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怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

田中森一×佐藤優「正義の正体」

2009-05-05 15:17:57 | 
今日はこどもの日ですが、特にやることもない。映画でも見に行こうかと提案したのですが、みんな特に見たいものもないと気乗り薄。無理して行く事もないので、夕飯は外食にして、完全休養日としました。
天気はちょうど雨なので当然ながら一日ごろごろすることに。
図書館で借りてきた本でも読もうと、寝ッ転がって「正義の正体」を読み出したのですが、これが面白い。言わずと知れた元特捜検事でバブルの時代には闇社会の守護神として活躍?し、詐欺で有罪判決を受けた田中森一と国策捜査という言葉を世に広めた外務省のラスプーチンといわれた刑事被告人の佐藤優の対談です。
「PLAYBOY」に連載された対談ということで、読み易い。午前中の2時間あまりで読み終えることができました。
二人とも拘置所暮らしが長かったこともあって、もともと拘置所というのは未決ですので死刑囚を除いては長くいる人も少なく実態が語られたことが少なかっただけにその実態は興味津々です。取調べで拘置所に放り込まれるだけで精神的に参ってしまい検察官の誘導に従って何でもしゃべってしまうのもムベなるかなです。
また田中の語る裏社会の人間の姿とか検察の裏事情もなるほどと思わせるものがあります。
佐藤の語る外務省の実態とかロシアにおける情報収集とかはもう他の本にも書いてあることが多いので、そうそうと思うだけでしたが、佐藤が「国家の罠」で書いていて、あそこまで書いたらあの検事はどうなるのと思った西村検事について佐藤がすごく気にしていることが分ります。田中が検察を止めて弁護士になればといっているのですが、「国家の罠」であれだけ実名で書かれているのですから、検察内部での階段を上がることにはかなり障害になると思われるので、それを弁護士としての宣伝材料にして、転進するのが妥当かもしれません。
たまたまこの本の前に小渕恵三について書かれた「凡宰伝」を読んでいたのですが、佐藤が小渕を高く評価していることについては、妙に納得してしまいました。「凡宰伝」著者の佐野信一の小渕に対する評価はあまり高くないと思うのですが、書いてあることを虚心に読むと佐藤の評価の方が説得力ある気がします。もし小渕が急逝しなかったらこの国はどうなっていたのでしょうか。
今まで田中森一についてはヤメ検に対するある種の偏見があって、何も読んでいないのですが、今度は「反転」を呼んでみようと思っています。
コメント
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