怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

「ヒトは120歳まで生きられる」杉本正信

2013-11-03 15:02:06 | 
世界で最も古い生命表はロンドンで17世紀中ごろ作成されています。それによると当時のロンドン市民の平均寿命はわずか18.2歳。また人骨の分析などから推定される縄文時代の平均寿命は15歳程度だったそうです。
ちなみに現在の日本人の平均寿命は80歳を越えています。
では寿命の限界は何歳でしょうか。
いろいろ調べてみると確かな記録のある最高齢者は、男性では泉重千代さんの120歳、女性ではジャンヌ・カルマンさんの122歳だそうです。どうやら人間の最大寿命は120歳ぐらいみたいです。
そして120歳と言う寿命は分子生物学的にもほぼ正しいと分かってきました。
ヒトの細胞の染色体の末端には、「テロメア」という構造があります。細胞は培養に移すとそこで細胞分裂を繰り返すのですが、分裂回数には限界がありやがては死んでしまいます。この細胞分裂の回数の限界を「ヘイフリック限界」と言うのですが大体40~60回です。細胞分裂をするとその度に「テロメア」がだんだん短くなり、ヘイフリック限界の長さである5千塩基に達すると分裂寿命が尽きるのです。テロメアの長さをヒトの年齢とのグラフにすると大体120歳くらいが限界となります。
さらに、細胞分裂があまり活発ではない筋肉細胞や脳の神経細胞では、ミトコンドリアが老化、寿命と深くかかわっています。ミトコンドリアは加齢に伴いミトコンドリア酵素の活性が低下していきます。そして酵素活性がゼロになるのは110~120歳あたりなのです。
最近といっても2年ほど前ですがNHKの番組にもあったのですがカロリー制限が長寿に貢献すると言うことが主張されています。動物実験では実証されていて、「サーチュイン遺伝子」が鍵を握っていると言うのです。しかし残念ながら人間に実験を行うことは出来ず、寿命と食生活、体重などのデータを解析すると相関はあまりないみたいです。やせているヒトよりもむしろすこし太めのヒトのほうが長生きしています。総コレステロールも高めでいいみたいです。現在のヒトは生殖年齢を過ぎても約30年近く生きており、動物としては特異な存在!簡単に動物実験の結果が適用できるわけではないみたいです。50歳を過ぎると「粗食」によって低栄養状態になれば免疫機能は低下し、再生機能も衰えるのでむしろ寿命を縮める?高齢者はたんぱく質などの十分な栄養をきちんと取ることが大切みたいです。
ここから免疫機能と生態防御の仕組み、酸化ストレスから遺伝子を守る、放射線の影響、がんの発生プロセスと避ける方法、治療法について、再生機能と今話題のips細胞についてと話は進み、最後に寿命を延ばすライフスタイルが述べてあります。
まずどのような性格のヒトが長生きできたかと言うと「善人は早く死に、悪人は長生き」とか巷間流布している通説は当てはまらず「慎重で、粘り強く、几帳面な性格」の子どもが長生きできたとか(アメリカの1910年ごろ生まれた1528人を対象にした追跡調査によります)。また、長生きのヒトは社会によく溶け込み目的を持った人生を送っていました。その上で著者は貝原益軒の「養生訓」を高く評価し、紹介しています。
最大寿命120歳に近づけるような生活習慣を持って長寿を楽しむことが出来ればとしているのですが、すでに若い時から体に悪いことをずいぶん蓄積してきた身としては還暦を迎え今更どうすればいいんでしょう。
現在でも日本人の平均寿命は徐々に延びていて、21世紀中には90歳を越えるかもしれません。100歳以上の長寿の方もどんどん増えています。そう思うと60歳定年は人生の折り返し点。問題は目的を持った人生を送れるかですが、ボーっとした人生を送ってきた身としては、今になってあわてて探しても呆然とするだけでしかないのでは・・・

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