滋養強壮とは

先日風邪を引いてしまった際、三十間際にして声変わりかとうがってみたくなるほど喉をやられてしまいました。

そんなときでもけっこう抑えて話をしていたりするのですが、営業職の悲しい性か、仕事の話をしているうちにJBL（注1）の演説のごとく、一人で勝手に気持ちが盛り上がって熱くなってしまい、結果喉を痛めてあぼーんとなってしまいます。

そんな日にはやはり焼肉、、、ではなくちょっと趣向をかえてラーメンを食べることにしました。大阪は阪急南方から十三方面に徒歩５分ほどの昇龍ラーメンです。ここは久留米ラーメンの店らしいのですが、そもそも福岡県内でいくつも分派するくらいのカテゴライズが必要かどうかは、五体すべてが疲弊の限りを尽くした私にはちょっと判定困難なところでした。



店に入ると一面に広がる豚骨臭。これですよこれ。九州の島人はこれで血のたぎりを再確認します。一応体に気をつかってネギラーメンを注文。麺は当然固め。夜九時にしては客がいないので、すぐに葱野郎が運ばれてきます。真っ赤の紅生姜を大量に乗せて（ラーメンなのに）がつがつと食べにいきます。



豚骨の匂いに染まった辺りの空気が拍子抜けするようなさっぱりとんこつスープ。うまい。これぞとんこつラーメン。アクセントとなる紅生姜は超マストアイテムです。食べていくうちに満足感が浮遊感に姿を変えてしまいそうな恍惚感に満たされていきます。って、熱でぼーっとしてるだけですたぶん。ただ唯一、とんこつラーメンにしては少しだけ太い麺が画竜点睛を欠いてしまう印象です。次行ったときは、かなり固めで、とかハリガネで、とか言ってみましょうか。

ざんねんなことは、ラーメンでは風邪が快報に向かわないことでしょうか、、、。ニンニク大量にいれればよかったかなぁ。


（注1）正式名称はジョン・ブラッドショー・レイフィールド。WWEのスーパースター。株で一山当てたテキサス人がにわかにスノッブでイヤミなニューヨーカーになったという設定。実際に経済全般に造形が深く、経済ニュースのコメンテーターをレスラーと兼務していた経歴がギミックを増幅させています。演説のうまさとくだらなさは業界屈指。