西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

メンデルスゾーン「バイオリン協奏曲」

2007-03-13 11:35:47 | ロマン派
今日は、メンデルスゾーンの「バイオリン協奏曲 ホ短調」が初演された日です(1845年、ライプチヒ)。この曲は、ベートーベン、ブラームスのそれと共に「3大協奏曲」などとも言われるバイオリン協奏曲の傑作です。私はこの曲の出だしのソロの主題部分を聴くと、いつも女性的な曲だなという印象を持ちます。それはともあれ、これは全体のバランスというのか、とてもよくできた傑作だと思います。上にあげた3人の作曲家は、いずれも一つしかバイオリン協奏曲を書いていないと長らくいわれていました。しかし、このメンデルスゾーンは若い時(13歳!)にもう一つ書いていて1つだけではないことがわかりました(もう50年以上も前ですが)。そしてこの作品は、あまりパッとしない曲のようで見つからなかった方が良かったという人もいます。しかしこのような習作があってこそ、名曲ができるのだと思います。ブラームスだったら、破棄したでしょうが。
以前、中学生時代の音楽のノートをぱらぱらと捲ったら、この曲の第1楽章を聴いたようなことが書いてありました。全く記憶にありませんでした。普通、後に音楽関係に進むほどの人だったら、このような曲を聴けば、それがきっかけで何か楽器を始めるとかということもあるでしょうが。しかし、音楽の問題集などを勉強するのは好きでした。今は、高校入試に音楽や美術などは考えられませんが、当時はありました。しかし、なんでいろいろな調があるのか、よくわかりませんでした。今も分からないというべきですが。しかし最近ある記事を見てはっと思いました。シャープが多くつくほど神に近くなり、フラットが多くつくほど人間らしくなる、というものでした。長年の疑問を簡単に言われた感じで、ちょっと驚きましたが、少し疑問が解けたような気がします。試しに、ブルックナーの第9の第3楽章を見るとシャープが4つで終っています。ベートーベンの「英雄」交響曲はフラット3つの変ホ長調ですね。この2つを出して納得すると単純すぎると言われそうですが、自分では何かヒントを与えられた気がします。今書いてあった新聞を見つけようとしましたが、見つかりませんでした。とにかくこう教えてくれたのは、今をときめくバイロイトでも日本人として始めて指揮したO氏なのですから。記事が見つかったらまたその時書きたいと思います。