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怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する

2008-05-17 21:38:48 | 
この本は凡百のビジネス本、経営指南書よりよっぽど有益です。改めて「島田紳助」という人の才能に感心します。
本人はこの本で豪語していますがいろいろな事業を手がけているのですが一度も失敗したことがないとか。何故それが可能かといったらあくまでサイドビジネスだから。本業はあくまでタレントであり芸人なのだ。その上で遊びとして、人生を豊かにする為のビジネスということ。それでもいかにサイドビジネスといっても金銭的にきっちと成立させている。それでなければ面白くないし、そこに働く人も幸せにならない。本当に今時の経営者に聞かせたい言葉だ。
ところで最近の島田紳助のテレビでの活躍を見ていると自分の頭で考えてしゃべれる奴は強いと思います。この本でもたけし、島田洋七そして松本人志と名前が出てきますが、やすきよを頂点とするお笑い守旧派を蹴散らしていった才能を感じます。なぜかさんまの名前が出てこないのですが、あえて出てこないのは真のライバル(紳助がピンで活躍しだした頃から40代ぐらいまではさんまのほうが上だったと思いますが、今は紳助のほうが勢いもあって上ではないでしょうか)思っているからでしょうか。ちなみに私は紳助もさんまもほぼ同世代ということもありシンパィーを感じていて好きなタレントです。松本人志について言うと彼の本を読むと紳助の才能を認めていて、紳助も松本の天才を認めていることがよく分ります。
この本では紳助が今まで手がけたビジネスの成功した理由を詳しく分析していますが、タレントの眼でなく本当に冷厳な経営者の視点です。100軒店があれば本当に儲かっているのは1軒だけ、だからこそ常識やぶりのことをしなければいけない、常識にとらわれていれば儲かっていない残りの店と同じことしかできないのです。う~ん、世の経営者よ、よく聞いておけ!
今考え中のアイデアも公開しているが、アイデアの基本は、客としての素直な眼。それをしっかりとした情報でものにしていくことが成功の秘訣。そしてそこで働く人たちを幸せにしていくことが大切。もう一度言おう。世の経営者よ、よく聞いておけ!
ここで重要なのはよきパートナーを見つけること。紳助自身は忙しいこともあり、アイデアを出し出資するが、直接の経営は信頼できる友人に頼んでいる。紳助が考えたビジネスをちゃんと成功させていく友人が次々と出てくることも、その人の才能だろう。サイドビジネスの所以である。
この本の題名の「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」の意味は、お腹をすかせた学生の顔を見て、ご飯を大盛りにするオバちゃんの店は必ず繁盛する。なぜならみんなオバちゃんの気持ちが嬉しいから。客は料理だけを食べているわけでない。店の人の気持ちも一緒に食べているのだ。何ともうまいネーミングである。若干自慢話めき、人生訓的なことまで言われると鼻じらむが、一度何か起業でもしたいという人は読むべし。起業する積もりなくてもビジネスに興味のある人も読むべしでしょう。
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新銀行東京について

2008-05-17 09:47:51 | Weblog
ひげおじさんのコメントにあったので旬を過ぎたかもしれませんが思うところをかいてみます。
この銀行は、最も必要とする時に構想が始まり、もう必要としなくなってからできた、言わば「遅れてきた青年」です。金融界からはそれ故冷たい眼で見られ、しかし当時議会も都民も(そしてマスコミも?)必要とするときの記憶のみ引きずり祝福しましました。今知事が何で俺だけ責任があるのか思っているとしたら、このあたりの経緯からでしょう。
しかし時代に合わない「遅れてきた青年」がその理念だけで突っ走っても業績を上げれる訳はありません(そもそもそんなにうまくいくのなら民間がとっくに手を出してると思うのですが)。今の都政ではたぶんうまく行かないという報告はあげれるような雰囲気ではなかったし、うまくいかないのは頑張りが足りない(物量で負けても日本人には大和魂がある!)と叱責されるだけだったのでは。知事の目玉政策だっただけに引くに引けず、見掛けの数字だけ追って、いけいけどんどんと深みにはまっていったのだと思います。この時点での都庁のそして知事の責任は重いと思います。俺はそんなことは知らなかったといいますが、まともな報告もされないような状況にしてしまったのはトップの責任としか言いようがありません。
状況がどうしようもないことになってからも、責任を認めようもせず将来にわたって糊塗する為に追加出資をするのは最悪です。そもそも株式会社であれば、いくら大企業といえども新規事業に1000億円の損失を出した経営者が居座っていることはありえないのでは。そしてその新規事業のこれからの可能性といえば縮小均衡して細々とやっていく、これでは何の為の銀行かわからないし、うまくいって(可能性は低いと思いますが)現状維持!ずるずると追加出資か破綻ということになります。
事業の将来性を見据え、今は苦しくても率直に責任を認め、損切りをして撤退をすべきだったのではないでしょうか。ブルーレイに負けた東芝は、早い段階での撤退をしたことで、むしろ市場の評価は上がったのでは。威勢のいいことは調子よく言っても、実務に対しては責任を持たず、都合の悪いことは知らない(知っていなければいけない都合の悪いことを知らされない、知りたがらないという状況を作った責任はむしろ重いと思いますが)で通すか居直るか、それでも選挙で選ばれるということが日本の民主主義の実力でしょうか。
そもそも行政が銀行業務に手を出すべきだってかという点はありますが、新銀行東京の設立は知事一人の責任に帰すのは酷だと思います。しかしその後の運営と今回の追加出資については、責任は重く、本当に追加出資で知事自身も再生できると思っているのなら、自身の財産を出資すべきです。何も只で出すというのではなくちゃんと配当をもらえばいいのですが、自分で説明しているようにはうまくいかなかった時には当然戻ってこないようにするべきです。自ら何も痛みを負担せず(プライド高い知事としては議会で陳謝したことが大きな痛みだったでしょうが)、税金をつぎ込むのはどうかと思います。その説明も事務方が勝手に作ったもので俺は責任ないというのでしょうか。
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