怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

浅田次郎「母の待つ里」

2023-07-28 08:43:20 | 
浅田次郎は、ありそうもないことを如何にもありそうにして小説に仕立てる。
みんなは知らないけど知る人は知るで、ひょっとしたらこう言うこともあるかもしれないと思わせる天才的な嘘つきです。
今年の大河ドラマの「どうする家康」よりはよっぽどありそうなのが恐ろしい。

選ばれた限られた人しか加入できない世界最高のステータスを自称するユナイテッドカードのプレミアムクラブ、いわゆる「ブラックカード」は年会費35万円とべらぼうに高いのだが、専任のコンシェルジェがつき、普通では予約もできない一流のホテル、レストラン、料亭を手配し、急なゴルフのラウンド、繁忙期のエアチケットの手配までしてくれる。まさに最強のブラックカード。
このプレミアムクラブが始めた心ゆくまで故郷を体験させると言う「ホームタウン・サービス」。全く縁もゆかりもないのだが架空の故郷に帰ると母が待っていて1日もてなしてくれる。多分場所のモデルは岩手県の過疎の村なのだろうが、その集落全体がホームタウンとして仕組まれている。
そこを利用するのは、世界的な食品会社の独身の社長松永徹、製薬会社の営業部長だったが役員になれずに退職した室田精一、大学の准教授だった古賀夏生。世間的には何の不自由もない身分の人ばかりなのだが、それぞれに葛藤があり、事情を抱えていて、父母に対しての満たされない思いを残している。
因みに「アメリカンエクスプレスカード」のブラックカードについては以前確か日経ビジネスの記事を読んだ記憶があって、私には全く縁がない世界ながらそんなカードがあると言う記憶はあり、あながち嘘ともいえない気分で読んでいた。
読後気になったので調べてみたのですが、「アメックスブラックカード」は「センチュリオン」と言い入会金55万円、年会費38.5万円。カードの取得はインビテーションのみで厳しい資格要件があり、こちらから申し込むことはできない。パーソナルコンシェルジェがついてホテルの手配だろうと航空券の手配だろうとVIP対応でしてくれる。日本で取得している人は約8千人とか。
この「センチュリオン」ならひょっとするとホームタウンサービスぐらいのことがありそうに思えます。
小説に戻ると今回利用する3人は丁度還暦を迎える年ごろで、この世代は故郷の両親をおいて東京へ出て来てそこで一生懸命頑張ってそれなりの地位を築いてきた。たとえ故郷がなくても周りにはそんな人が多く、心象風景としては故郷に対してある種の後ろめたさと憧憬があって、叶うのならばやさしい母が待っている理想の故郷が欲しい。
3人とも自分の両親はすでに亡くなり、松永徹と古賀夏生は独身。室田精一は退職を待っていたかのごとく妻から離婚を宣言されて今は独り身。だからこそ心描く理想の故郷の母を恋焦がれて、半信半疑ながらこのホームタウン・サービスを申し込んでしまう。因みにこのサービスは一泊2日税別50万円。普通に考えればバカバカしいのですが、そこで得られる心に響く体験と精神的満足は同じ値段で行くハワイ旅行と比べようもない。最初はだめもとで物は試しで申し込んだものが、3人とも故郷の母に魅せられてリピートしていく。
架空の故郷にいる母親ちよの何と魅力的なことか。一緒に暮らしている訳でなくそれこそ何年に一度の帰郷でもちゃんと変わらず愛情をもって受け止めてくれるかけがえのない母。虚構と分かっていても、虚構だからこそすがりたい理想の母がホームタウンにいた。年老いてそんな演技力があり状況を飲み込むことが出来るような人がいるのかとも思うのですが、みんな騙されてみたいからこそ細かいことは詮索せずに故郷に引き寄せられていく。
たぶんこれがもう1世代下になると自分自身も周りにも田舎を持つ人が少なくなり両親も都会暮らしとなって、こんな事業に興味もわかないのだろうが、還暦前後の世代はまだお尻に田舎の殻をつけている人が多くて、事情が許せば田舎暮らしがしたい人も多いのだろう。かく言う私は両親は田舎の出だが生まれてからずっと都会で暮らしていて田舎を持たない。強いて言えば母の実家が田舎(と言っても豊田で今では都市化されているのですが)で叔母さん(母の姉)は本当にやさしくて人が良くて、ここに出てくる故郷の母のような雰囲気を持っているので、私はおばさんをイメージしながら読んでいました。
このホームタウン・サービスは突然終了するのですが、そこはネタバレになるので興味を持った人は各自読んでみてください。


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7月24日鶴舞公園テニスコートの後は4人。

2023-07-26 09:43:34 | テニス
終わってこの日はえみちゃんを除く4人で昼食に。
公園再整備で新しい店が出来ているので、今回はその中のフードコート的な店に行くことに。

店の名前はFOODLAB358。一番図書館に近いところで、外にもベンチがあるのですが、この暑さでは当然室内です。でも平日の12時前だったので比較的すいていて、他のお客に迷惑にならないよう一番隅のテーブルを占拠できました。
最初に注文してお金を支払い、飲み物をもらい席に着きます。料理はブザーが鳴ったら取りに行くフードコートでおなじみのスタイルです。
私はまずはハイボール。

はげ親父は生ビール。

昼間から酒を飲むようなお客は少ないのか、従業員がまだ不慣れなのかハイボールの炭酸を注ぐのに容器とサーバーの高さが合わないのか戸惑って手際が悪い。まあ、若い女の子だから許しましょう。
料理は生ハムのシーザーサラダ温玉添え(税抜き799円)

結構量はあるので4人でシェアします。
はげ親父の注文した料理はチーズ盛り合わせ。

しゃれていますが、チーズを切るだけなので、これがシーザーサラダよりだいぶ遅れて出てきた理由が分からない。周りを見回しても昼間からビールを飲んでいる客はいないので、想定外の料理だったのか。
ちょっと見小野ヤスシさんは、コーヒーにピザを注文。

飲めない飲むはコーラとガバオライス。

どちらもみんなでシェアします。
飲み食いしながら名古屋の交通の話とか病院の話とかだんだん声が大きくなるのですが話し出すとネタは尽きません。
こうなるともう少し飲もうかと銀座のすずめの小ボトル(税抜き999円)を頼みます。ボトルには氷と水がついてくるのですが、ここでも手際が悪い。バイトしたての女の子にとっては昼間からこんなボトルを出すのは初めてだったかも。

見回すとそこそこ席は埋まってきたのですが、雰囲気からちょっと我々は浮いていたかも。
ボトルを飲み切るとはげ親父がまだ足りないのか瓶ビールを1本注文。

テニスの時から通算するとかなり飲んだことになりさすがにこれで終了。
帰りはバスで帰るのですが、途中で尿意が我慢できずに高辻で降り公園のトイレに駆け込んでから帰宅。
結構酔っていたのかソファーに座り込んだらそのまますぐに爆睡してしまい、目が覚めたら17時過ぎ。早くも二日酔い気味で頭が重い…




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7月24日鶴舞公園テニスコート

2023-07-25 14:05:07 | テニス
梅雨明け以来暑い日が続いています。
この日も最高気温予想は34度。熱中症危険で屋外での運動は避けましょうと言われてますが、不死身?の高齢者は鶴舞公園でテニスです。
月曜日なので9時ごろのバスに乗ると通勤客が結構多くてラケットを持っての乗車はなんか申し訳ない。と言うことで今回はJRにしました。
8時40分過ぎに家を出て金山まで歩きます。鶴舞へ行く中央線は逆方向なので比較的すいています。まあ、乗れば金山から鶴舞まで3分なのですけど。
コートまで鶴舞公園を抜けて歩いていくと太陽ギラギラ、暑いので日陰を選んで歩いて行きます。

コートに着くとえみちゃんとちょっと見小野ヤスシさんが既にいました。
暫く待っているとはげ親父と飲めない飲むがほぼ同時に登場。この日は5人です。
早速5人でボレーとストロークに分かれて乱打を始めるのですが、暑さ対策でわたしは首を冷やすリングを持参。

初めて使ったのですが、そんなに冷えない。28度を保つので体温よりは低いから効果はあるのですが、どちらかというと日本手ぬぐいを濡らして保冷剤を挟み込んで首に巻いた方が効果が実感できます。ただし保冷材は1試合で効果なくなりますけど。
さて一回り乱打をやると一休み。暑いのであまり無理をしてはいけないからとコートサイドでひとしきり世間話。
そこからじゃんけんをして試合に。
最初の試合は、数え歳古稀コンビのはげ親父と組んで、高齢者の若手コンビ、飲めない飲む、ちょっと見小野ヤスシさん組と対戦。ここは年の功で予定通り4:0で撃破。飲めない飲むは自打球を顔面にブチ当てるなどしましたが、これがこちらの打った球だったのなら悪口雑言、文句たらたらだったのでしょうが自分の打ち損ないのため誰にも文句を言えず蹲るしかない。まあ、腫れるとか内出血するとかなかったので不幸中の幸いでした。
暑すぎて蚊もあまりいないのですが、無駄話の休憩が長いので一応蚊取り線香を焚きます。

次の試合は飲めない飲むと組んではげ親父、えみちゃん組と対戦。最初の飲めない飲むのサービスゲームでは何とラブゲームでキープ。そこからフロッグと言われないように気合を入れて一進一退の展開となり予想外の健闘で2:2の引き分け。
こうなると休憩時間はビールを飲むしかない。

この日は500缶2本に350缶1本でした。脱水症にならないように氷を入れてある水筒の水を継ぎ足して1リットルは飲んでいるのですが、汗ですぐに出ていきます。
しかしこの暑い中ビールを飲んで体の中を温めると当然ながらミスが増えてしまいますね。
今度の試合はえみちゃんと組んでちょっと見小野ヤスシさん、はげ親父組と対戦なのですが、デュース続きの長い試合に。ところがここで決まると言う肝心なところで私はミスを連発。結局1:3で負けてしまいました。
最後の試合はちょっと見小野ヤスシさんと組んでえみちゃん、飲めない飲む組と対戦。ここでもミスを引きずってしまい、勝ちきれずに2:2の引き分け。暑さとビールのせいだと言っておきます。
この時点で5人一回りして、もう1試合はできるぐらいの時間はまだあったのですが、みんなギブアップ。
コート整備をして111時45分で終了にします。

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御園座「吉本新喜劇&バラエティ公演」

2023-07-22 10:39:45 | Weblog
行くはずだった人が突然の発熱で行けなくなり、暇している私に御園座「吉本新喜劇&バラエティ公演」のチケットが回ってきました。
実はこの日は「柿安」の株主総会があり、暇つぶしに行って、ついでに七里の渡しと桑名城址でも見に行こうと思っていたのですが、特に予約してある訳でもないので、チケットがもったいないと御園座へ行くことに。

席は2階席ですけど前から2番目。一応A席で7000円。これは捨てられないでしょう。
10時15分開場11時開演なので10時に家を出て地下鉄で伏見に。
予想外にタイミングがよく乗れたので10時30分過ぎには伏見に到着。まあ、ちょっと早いけど御園座へ入場します。

席についてみるとさすがA席、2階席と言えども前から2番目なので舞台がよく見えます。

舞台はさすが御園座でなんばグランド花月と比べると大きく、幅広く奥行きもある。
まずは地元で活動している漫才コンビの「おばけ」が、前説と演者紹介します。
写真撮影禁止なのですが、前説は撮影してもいいと言うので一応撮ります。

どうも漫才だと真ん中のポツンという感じになって、ちょっと気が抜けた感じになるのですが、舞台の大きさが分かりますよね。
最初はバラエティと言うことで、ヨネダ2000にさや香、オズワルド。みんなテレビで見ているのですが、その面ではテレビ以上でもなく、どうも大爆笑とは言えない。
続いては、河内家菊水丸、月亭方正、パンクブーブー。
月亭方正は枕のダウンタウンの楽屋話が面白いのですが、それが3分の2で肝心の落語は小噺みたいな話。パンクブーブーはちょっとテンダラーと似た雰囲気がありますが一番面白かった。さすがМ1チャンピョンですね。
休憩は30分なのですが、外へ出て食べてくるにはちょっと短いので軽い弁当的なものを食べるしかない。出演者と休憩時間を書いたチラシを入場の時に配られず、時間割は劇場の壁に目立たず貼ってあるだけ。NGKでは配られていたのですが、是非配ってほしいものです。
いよいよ新喜劇になるのですが、今回は辻本茂雄35周年「吉本新喜劇茂造スペシャル」です。
辻本がアドリブ連発で客席も巻き込んでいきます。共演者も思わず笑ってしまうこともあって、瞬発力はさすが。共演者は辻本座長の時のおなじみの人が多くて今のテレビでやる新喜劇と比べるとちょっとメンバーがベテランばかりか。アドリブ連発のせいかか時間はかなり押したみたいで、結局予定時間を20分ばかりオーバーしました。観客席との掛け合いはライブ感が出て楽しい。丁度夏休みが始まったところで、会場には小中学生らしき子も多くて大いに盛り上がります。でも小中学生に7000円は高いのでは。
因みになんばグランド花月は確か5000円くらい。本場で見た方が出演者も多少良くて劇場近くから吉本感が漂うので機会があれば是非大阪へ行くべきですが、交通費分を上乗せしての7000円なのでしょう。
一応お土産にソースカツを買いました。

お茶はこのペットボトルが200円とは劇場値段。入場前にコンビニでおにぎりと一緒に買っておけばよかった。
それでも桑名は思い立てばいつでも行けるので、迷わず御園座へ行ってよかった。
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太宰治「右大臣実朝」

2023-07-17 08:10:52 | 
昨年は大河ドラマの「鎌倉殿の13人」を毎回楽しみに見ていました。今の「どうする家康」はあまりにも歴史の通説とかけ離れているフィクションなので早くも興味をなくしていますけどね。
さすが三谷幸喜の脚本。あまりなじみのない鎌倉時代初期を生き生きと描いていました。まあ、視聴者もよく知らないことが多いので違和感なく作りこめたと言うこともあったのでしょう。
それにしても源平戦争、鎌倉時代初期というのは、力と力の対決の中に権謀術策、だまし討ち、裏切りと何でもありで、見ていてこれは「仁義なき戦い」の世界だなと思っていました。実際金子信夫演じる山守親分は頼朝のキャラと被っている。頼朝が駆けつけた武将に1人1人別々に「おまえだけが頼り」という姿は、金子信夫が子分にウソ泣きをして「わしゃ悔しいて」と嘆き「おまえだけが頼り」と鉄砲玉に仕立てていく姿を彷彿させる。実際には頼朝の方がずいぶん先輩ですけど。
大河ドラマでやるとその番宣を兼ねて「英雄たちの選択」とか「歴史探偵」とかで歴史の実際のところはどうだったかという番組をたくさん放映するのですが、歴史的事実から見てもあの時代はまるでヤクザの世界で権力を握るためには何でもありの最後は力で勝負を決している。
ところでドラマが後半へと進んでいくと実朝が登場してきますが、そう言えば以前太宰が「右大臣実朝」という小説を出していて読んだ記憶があるのだが…内容はほとんど覚えがないのだが、太宰は実朝をどうとらえていたのか確かめてみたくなりました。
たしか実家のどこかに残っているはずと家探したのですが、見当たらない。
そのまま捨ててしまったのかと思っていたのですが、先日やっと見つけました。
実は「右大臣実朝」という表題ではなくて「惜別」という名前の文庫本の中に入っていました。

と言ってもこの本に入っているのは「右大臣実朝」と「惜別」の中編小説2編。評価から言えば表題は「右大臣実朝」にすべきではと思うのですが、当時はそういう評価?
やっと読むことが出来るとなって読みだそうとしたのですが、当時の文庫本の活字ポイントは小さい。奥付を見ると昭和48年発行の昭和50年3月4刷です。大学生の頃は小さい活字だとたくさん読むことが出来るのでコスパがよくて得した気分になっていたのですが、今は昔。

そろそろ老眼鏡が必要かと思いつつ何とか読み終えました。
最初に「吾妻鏡」の記述があってそこから実朝を慕う幼少の頃からの付き人を語り手として実朝の人となりを語っていきます。実朝の言葉は短くほぼ1行のカタカナ書き。
多分最初に読んだ時は鎌倉時代の歴史知識としては教科書程度が精々で、登場人物もよく分からず相関関係も背景も展開もほとんどわかっていなかったと思います。
今回改めて読み直したのですが、大河ドラマの知識があるおかげで、登場人物がどういう人で人となりが分かります。尼御台は小池栄子演じる北条政子ぐらいは分かっていましたが、相州が小栗旬演じる相模守北条義時で、和田左衛門尉義盛とか大江広元とかは、名前は聞いたことがあるぐらいの知識だったので、当時はほとんど分からないままだったかも。登場人物それぞれの行動、性格などはドラマは案外吾妻鏡に忠実だったと思う次第です。.
実朝のカタカナ書きの短い言葉は神の啓示のようです。この部分だけは覚えていたのですが、「平家ハ、アカルイ。アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。」という言葉は、この小説のテーマのように感じられます。平家だけでなく実朝が心許し親しく付き合っていた和田義盛についても滅ビルモノハアカルイと言えます。
頼朝の近従として暗い部分を図らずも引き受けざるを得なかった義時はどんどん暗い面を多くして、北条氏のライバルをどんどん打ち破っていく。ドラマでもその衣装は歳を重ねるに従って暗い衣装になっていきダークな面を出していく。対する和田義盛は明るいキャラで演じているが.、義時の術中に嵌まって追い込まれ和田合戦で一族滅亡してしまう。
実朝自身は将軍としてままならぬ身の自身に葛藤はあったのだろうが明るく振舞っている。自らがホロビルことを分かっているかのように。
これを執筆したのは言論統制下の戦時中で、発表することさえままならない時期だと思うと時の権力を握る者たちを暗いと言い滅びの明るさをうたい、、鴨長明などの俗物を笑うことは体制になびいて行く者が多い中、文筆家としての太宰の矜持と言える。
「鎌倉殿の13人」を見ていた人は太宰の実朝の捉え方も読んでみるといいと思うのですが、とにかく活字が小さいのは辟易としました。おかげで表題の「惜別」は読む気に慣れませんでした。大きな活字の本で読んでください。
ところでこの本では公暁を「くぎょう」とルビを振っているいて私も学校ではくぎょうと習っていた記憶なのですが、今は「こうぎょう」と読んでいる。いつから変わったのだろう。

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井上章一「大阪的」

2023-07-15 14:07:58 | 
井上章一さんはあのとぼけたような顔でとかく東京中心になる論調に鋭い視点で異議を唱えている。
独特の京都弁で口調は柔らかですけど言っていることはかなり辛辣です。
今回取り上げているのは大阪。

テレビでは大阪人のキャラを誇張してこれでもかと放送していることもあって、大阪にはこんな人ばかりだとみんな刷り込まれている。
でもそういう大阪のイメージが作られたのは戦後の70年代前後とか。そこにはテレビが東京キー局が圧倒的に力を持ってくる中で乏しい予算しかない大阪のテレビ局が独自性を出していくための苦肉の策だったみたい。
大阪のおばちゃんというと思い浮かぶのは人懐っこく、冗談を絶やさない陽気なおばはん、なれなれしく、けたたましい人と言ってもいいのだろう。でも当然ながら大阪にも慎み深く引っ込み思案な人がいる。谷崎潤一郎は関東大震災後に関西へ逃げてきたのだが、「私の見た大阪、大阪人」という随筆で関西の女性は言葉少なく婉曲に心持を表現する。それが東京に比べて品よくも聞こえ、非常に色気がある。と書いている。谷崎は阪神間の山の手で暮らしていたので庶民的な大阪とは違うのだろうが、今の大阪の女性とは真逆の評価です。
では今の大阪のおばちゃんというイメージが定着してきたのはいつからか。どうやら後発ローカル局のテレビ大阪「まいどワイド30分」というローカル番組の街頭インタビューからとか。予算が限られている中、他局に負けないようなコンテンツを探す中で路上取材で出合った面白いおばちゃんばかりを抜き出して画面に流しだしたのが評判になり、他局も追従してイメージが定着してきた。どうも大阪のおばちゃんのイメージはテレビによってかなり増幅されてきたみたいです。
大阪というと熱狂的な阪神ファンばかりと思われているけど甲子園球場が今のように連日満員になったのは、サンテレビが1969年に阪神戦の放映に踏み切ってから。それまでは野球は巨人でテレビ放映されるのは巨人戦ばかりなので関西でも巨人ファンが多かった。1962年の対広島の阪神優勝決定戦よりも阪神巨人戦の方が甲子園球場の観客数は圧倒的に多かったとか。ちなみに井上さんは拘りがあるのだろう巨人とは書かずに読売と書いている。サンテレビ放映後は関西人は阪神の戦いぶりを毎回見ることが出来るようになり大阪人を阪神ファンに染め上げていく。六甲おろしは大阪の国歌と今で言われるようになって来ているけど1960年代には球場でも流していなかった。これが流布しだしたのは大阪朝日放送のラジオ「おはようパーソナルティ」でアナウンサーの中村鋭一が公平、中立という建前をかなぐり捨てて阪神に偏った放送をやりだし、タイガースが勝った翌日には毎朝応援歌を歌うと言うふるまいに出たことにより浸透していった。げに恐ろしきは放送の力。
ところで私が若かりし頃はストリップと言えば過激なことで大阪は有名でした。昔職場の方々と大阪へ行きわざわざ九条ОSという劇場へ行った事がありましたが、まな板ショーなるものがあり観客の希望者が舞台にあがって本番をやると言う即逮捕というような過激で瞠目したことがあります。ノーパン喫茶なるものも関西発祥で井上先生によると京都の西加茂の「ジャーニー」が第1号店だそうですが、世に喧伝されたのは大阪の「あべのスキャンダル」から。FRIDAYとか平凡パンチとかの週刊誌がエロスの街大阪として全国に伝えていた。もっとも雑誌の編集部がアイデアを出してやってみない?とのせて紙面で取り上げると言うこともあったみたいで、斬新な発想は大阪の専売特許だったわけではないのですが、密かに誇りに思っていた大阪人もいたのか。ノーパンしゃぶしゃぶは東京発であれには大阪は1本とられたと言う大阪人もいたようです。
東京中心のものの見方は歴史にも色濃く反映されていて、初めて知ったのですが、弥生時代の「弥生」は東大構内とその近郊の地名だったのですが、東大の人類学者が弥生町で土器を発見してその場所にちなんで弥生式土器と命名されたそうです。縄文式土器と比べると形状の表現することなく地名とはどういうことでしょう。弥生式土器の最初の発見者は江戸時代の藤貞幹という京都の学者だそうです。備中高島で見つけて本に書いている。素直に言えば備中式とか高島式なんだろうけど、土器だけでなく時代呼称まで弥生時代になってしまった。
どうも関西の地名を時代に記すことは東京の学会に嫌われたのだろうが、伝仁徳陵、伝応仁陵のある河内は何十年と一時代をなしていたはずで、古墳時代と大くくりでは言わずに河内時代という区分があってもいいのではとか、大化の改新では大阪に遷都されているので大阪で改新の詔が出されているし、条坊制も難波宮が最初のはずだけどほとんど触れられていない。意図的に大阪は無視されているみたいです。
歴史だけでなくこういう類のことは切りがないみたいで、井上先生としては腹立たしい限りのようですが、そのおかげで1冊の本が出来ました。目から鱗という視点がいっぱいあってとても全部は紹介できませんがので、あとは自分で読んでみてください。
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7月12日鶴舞公園テニスコートの後はいつもの紫禁城へ

2023-07-14 09:49:20 | テニス
終わって6人でいつもながらの紫禁城へ行きます。

通りすがりに見ると公園の新しい店舗も行列はできていない。さすがに平日の昼にそういつまでも行列するほどのものでもないのか。1年定着するまでが勝負ですかね。
紫禁城の真ん中のテーブルを占拠して、とりあえず私はハイボール。

1059、はげ親父、ヤッターマンは生ビールです。
すぐに出るものと言うことでまず枝豆。

今の時期はとりあえず枝豆ですよね。昨日も家で食べたところです。
アルコールを飲まない飲めない飲むとちょっと見小野ヤスシさんは定食でソース焼きそば。

とは言ってもいろいろつまんでいますけどね。
次の1品は干し豆腐サラダ。これ飲めない飲むが好きなんです。

そして青菜炒め。

森の熊さんがいつも頼むのですが、この日はいなくてもヤッターマンが注文。
干し豆腐サラダも青菜炒めも適当にシェアしてちょっと見小野ヤスシさん、飲めない飲むのところにも皿を渡したのですが、あとで飲めない飲むが青菜炒めを食べていないと言い出す。好物の干し豆腐サラダだけ食べて青菜炒めは目に入らなかったのか、ひょっとして視野欠損か短期記憶焼失?
そんなことは無視してハイボールと生ビールはおかわり。
最初に頼んだ豚肉の甘酢あんかけがやっと出てきました。

これをつつきながら今度は瓶ビールを2本。

キリンにしますかアサヒにしますかと聞かれてこの際両方を1本づつ。
最後に甘えびのから揚げ

さらにこの日の日替わりランチの料理になっていたきくらげの卵炒め

私としてはトマトが入っていないので安心して食べられます。
お勘定は12300円。ちょっと見小野ヤスシさんと飲めない飲むは1000円、あとの4人は2500円です。
いい気持でバスで帰ったのですが、ソファーでまどろんでいたら3時ごろ突然の雷鳴。

夕立には時間が早いと思うのですが、強風と猛烈な雨が降り出して慌てて洗濯ものを取り込むことに。
どうも梅雨末期の天気急変には慌てますが、午前中のテニスをやっている時でなくてよかった。
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7月12日鶴舞公園テニスコート

2023-07-13 10:40:39 | テニス
この日は午前中のテニスなので8時50分には家を出て雁道バス停へ。
バス停には思いがけずたくさんの人が待っていてバスがなかなか来ない。
やっと来たと思ったら2台がつらなってきた。

よく考えるとこの日は水曜日なので9時ごろはまだ平日の通勤時間帯。昔通勤で使っていた時には満員でバスが遅れてよく2台一緒とかありました。
先頭の込んでいるバスは避けて2台目に乗ったのですが、通勤客が多い中で短パンTシャツでテニスラケットを背負った姿と言うこともありちょっと恥ずかしげに小さくなっていました。
それでも乗れば順調で9時15分には鶴舞公園に到着。

この日のDコートに行くとヤッターマン、ちょっと見小野ヤスシさん、飲めない飲むがいました。
一応4人になったので早速準備運動を兼ねて乱打
暫くやっていると遅れて1059さんも登場。
この日参加予定のはげ親父がまだ来ないのでLINEを送ったら、寝ていたら9時45分に金山とか。結局10時前に登場で、この日は6人の参加。
天気は雲が多いのですが、湿度が高く蒸し暑い。時折太陽が顔を出すと一気に暑くなります。

はげ親父が来ることを見越してじゃんけんして試合を始めます。
最初はちょっと見小野ヤスシさんと組んで1059、飲めない飲む組と対戦。軽く一蹴するつもりが1ゲームは落としてしまいました。
1試合済んだ頃にはげ親父が登場したので、すぐに試合に入ってもらいます。
もう一度ちょっと見小野ヤスシさんと組んでヤッターマン、はげ親父組と対戦。はげ親父は二日酔いみたいで練習抜きのいきなりの試合です。ヤッターマンにはボールがなかなか抜けないので、はげ親父にボールを集めて触らせようとしたのですが、そもそもボールを集めるようコントロールすると言うことが難しいのでそうは思惑通り上手く行かずに結果は1:3でした。
休憩時間には当然ながらビールが出てきます。

この日はヤッターマン持参の500缶2本とはげ親父持参の350缶2本。熱中症注意で屋外の運動を避けるようにと言われている中のビールを飲みつつのテニスは誰も褒めてくれませんけど…もっとも水分補給には気を付けて1リットルぐらいは飲んでいます。
ここで組み替えてはげ親父と組んで1059、ヤッターマン組と対戦。デュースまで粘るゲームもあったのですが、結果は0:4の完封負け。まだまだです。
続いてもう一度はげ親父と組んでちょっと見小野ヤスシさん、飲めない飲むのわがクラブの若手組と対戦。
この頃になると暑さで疲れて来てミスが増えるのですが、ここは年の功もあって鎧袖一触で撃破。4:0です。
この時点で11時30分でしたが、汗びっしょりでもうこれで十分とコート整備して終了にしました。
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7月9日千代田橋緑地テニスコートは雨で読書三昧

2023-07-11 14:46:07 | テニス
梅雨前線が日本列島に横たわり、九州では線状降水帯が何度も現れ被害が出ています。
名古屋も不安定な天気で、朝起きると激しい雨が降っています。

この日のテニスは午後なので予報を見てると午前中中心に激しい雨。

午後にはやんできそうなのですが、とは言っても雲の動き次第では午後も断続的に降って来るみたいで、この時期の雨は予測しがたい。
事実9時前には雨は小降りになってきてやみそうな雰囲気も。
9時過ぎまで予報を見たり雲の動きを見ていたりしたのですが、多少晴れ間があってもいつ降って来るかも分からないので、この日はあきらめるしかないか。その旨LINEで発信しました。
yahooとスマートニュースでは雲の動きの予想は微妙に違っていて、どちらも外れて突然晴れ間がのぞくこともある。それだけ予測が難しいことなんでしょう。

因みに13時30分の予報は弱い雨ですが、実際の熱田区ではやんでいた。それでもすぐに降り出してこれはもうテニスは出来ませんでした。
こうなるとやることもなく本でも読むしかない。
今回読んだのは、高田郁「あきない世伝 金と銀」

高田郁は「みをつくし料理帖」を楽しく読んだ記憶で、これはどうかと思って図書館で借りてきたもの。文庫本書下ろしですが、全部で10巻以上あってまだ半分も読んでいません。
主人公の幸は父と兄をなくし大阪天満の呉服商「五鈴屋」の女衆奉公に出るのだが、生来の向学心と知恵と工夫で、お家さんの富久と番頭の治兵衛に目をかけられ、やがては五鈴屋店主の4代目と祝言をあげるのだが、4代目は茶屋通いのどうしようもないあほぼん。4代目が急死すると5代目となる弟と結婚するのだが…5代目は商才に富み、幸の助けもあって新機軸を次々打ち出していき傾いていた五鈴屋を建て直すのだが、如何せん情がなくて人徳に賭ける。情のなさがもたらしたある事件があって突然出奔、隠居。幸は何と末の弟と結婚することに。6代目となる末の弟智蔵の商才はまるでないけど性格はよくて幸の才能をうまく引き出して行くのだが…
最初の頃の幸は、まるで「おしん」で、そこから商売の才能をどんどん伸ばしていくところは「細腕繁盛記」、理不尽なしきたりとか言いがかりとかに対してくじけることなく知恵を絞り度胸を決めて立ち向かっていき難局を切り開いていく。これは面白くない訳ないでしょう。
舞台を江戸時代に持ってきていいるので、現代ならそんな上手く行くわけないだろうと思うようなことも自然に納得できてしまう。草紙本に広告を入れるだの店名入りの傘を配るのだの浄瑠璃とタイアップするなど今では普通にあることなのですが、江戸時代の設定では最初にやった時はすごいことだったはずと妙に感心してしまい次はどんな展開になっていくのかと楽しみです。
舞台が呉服屋なので基礎知識が全くなく、羽二重とかは分かっても生地の違いとか色もいろいろな表現がされていてもさっぱり分からない。そんなことは分からないままに読み進めても何とかなります。
今はまだ5巻目を読んだところですが、早く次を読みたい。
雨の日曜日は外へ出ることなく読書三昧でした。
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7月5日鶴舞公園テニスコートの後は4人で紫禁城へ

2023-07-07 18:53:45 | テニス
終わって4人でお昼を食べに行くことに。
今回は「気晴亭」に行こうかと歩いていたのですが、扉を開けると既に順番待ちの人がいる。
え~、平日の12時前なのにすでに行列?!飲めない飲む曰く先週テレビで取り上げられたばかりなのでお客が殺到したのでは?
並んでまでのこともないと駅まで戻って結局紫禁城へ行くことに。

12時前なので空いていてryuちゃんがいいよというので真ん中の8人掛けの席を占拠します。
酒を飲むことが出来ない飲めない飲むはウーロン茶と本日の定食。ちょっと見小野ヤスシさんも定食にします。因みにこの日はなすみそ炒め。

私はとりあえずのハイボールに

1059さんは生ビール。

つまみは干し豆腐サラダ。

ちょっと辛いけど酒に合うんですよね。酒を飲まない飲めない飲むも気に入っています。
もう1品はこれまた飲めない飲むお気に入りのトマトの卵炒め。

私はトマトは苦手なのでいつもよけて食べるのですが、以前はきくらげが入っていて、もっぱらきくらげと卵と食べていたのですが、今はきくらげが入っていないのでちょっと残念。まあ、私も大人になったのでトマトが紛れ込んでも食べられるようになったんですけどね。
ここで私はハイボールをお替りします。
もう1品はチーズ春巻き。

これは揚げたてで熱いうちに食べればハイボールにぴったり。
1059さんはホルモンチップを。

これはどう表現すればいいかと思いますが、あまりホルモンっぽくなくて柔らかく臭みもない。ビールに合います。
飲めない飲むはさかんにpaypayの仲間に加えようと勧誘するのですが、私はこれ以上余分なカードは持ちたくないしスマホも普段持ち歩かない。それで何の不自由も感じていないので全く耳に届きません。そんなこんなの飲みながらのバカ話は尽きることないのですが、そこそこおなかも膨れてお勘定。
6200円で飲めない飲むとちょっと見小野ヤスシさんは1000円で、私と1059さんは2100円にしました。
いい気持でバスで帰ったのですが、帰ってソファーに座ったらそのまま睡魔に襲われひと眠り。毎度ながら食欲のない夕飯になってしまいました。

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