大阪の山本能楽堂に海士の演目を見に行きました。今回はダムタイプの藤本さんの照明とコラボレーションでLEDライトによる演出が行われていました。個人的には能という舞台制約の中で、光というかたちで参入しているというのは面白いなと思いました。安易でも過剰でもやらしくなるから、とても難しいように感じましたが、とても可能性のある内容だったと感じました。また、アフタートークでは山本さんの演じる側からは、普段より少し薄暗闇の中で演じるからか、聴覚などがいつもに増して研ぎ澄まされたと言っておられました。また、この演目では曲線の動きが全体的に意識される演目だそうで、龍女や海女など水が動きの中でもひとつのイメージとなっているようです。観客側から見えているものと演者側から見えているものの世界の違いも大変面白いなとトークによって改めて感じる事ができました。今度は雪の演目を光と陰の演出によって試みたいと言われていたのも大変興味深かったです。
能楽は物語を追っていても、イメージを誘発する身体の動きや意匠が一体となって別次元の空間を作り出していることを実感する。見処となる箇所では言葉に尽くしがたい美的体験がそこにある。 数年前には眠たくて仕方なかった能が、今はとても魅力的でその世界に引き込まれている。
能楽は物語を追っていても、イメージを誘発する身体の動きや意匠が一体となって別次元の空間を作り出していることを実感する。見処となる箇所では言葉に尽くしがたい美的体験がそこにある。 数年前には眠たくて仕方なかった能が、今はとても魅力的でその世界に引き込まれている。