見てから読むか読んでから見るかとよく言われるけど、ミステリーの場合はどちらもネタバレがあるのが難。強いて言えば読んでからこの小説をどういうふうに映像化しているのか役者を誰にするのかと想像するのが楽しいで、読んでから見るのが正解かも。
このハヤブサ消防団はテレビドラマを見てから読んだのですが、どうも読んでいるとドラマの役者の顔が浮かんできてしまいます。
ミステリーの場合はネタバレだと興味が半減することもあるのですが、テレビドラマを見て興味を持って読んでみようかと思ったので、それはそれで仕方ないか。
舞台は岐阜県の山里の八百万町のハヤブサ地区。木曽川の中流地区なのだろうか、例によって過疎の地区なのだが、自然の素晴らしさにひかれ父の実家のあるこの地区に引っ越してきたのが主人公の三馬太郎、ミステリー作家としてそこそこの実績があっても都会の生活に疲れはてての決断。
引っ越したものの田舎の生活は近所付き合いが難しい。自治会に入り、誘われれままにというか断り切れなくて消防団にも入る。とにかく地区の中では数少ない若手だから強引に勧誘されるでしょう。
消防団に入って火事の際の出動だけでなく行方不明者の捜索とか祭りとか各種イベントの警備などに動員がかかり、さらには消防操法大会これは実は私も見学したことがあるのですが小型ポンプにホースをつないで放水する技術を競うのですが、このために日ごろの訓練を重ねる必要があり団員にとっては結構な負担になるものです。この辺の描写は消防団あるあるでさすが池井戸さん。団員の面々もそれぞれいきいきとして描かれで、ヒロイン役の立木、お寺の住職や警察署長、町長と個性的な面々で、ドラマでの役者は誰だったかと思いながら読んでいきます。
さて何もない静かな地区のはずが、連続して放火かもしれない火事が起き、川での死亡事故?事件も起こる。さらには同時にソーラーパネル会社の土地買収も進んでなんいやら黒い影が。どうやらその背後には世間を騒がせた新興宗教オルビス・テラエ騎士団が絡んでいる。
これ以上書くとネタバレとなって興味を削ぎそうなので、後は読んでみてください。岐阜県の山里の風景と生活の描写とか、少し出てくだけですけどる名古屋の長者町の描写はご当地ネタとしてうれしい。ドラマは原作そのままとはなっておらず、映像として盛り上げるようにヒロインを引き立てるようになっている記憶ですけど、どちらがいいのか。まあ、ドラマは毎回欠かさず見ていたというわけでもなく、今となってはうろ覚えなので別物として楽しみながら、一気に読めました。テレビドラマを見ていない人も見ている人も楽しく読めると思いますので機会があればどうぞ。
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