よもやま解体新書

山下和也の制作、見聞記. 北へ西へ南へ。

ぶらり京博

2005-07-24 19:36:36 | Weblog
久々に京博の常設展に行く。今回のお目当ては愛染曼陀羅でしたが、その他私好みがズラリと並び得した気分。西大寺の十二天、久米田寺の星曼陀羅、雪村特集に芦雪の花鳥画巻と新出?襖絵、光琳写生画巻、蕪村の俳画、岸連山と景文の付立四季花鳥屏風。あまり好きでもない斉白石も久々に見たのでそれはそれで新鮮でした。特に二点とはいえ芦雪は良かった。ほんまセンスいいよねあの人。

襖絵

2005-07-24 19:17:56 | Weblog
ジャックのライブペイントがきっかけで襖絵を水墨で描く事になったのは以前にも書きましたが、依頼者と話を少しずつ詰めています。1画面4枚全12面の計算である。住空間に描くので自ずとそこで住む事や襖の機能、空間性が活きる様に多少考える。
場が先んじてある中に描く絵というのはやはり違う。面白くもあり難しくもある。紙は既に灰煮楮紙が貼られており、立てたまま一日で全12面描く事になっている。3場面の内1場面を急遽変更する事になり今また考えている。

倣雪舟

2005-07-16 12:27:57 | Weblog
今日も朝から一枚描く。原寸大で描くと描きながらいろんな事を再認識する。空間の浅いこと(印刷物でいうのは何だが濃淡の幅が狭く思う。中国山水のような空間性はない。本物を観た時、山水長巻はとても美しく感じたが、構図や筆致の兼合いを考えてもこの空間感覚構成は彼が手本とした周文、夏圭等にはない。)、筆致の太い事(今は筆慣らしを兼ねて岸派の筆で描いてるけど一見筆が大きくて不釣り合いと思われるも意外とこれくらいで丁度いい。運筆は難しくなるけど筆触感覚的にこれくらい欲しい。あと線自身はそんなに堅くない。)等等。

資料箱

2005-07-14 22:38:31 | Weblog
引っ越しの荷を整理していると資料箱の中から雪舟の山水長巻のコピーが出てきた。一緒に出てきた黄公望の富春山居図と比べると筆触がいっそう個性的で強い。どこか鈍い運筆と奇妙な空間。生紙しかなかったが少し模写をしてみた。早朝に60センチ幅の紙に少しずつ描き進めて今日で二日目。一日一枚一時間かからない程。余った墨はドローイング。一時間は勉強。どれも一気には進まないけど私なりにどれも着々と進んでいる事を実感ス。

遊覧

2005-07-12 06:20:50 | Weblog
日曜は昼から京都文化博物館の千總コレクションを見る。京友禅の老舗だけあってええもん持ってます。
着物はもちろん絵画もよくて、応挙の写生帳、保津川、岸駒、竹堂の唐崎の松、そして芦雪。芦雪の屏風は可愛くてユーモアがあって線の伸びも見ていて気持ちいい。完全に快楽絵画。時代のリアリティとか排除された悦楽の世界。芦雪は個性は強いけど絵はやさしい。江戸の遊びと京の遊びの感性って違うんやろなぁなんてふと思いながら堪能する。

回想42

2005-07-10 20:01:49 | Weblog
梅も運筆で描きました。淡墨なので反射角によって淡く消え入ります。今回の作品は泥の反射角でシルエット化したり消え入ったり見る角度で印象が少し違います。まして折りたたみますから。

回想39

2005-07-10 19:41:47 | Weblog
野菊は運筆で一気に描きました。今回の作品の葉は下地+溜めの量と番手のみで調整。
雁皮と相俟って彩色層が一層浅く、塗るというよりふりかけるような感じ。線描は彩色に飲まれずに存在感を保つ。私の中で今まで見てきた古画と技法の必然性が再認識される。やはり楮の混ざりものとは訳が違う。描く事は日々勉強になります。まだまだ青十歳ぐらいである。