印象ではハチャメチャタフで元気な椎名誠も齢75歳。後期高齢者の仲間入りです。
さすがに近しい人とか友人の死とかもあり、最近は死について考えることもままあるとか。
以前「ぼくがいま、死について思うこと」という本を書いていて、私は読んだ記憶があるのですが、このブログにレヴューは書いていない。多分椎名誠が今まで書いていたことが多くて、特に感心した新たな知見も少なくて、まあ、そんなもんかと思ったからでしょう。
今回のこの本はそれの続編のようなもの。
遺言と言うまでのものではないですけど、思うことを縷々述べてあります。
それにしても改めて椎名誠は若い時から無茶をしていて、何度か死を目前にしている。オートバイ事故で瀕死の重傷を負ったり、操作方法もよく分からないままスキューバーダイビングをやってパニックに陥ったり、パタゴニアの山中で馬に乗って斜面の途中で立ち往生したり、グレートバリアリーフでヘリコブターから海に飛び込んだり、氷河のクレパスに落っこちたりと。とにかく極寒のシベリアから灼熱の砂漠やアマゾンやメコンの熱帯雨林のジャングルへと世界中を飛び回っているのでいろいろな経験をせざるを得ない。もっともそれらの経験をちゃんと紀行文にまとめたり、小説の題材にしたりしていますけど。若い頃は人生が楽しくて仕方なく、死が間近に迫った危機に際しても、そのことを真剣に考えようとはしなかったけれど、さすがに75歳にもなり来し方行く末を思うと否が応でも考えざるを得なくなったということか。
世界各国を回っているだけに、日本人からすると想像することが難しいような葬送の在り様を見ており、取材を加えて紹介している。チベットの鳥葬とか、ゾロアスター教の鳥葬、インドのガンジス川での火葬・水葬などなど。そもそも極寒のシベリアでは凍土で埋葬することができず火葬しようにも木材もない。チベットでも森林限界を超えると木がないし、花崗岩の台地で埋めることもできない。そうなると死体をバラバラにしてハゲワシに食べさせるしかない。アマゾンのように雨季と乾季で川の水位が大きく違うところでは埋葬することができないので川に流すしかないのだろう。
どうも死体をどうやって葬るかというのは気候風土と文化、宗教も絡んでみんな苦労しているみたいです。
ところで今回日本の葬送事情も取材していて、大須の万松寺のハイテク納骨堂も出てきます。最近は墓地不足もあって各地で納骨堂が増えていて、新宿のバスターミナル「バスタ新宿」の近くにも意匠を凝らしたビルがあって、現在1500体が納骨されていてあと3500体のキャパがあるとか。
一心寺のお骨佛も取材しています。大阪天王寺区にある浄土宗のお寺で、宗派を問わない参詣や予約不要の納骨を受け入れている。一心寺がお骨佛を作るようになったのは明治20年とか。お骨を細かく砕き数万人の骨による等身大のの仏さまを作っている。10年に一体のペースでどんどん増えているそうで菅、今一番新しいお骨佛は約22万人のお骨が入っているそうです。因みに納骨の冥加量は収められるお骨の量によって1万円から3万円。年間2万人が納骨に訪れるとか。墓じまいをするならこういう方法もあるかも。
椎名誠自身はどういう葬送がいいのかというと夫婦で「特定非営利活動法人葬送の自由をすすめる会」に入会して海洋散骨を希望しているそうです。自身で東京湾浦安沖での海洋散骨を見学しているのですが、好印象を得たみたいです。
今格別急いで死にたくはないのですが、やはり時期が来たら海のモクズにしてもらうかというのが現在の遺言のようなものでしょう。人間だけが自分が何時か死ぬことを知っている動物なのだが、死についていろいろ考えても死ぬときにしか分からないので、これはあくまで今現在の椎名誠の心境。
前期高齢者になった私にとっても考えさせられます。
さすがに近しい人とか友人の死とかもあり、最近は死について考えることもままあるとか。
以前「ぼくがいま、死について思うこと」という本を書いていて、私は読んだ記憶があるのですが、このブログにレヴューは書いていない。多分椎名誠が今まで書いていたことが多くて、特に感心した新たな知見も少なくて、まあ、そんなもんかと思ったからでしょう。
今回のこの本はそれの続編のようなもの。
遺言と言うまでのものではないですけど、思うことを縷々述べてあります。
それにしても改めて椎名誠は若い時から無茶をしていて、何度か死を目前にしている。オートバイ事故で瀕死の重傷を負ったり、操作方法もよく分からないままスキューバーダイビングをやってパニックに陥ったり、パタゴニアの山中で馬に乗って斜面の途中で立ち往生したり、グレートバリアリーフでヘリコブターから海に飛び込んだり、氷河のクレパスに落っこちたりと。とにかく極寒のシベリアから灼熱の砂漠やアマゾンやメコンの熱帯雨林のジャングルへと世界中を飛び回っているのでいろいろな経験をせざるを得ない。もっともそれらの経験をちゃんと紀行文にまとめたり、小説の題材にしたりしていますけど。若い頃は人生が楽しくて仕方なく、死が間近に迫った危機に際しても、そのことを真剣に考えようとはしなかったけれど、さすがに75歳にもなり来し方行く末を思うと否が応でも考えざるを得なくなったということか。
世界各国を回っているだけに、日本人からすると想像することが難しいような葬送の在り様を見ており、取材を加えて紹介している。チベットの鳥葬とか、ゾロアスター教の鳥葬、インドのガンジス川での火葬・水葬などなど。そもそも極寒のシベリアでは凍土で埋葬することができず火葬しようにも木材もない。チベットでも森林限界を超えると木がないし、花崗岩の台地で埋めることもできない。そうなると死体をバラバラにしてハゲワシに食べさせるしかない。アマゾンのように雨季と乾季で川の水位が大きく違うところでは埋葬することができないので川に流すしかないのだろう。
どうも死体をどうやって葬るかというのは気候風土と文化、宗教も絡んでみんな苦労しているみたいです。
ところで今回日本の葬送事情も取材していて、大須の万松寺のハイテク納骨堂も出てきます。最近は墓地不足もあって各地で納骨堂が増えていて、新宿のバスターミナル「バスタ新宿」の近くにも意匠を凝らしたビルがあって、現在1500体が納骨されていてあと3500体のキャパがあるとか。
一心寺のお骨佛も取材しています。大阪天王寺区にある浄土宗のお寺で、宗派を問わない参詣や予約不要の納骨を受け入れている。一心寺がお骨佛を作るようになったのは明治20年とか。お骨を細かく砕き数万人の骨による等身大のの仏さまを作っている。10年に一体のペースでどんどん増えているそうで菅、今一番新しいお骨佛は約22万人のお骨が入っているそうです。因みに納骨の冥加量は収められるお骨の量によって1万円から3万円。年間2万人が納骨に訪れるとか。墓じまいをするならこういう方法もあるかも。
椎名誠自身はどういう葬送がいいのかというと夫婦で「特定非営利活動法人葬送の自由をすすめる会」に入会して海洋散骨を希望しているそうです。自身で東京湾浦安沖での海洋散骨を見学しているのですが、好印象を得たみたいです。
今格別急いで死にたくはないのですが、やはり時期が来たら海のモクズにしてもらうかというのが現在の遺言のようなものでしょう。人間だけが自分が何時か死ぬことを知っている動物なのだが、死についていろいろ考えても死ぬときにしか分からないので、これはあくまで今現在の椎名誠の心境。
前期高齢者になった私にとっても考えさせられます。