怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

昭和の名将と愚将

2008-05-12 22:18:36 | 
名将の条件とは何か。最初に議論されているのですが、保阪があげたのは大前提として、理知的であること。現場に指揮官としていった時に、兵士に畏敬の念で見られる人。次に原則論ばかりを振りかざすタイプでない人。恩師の軍刀組みでない人。半藤の挙げたのは、1決断を自分で下すことができた人 2任務の目的を部下に明確に伝えられる人 3情報を自らの目や耳で掴む人 4過去の栄光にとらわれない人 5常に焦点の場所に身を置いた人 6部下に最大限の任務の追行を求められる人。なにやら企業社会でも同じことが言えそうですが軍人は直接に部下の生死を握っているだけに切実です。名将として13人が上げられていますが一番印象に残ったのは今回初めて知った「宮崎繁三郎」です。まったく風采は上がらないのですが、日本陸軍の中で負けたことが無いという稀有な人です。あのインパール作戦に従軍して、快進撃の末「コヒマ」を占拠し、孤立無援の中で持ちこたえていたのです。戦後は語ることなく瀬戸物屋の親父をしていたそうですが、悲惨な前線にも優れた将はいたのです。
それに比べて愚将として上げられている人たちの醜悪さはどうでしょう。責任ある立場にありながらもっとも無責任だった人たちです。いけいけどんどんで作戦を立て、失敗すれば部下のせいにする、平気で自己に都合のいいように記録を改ざんする、自分の頭でモノを考えることができないなどなど。読んでいて反吐が出そうです。しかし何故こんな愚将たちが軍の中枢にいたのでしょうか。どうも東条英機人脈だそうです。思うに100人の将軍がいれば名将は1割で、愚将も1割入るでしょう。愚将たる人たちもしかるべき地位でできることだけやっていれば大した問題はなかったのでしょう。しかしその1割の愚将が中枢に座っていれば残った8割の人たちも愚将並になってしまいます。愚将をどんどん引き立てて言った東条の罪は、トップの罪は限りなく深いのです。軍隊だけではなくおよそ組織の上に立つものは自らの責任の重さを自覚しなくてはいけません。とかく追従する人がかわいくなるものですが、人を選ぶ眼の難しさをよく考えなくてはいけないと思います。
ところで本論とはちょっとそれますが、「瀬島龍三」も責任を取らない愚将の一人として上げられていますが、この人を重用した中曽根という人は同類項ではないでしょうか。アメリカに追従して(不沈空母とか言ってみたり、アメリカ製品をみんな買いましょうと言ってみたり)、バブルの最大の責任があるにもかかわらず、責任をみんな蔵相に押し付けて知らん顔してみたり、リクルート事件では官房長官にすべて押し付け、極め付きは老醜を晒しながらも職にすがりつき腐臭をばら撒いた
中曽根が出てくると今でも私は無性に怒りを覚えます。
それにしてもあれだけ愚将といわれる人たちが権力を握っていた日本軍が勝てるわけなかったですね。
コメント (2)
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