西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ハイドン「太鼓連打」

2007-03-02 10:46:24 | 古典派
今日は、古典派の巨匠ヨーゼフ・ハイドンの交響曲第103番「太鼓連打」が初演された日です(1795年、ロンドン)。ハイドンは、膨大な作品を残していますが、交響曲は、この次の104番「ロンドン」が最後の作品となります。これらすべての作品を録音した人がいます。アンタル・ドラティで、管弦楽はフィルハーモニカ・フンガリカ。確か最初に出したときは、LPで46枚組みだったと思います。もう30年くらい前だったと思いますが、思い切って買ってしまいました。詳しい解説書がついていました。このような企画は、その後ないだろうと思っていましたが、アダム・フィシャーという指揮者がオーストリア・ハンガリー・ハイドン・オーケストラと全曲録音しています。CDで33枚組みです。他にも、全曲録音進行中(もう完成したのか?)のもあるように聞いています。とにかくハイドンは途方もない数の交響曲を作曲したものです。
今月は、明日3日が、交響曲第101番「時計」(1794年、ロンドン)、
23日が、交響曲第94番「驚愕」(1792年、ロンドン)、
31日が、交響曲第100番「軍隊」(1795年、ロンドン)、
とハイドンの交響曲の中でもニックネームのついた有名な作品が初演された日が多く続きます。
おそらく最初に全曲を録音した、アンタル・ドラティ指揮するフィルハーモニカ・フンガリカですが、この楽団員たちはみな、ハンガリー動乱を経験し、西側の自由世界に逃れてきた人たちということを知りました。ハイドンの全集を残すことにより、自分たちの存在を知らしめ、自由を抑圧する独裁体制(これは何もハンガリーだけでなく、いわゆる当時の東側、ソ連の衛星国家たちを含め)の惨状を訴える活動を同時に行っていると、そんなことを考えます。その独裁国家ソ連が消滅し解体したことで、バルト三国など、自由な体制を勝ち得た国が誕生したことは非常に喜ばしいことでした。