よもやま解体新書

山下和也の制作、見聞記. 北へ西へ南へ。

なにものともつかないビジョン

2009-10-28 20:17:43 | Weblog
展覧会後、珍しく風邪をモロにひいてしまった。
インフルエンザではなかったが、初日は解熱剤でも熱が下がらず、嘔吐したりして一日床に臥せてしまった。
昔は薬も手に入れにくく、このキツさは顔を青白くし、生死をさまよう気持ちであったろうなと、ふと印を結びながら仏や神に願う平安人の気分へとトリップした。
僕の枕もとには普賢延命がたつのだろうなと思いつつ・・・。

展覧会後、今までと違うタイプのドローイングを少しずつするようになった。
仏画を描くのは、図像をつくったり、つくり絵的な要素がつよく、イメージを練り上げていく作業が多いのだが、それは自らの内にイメージを深く沈思していく作業でもあった。
今、描いているドローイングは何か別のイメージの立ち上がり方をしている。イメージのカットアップのような、物語の一場面のような図像が浮かんでくる。何度も繰り返してイメージを沈思する。自分の中から見えてくる何者ともつかないビジョンを、見極めるように対話し、繰り返す事で、その強度を高めてゆく。
今はこのなにものともつかないビジョンともう少し付き合ってみようと思っている。

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