西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ビバルディ

2007-03-04 09:51:46 | バロック
今日は、イタリア・バロック時代の代表的作曲家、アントニオ・ビバルディの生誕日です(1678年)。
昨日久しぶりに、作品3の「調和の霊感」の「6番 イ短調」の第1楽章を弾いてみました。(鈴木メソッドの4巻)バロック音楽を代表すると言ってよい名曲だと思います。ビバルディは、作品8の「四季」を含む曲集など、作品番号のついている14の曲集が有名ですが、他にもまだまだたくさんあり、何百曲という合奏または独奏楽器による協奏曲があります。驚くべき数です。しかし、これだけがビバルディではありません。歌劇も50以上あり、宗教曲もかなりたくさん作曲しています。なぜバロック時代の人はこれほどたくさんの曲を書けるのだろうと思ったことがあります。例えば、バルトークやラフマニノフなどには、こんなことは想像できっこありません。バロック時代の作曲技法は、主題が決ってしまえば、ある一定の法則に従って、そのあと書き続けていくことができるからではないかと、そんな風に想像しています。だからといって、バロック時代の音楽が価値が少ないとは思いません。聞きたい気分になり、聞けば、それは人生における一服の清涼剤になるわけで、音楽の効用はこのようであればいいと思います。
30年以上前に、出版社から音楽全集なるものが出されたときがありますが、その第1巻が「ビバルディ」でした。(第2巻は「バッハ」)そこで初めてこの作曲家に接したと思いますが、まさに今普通にクラシック音楽という出発点がこのビバルディにあるといって過言ではないでしょう。(私は、今もこの30巻からなるシリーズをもちろん手元に置いていますが、その作品表を見て、購入したレコード・CDがあれば、その印を付けるという楽しみをしてきました。この本は、私の西洋音楽に対する興味を高めてくれたものとして、今でも感謝の気持ちを持っています。)ビバルディは、バッハにも大きな影響を与えています。バッハの作品を見たら、ビバルディのが原曲で、それを編曲したものがあったということから、ビバルディが注目されるようになったということのようです。
ビバルディの伝記を読んでいたら、孤児院から美しい音楽が聞こえてきたので、どのような者たちが演奏しているのか会いたいと言ったとき、ビバルディは会わないほうが良いとか言われたが、会ったら、片目が見えなかったり、不具の子たちだったと言う話があります。(確かそのような内容と記憶していますが、またその本を読み確かめたいと思います。)ビバルディは、晩年生まれ故郷のベネチアを離れ、ウィーンに住み、そこでなくなりました。そして貧者のための墓地に葬られたということです。