なんとも逆説的な題名ですが、表題の下に書いてある英文の題名「the best team approach to change the world」のほうが内容を素直に表していますね。

瀧本哲史は一応京都大の客員准教授ですが、本業はエンジェル投資家。本を出すときに准教授を名乗ったほうが通りがいいというか知らない人には権威がありそうなのでこう名乗っています。でもこの本で紹介されている数々の実例と考え方はエンジェル投資家としての経験から導き出されたものがほとんどです。
彼の何冊かの著書は、以前にもこのブログで紹介していますが、グローバル資本主義が進展する中、製品のコモディティ化を進めるとともに人材のコモディティ化も進めている現代社会を乗り切るための方法を示している。
この本では、こうした時代に機能する「武器としてのチーム」作っていく方法を述べている。黒澤明監督の「七人の侍」のようなスーパーチームはどうしたら作ることができるのだろうか。
著者の本業はエンジェル投資家。そこでは海のものとも山のものともわからない「事業アイデア」と「創業者」しかいないような初期ステージのベンチャー企業に投資することになるのだが、そこは千三つの世界。その時には、その会社に集まっている人々のポテンシャルティを見て、そのチームが将来成功するかどうかに賭けるしかない。
新しいことをやっていくには、新しい価値観も、新しいパラダイムも一人だけの力では世の中に広めていくのは難しい。自分とビジョンを共有し、その実現に向けて行動する仲間を見つけていくことが大切になる。やりたい仕事、属したい組織がなければ自分で作るしかない、ではどうやって!
それは「ワンピース」的な麦わらの一味というようなファンタジーの中のチーム(それはどんな時にも仲間割れせずに運命を共にするという強い関係)ではなく、当初の目的を達成して互いに必要とする時期が終われば離れるもの。いたってクールなものです。
前例がない課題に取り組むための良いチームとは
1少人数である
2メンバーが互いに補完的なスキルを有する
3共通の目的とその達成に責任を持つ
4問題解決のためのアプローチの方法を共有している
5メンバーの相互責任がある
それにしても私の狭い知見だけでも、ここで反面教師として紹介されているような年次、経験、ランク、バランスで選んで集団責任という無責任の中、仕事をしたふりだけのチームのなんと多いことか。
チームの仲間には、SNSで友達の数を競ったり、ラインの既読に一喜一憂したり、居酒屋で愚痴を言いあう「友だち」はいらない。ビジョンを共有して目標に突き進む仲間を選らばなくてはいけません。
最初のビジョンは大きければ大きいほどいい。容易に達成可能な目標ならだれにでも思いつくが、それでは注目を浴びず、人は集まらない。
ちょっと不可能かと思えるような大きなことに挑戦する冒険者となってビジョンとストーリーを語ろう。
それは多くの人が共感できる普遍的なものでなければならない。ただし途中途中の目的地はどんどん変えていけばいい。
その過程は神話における「英雄の旅」の物語に似ている。
天命→旅の始まり→境界線→メンター→悪魔→変容→課題完了→故郷へ帰る
目標達成まで波乱万丈でも多才な良き仲間がいればチームとして達成できる。なあなあ的なゲマインシャフト的な集団を、目的がきちんとあるゲゼルシャフト的な集団へと転換していき、自分自身の物語の脚本を書き演じろ!
これから起業しようとする人、何かをやろうとする人にとって、どういうアプローチで仲間を集めてチームにしていくのか、豊富な具体例を挙げつつ説得力を持って論じています。60歳を過ぎて何かをやろうという志もない私にでも気合を入れられた気持ちにさせられました。
勇者にはなれそうにもありませんが、志が一致するような若い人がいれば及ばずながらでも参加して猫の手ぐらいの手助けはしたいものです。英雄の旅についていく脇役ぐらいにはなれそうな気もします。
青雲の志を抱いている成人のお祝いに差し上げたいような本です。

瀧本哲史は一応京都大の客員准教授ですが、本業はエンジェル投資家。本を出すときに准教授を名乗ったほうが通りがいいというか知らない人には権威がありそうなのでこう名乗っています。でもこの本で紹介されている数々の実例と考え方はエンジェル投資家としての経験から導き出されたものがほとんどです。
彼の何冊かの著書は、以前にもこのブログで紹介していますが、グローバル資本主義が進展する中、製品のコモディティ化を進めるとともに人材のコモディティ化も進めている現代社会を乗り切るための方法を示している。
この本では、こうした時代に機能する「武器としてのチーム」作っていく方法を述べている。黒澤明監督の「七人の侍」のようなスーパーチームはどうしたら作ることができるのだろうか。
著者の本業はエンジェル投資家。そこでは海のものとも山のものともわからない「事業アイデア」と「創業者」しかいないような初期ステージのベンチャー企業に投資することになるのだが、そこは千三つの世界。その時には、その会社に集まっている人々のポテンシャルティを見て、そのチームが将来成功するかどうかに賭けるしかない。
新しいことをやっていくには、新しい価値観も、新しいパラダイムも一人だけの力では世の中に広めていくのは難しい。自分とビジョンを共有し、その実現に向けて行動する仲間を見つけていくことが大切になる。やりたい仕事、属したい組織がなければ自分で作るしかない、ではどうやって!
それは「ワンピース」的な麦わらの一味というようなファンタジーの中のチーム(それはどんな時にも仲間割れせずに運命を共にするという強い関係)ではなく、当初の目的を達成して互いに必要とする時期が終われば離れるもの。いたってクールなものです。
前例がない課題に取り組むための良いチームとは
1少人数である
2メンバーが互いに補完的なスキルを有する
3共通の目的とその達成に責任を持つ
4問題解決のためのアプローチの方法を共有している
5メンバーの相互責任がある
それにしても私の狭い知見だけでも、ここで反面教師として紹介されているような年次、経験、ランク、バランスで選んで集団責任という無責任の中、仕事をしたふりだけのチームのなんと多いことか。
チームの仲間には、SNSで友達の数を競ったり、ラインの既読に一喜一憂したり、居酒屋で愚痴を言いあう「友だち」はいらない。ビジョンを共有して目標に突き進む仲間を選らばなくてはいけません。
最初のビジョンは大きければ大きいほどいい。容易に達成可能な目標ならだれにでも思いつくが、それでは注目を浴びず、人は集まらない。
ちょっと不可能かと思えるような大きなことに挑戦する冒険者となってビジョンとストーリーを語ろう。
それは多くの人が共感できる普遍的なものでなければならない。ただし途中途中の目的地はどんどん変えていけばいい。
その過程は神話における「英雄の旅」の物語に似ている。
天命→旅の始まり→境界線→メンター→悪魔→変容→課題完了→故郷へ帰る
目標達成まで波乱万丈でも多才な良き仲間がいればチームとして達成できる。なあなあ的なゲマインシャフト的な集団を、目的がきちんとあるゲゼルシャフト的な集団へと転換していき、自分自身の物語の脚本を書き演じろ!
これから起業しようとする人、何かをやろうとする人にとって、どういうアプローチで仲間を集めてチームにしていくのか、豊富な具体例を挙げつつ説得力を持って論じています。60歳を過ぎて何かをやろうという志もない私にでも気合を入れられた気持ちにさせられました。
勇者にはなれそうにもありませんが、志が一致するような若い人がいれば及ばずながらでも参加して猫の手ぐらいの手助けはしたいものです。英雄の旅についていく脇役ぐらいにはなれそうな気もします。
青雲の志を抱いている成人のお祝いに差し上げたいような本です。