「伝え方が９割」佐々木圭一

これはベストセラーですから題名ぐらいは見たり聞いたりした方も多いのでは。
読んでみたら売れるわけです。
字が大きくて文章も平易。文字の強調も多用されていて、最後にはポイントがまとめてある。実際にやってみようと「例題」もあって、ちょっと実用書過ぎて気恥ずかしい気にもなりますが、問題は内容。
内容はいたって実用的で、すぐにでも実践できそうです。

著者は大学は理系で何を間違ったか大手広告代理店に入りコピーライターとして配属。そこで苦労を重ねるのですが、悩んでいく中で「伝え方に技術がある」ということを気づいたのです。
その技術を披露しているのがこの本。
従ってもって生まれた能力とか文才とかは関係なくこの本に書いてあるような技術をマスターすればプロに近い一定のレベルの話し方、書き方ができるというのです。そしてその技術は学べる！ならばプレゼンテーションの前に読むには最適です。
全部読んでも２～３時間で読めるので詳しくは是非読んでいただきたいのですが、要約の要約を書き出してみます。
ノーをイエスに変えるには、自分の頭の中をそのまま言葉にするのではなく、相手の頭の中を想像して、相手のメリットと一致するお願いを作る。相手の頭の中を想像して、「イエス」に変えるには７つの切り口があるのですが、項目だけ書いてみます。
①相手の好きなこと
②嫌いなこと回避
③選択の自由
④認められたい欲
⑤あなた限定
⑥チームワーク化
⑦感謝
それぞれの具体的な説明は実際に読んでみてください。
「お願い」は一方的なあなたの言葉ではなくて「相手との共作」にすれば、ノーをイエスに変える！ことができるのです。
コピーライターとして活躍するには感動する「強い言葉」が必要です。「強い言葉」とは人の感情を動かすエネルギーのある言葉。
ここではプロとして一定レベルの言葉を書けるように技術を体系立てて５つの技術として披露しています。
①サプライズ法；「！」をつけたりして強調する。これはすぐにできます。
②ギャップ法；伝えたい言葉を決め、正反対のワードを前半に入れ、前後がつながるように作る。（嫌いになりたいのに、あなたが好き）
③赤裸々法；いつもは言葉にしていない赤裸々な感覚を言葉にして、伝えたい言葉の前に入れる。（唇が震えている。あなたがすき。）
④リピート法；これは繰り返しの言葉ですね。童謡にはよくありますが、相手の記憶に刷り込みます。鈴木奈々もよくやっています。
⑤クライマックス法；最初にクライマックスワード（これだけは覚えてほしいetc）を入れてから、伝えたい話をする。
これをマスターすればコンスタントに強い言葉を発することができはず。
言葉だけではなくて「強い長文」を作る技術もあります。
まずは、先を読みたくなる「出だし」を作る。
そして「読後感」をよくする「フィニッシュ」を作る。
そして「タイトル」を考える。出だしがよく出来たらそのままタイトルに。短い方が効果的で、長いなあと思ったら「サプライズワード」＋「出だしの重要ワード」の組み合わせをタイトルに。
因みにメールはデジタルの冷たさをなくすためにも、感情を３０％増して！
とまあ、書いてみましたが、この文章自体はあまり実践できていないかも。タイトルは本の題名ではなくて感動したことをつけたほうがいいのでしょうけど、面倒くさいしな‥‥
でもサラサラ読めますし、一度自分自身の言葉を振り返り、プレゼンの教科書とするにはいいと思います。
売れるには訳がある！