今日の箇所はこれまでと曲調が変わるところです。
Laß auch dir die Brust bewegen,
Liebchen, höre mich!
Bebend harr’ ich dir entgegen!
Komm, beglücke mich!
Laß auch dir die Brust bewegen,
Liebchen, höre mich!
laßは新正書法ではlassとなります。元はlassenで「第9」にも出ました。英語のletと同語源で「~させる」の意の話法の助動詞です。命令法の単数2人称で語尾のeが付くこともありますが、ここは省略されています。Brustは英語のbreastと同語源で「胸」の意です。bewegenは他動詞で「動かす・心を揺り動かす」の意です。höreは前に出たhörenの命令法2人称単数形です。ここは語尾のeが付いています。
Bebend harr’ ich dir entgegen!
Komm, beglücke mich!
Bebendはbeben(「震える」)に-dが付いて現在分詞です。harr’はharren(「待つ」)の1人称単数形harreのeが略されアポストロフが置かれています。entgegenは英語のagainstと同語源です。3格支配の前置詞で「~を出迎えて」の意で英語と異なりその目的語は前に置かれているdirです。beglückeは他動詞beglücken(「幸福にする・喜ばせる」)の命令法2人称単数形です。
この詩を書いたのはドイツの詩人ルートヴィヒ・レルシュタープ(1799-1860)です。この崇高なシューベルトの「セレナーデ」は、この詩があって生まれたわけで、私はいつもそのようなことを思うと、詩人にも同様に感謝しないわけにはいきません。詩と旋律とを結びつけたものは何なのだろうといつも思ってしまいます。
(完)
Laß auch dir die Brust bewegen,
Liebchen, höre mich!
Bebend harr’ ich dir entgegen!
Komm, beglücke mich!
Laß auch dir die Brust bewegen,
Liebchen, höre mich!
laßは新正書法ではlassとなります。元はlassenで「第9」にも出ました。英語のletと同語源で「~させる」の意の話法の助動詞です。命令法の単数2人称で語尾のeが付くこともありますが、ここは省略されています。Brustは英語のbreastと同語源で「胸」の意です。bewegenは他動詞で「動かす・心を揺り動かす」の意です。höreは前に出たhörenの命令法2人称単数形です。ここは語尾のeが付いています。
Bebend harr’ ich dir entgegen!
Komm, beglücke mich!
Bebendはbeben(「震える」)に-dが付いて現在分詞です。harr’はharren(「待つ」)の1人称単数形harreのeが略されアポストロフが置かれています。entgegenは英語のagainstと同語源です。3格支配の前置詞で「~を出迎えて」の意で英語と異なりその目的語は前に置かれているdirです。beglückeは他動詞beglücken(「幸福にする・喜ばせる」)の命令法2人称単数形です。
この詩を書いたのはドイツの詩人ルートヴィヒ・レルシュタープ(1799-1860)です。この崇高なシューベルトの「セレナーデ」は、この詩があって生まれたわけで、私はいつもそのようなことを思うと、詩人にも同様に感謝しないわけにはいきません。詩と旋律とを結びつけたものは何なのだろうといつも思ってしまいます。
(完)