西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ドボルザーク「チェロ協奏曲」

2007-03-19 10:08:37 | 国民楽派
今日は、チェコの生んだ最高の作曲家ドボルザークの「チェロ協奏曲」が初演された日です(1896年、ロンドン)。
ドボルザークといえば、誰しも「新世界交響曲」を思い浮かべ、彼の最後の交響曲ということもあり、確かに代表作たるべき作品ですが、私はこの「チェロ協奏曲」をもって彼の最高の作品と考えたい。「チェロ協奏曲」は、そのスケールの大きさ、内容の密度、彼の故国への深い思い、これらの点から見て素晴らしい作品であると思います。ブラームスは、この作品を指して、私が作曲したかった、のような言葉を残したという風に聞いていますが、彼の言葉を待つまでもなく偉大な作品であると思います。折に触れ何度もこのレコード等を聴いてきました。今その第2楽章が頭の中で鳴っています。ドボルザークの偉大な人間性を聞けるようで嬉しく思います。
カラヤン・ファンである私はここでも彼の唯一の録音を第1の名盤に上げたいと思います。独奏者はロストロボービチです。カラヤンが、大きく腕を振り上げた写真がレコードのジャケットに使われていました。因みに、チャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」がフィル・アップされていますが、もちろんこれも名演奏です。
同じく、ロストロボービチが独奏したジュリーニ指揮の演奏も素晴らしいものと思います。これは映像とともに鑑賞することができ、独奏者の並々ならぬこの曲への思い入れを見て取ることができます。私は、LD(レーザー・ディスク)を所持していますが、今はDVDでも出ているのだろうか。
ドボルザークは「新世界交響曲」が群を抜いて有名ですが、他にもスラブ舞曲はじめ優れた管弦楽曲をたくさん書いており、また室内楽曲も数多くあります。他に、歌劇もたくさん書いていて、宗教曲、歌曲にも聞いてみたい作品はたくさんあります。これからもまだ知らないドボルザークの作品に出会えることを楽しみにしている所です。