弦楽三重奏曲の他人による編曲版なのです。それが堂々と作品番号を与えられているのです。作曲者自身も認知したからというわけですが、これなどはもちろん2の全集にもなく、他に出ていないのでは。ということでこれも大切なコレクションとなっています。

4.ホルン・木管楽器・弦楽器のための室内楽曲集」(CD)(ナクソス)

これにはHess番号で19がついた「3つのホルン、オーボエ、バスーンのための五重奏曲 変ホ長調」が入っています。2の全集にはありません。ずいぶん探していてやっと見つけたものでした。

これからもレコード、CD整理のメモ書きで書いていきたいと思います。