よもやま解体新書

山下和也の制作、見聞記. 北へ西へ南へ。

仁和寺にある

2009-02-26 00:06:11 | Weblog
花園駅を降りて妙心寺を抜けて仁和寺へ。仁和寺といえば御室桜と孔雀明王を思い起こしますが、今回は金堂と経堂が公開されている。寛永の再建で古くはないが、彩色がよく残る。
それにしてもボランティアガイドさんの説明はなかなか感心する。上手いこというし笑いと気配りがある。
寺社を訪ねると仏像それ自体よりも空間と共にそれを作り出した僧正の思想的イメージへと意識が繋がり、対話する。この場所はどんな場所であるのか、みえる世界の内に立ち上がるみえない世界への入口を探しながら、実はそこにもういるのだという事を俄かに感じて静かに目を閉じ深呼吸した。
思えば寺社のこうした空間に身を置くのは久々だなとふと思い返した。
仁和寺がなにも特別な事はないのだが、幼い頃に両親と西国さん巡りをよくした事をまた思い返し、なにかしらの原点に触れる思いがふと心に残った。

光と闇と空間と

2009-02-25 22:05:47 | Weblog
新宿から初台のICCに行く。光の知覚をテーマにした展覧会。常設のインタラクティブな作品も良かった。光や実空間との関わりなど興味深かった。体感するので楽しく作品解説もわかりやすい。その分深く思考する事を置き去りにしてしまいそう。
佐藤美術館は三瀬夏之介展。かなり懐かしい作品と新作の小品等が列ぶ。インスタレーションは錆の時代の作品が木等の物質感も含め色濃い。遊び心たっぷりで好きなように展示したのだろう。天井の低いこの狭い感じだから、流さずに、より内向的に作品をみる事が出来るような気がした。
児玉画廊と山本現代へ。道ははっきり言ってわからなかったがお巡りさんのナイスな地図で無事到着。空間はいい感じです。児玉画廊では稲垣智則展で映像インスタレーション。山本現代では李演展で写真絵画。高橋コレクションはおやすみ。
新国立美術館では五美大合同卒業制作展をチラミして加山又造展へ。
数年前、神戸で屏風展を見たがあらためて昭和のディスカバージャパンをふと見たいと思ったので。
21_21デザインサイトのうつわ展へ。ここはいつも展示空間のディレクションを凝るのだけど、今回も凝ってます・・・だけど眺める感じで近くに寄れません。身近なうつわが遠いところへ。でも21_21ならアリかな。
 森美術館のチャロー!インディアへ。インド色たっぷり。なんか中国とは違う意味で逞しい。
夜景を写メでピロリロリン♪そしてショップではなぜか田中偉一郎のスーパーふろくぶっくを買うのでした。

金沢へ

2009-02-14 22:49:41 | Weblog
金沢の大樋美術館と21世紀美術館へ。
大樋焼きは飴ゆうを主としたやきもの。デルフトのやきもの15選という特集展示もしていてなかなか興味深い。
21世紀美術館は杉本博展。
自分の作品とコレクションを見立てで部屋毎にインスタレーションする展示で練り込まれた構成が面白い。思想的で流石の見応えの内容でした。
東茶屋町で一服した後、ライトアップしていた兼六園と雪吊りの松、時雨亭を散歩。
なかなか風情のある一日でした。

なつかしの

2009-02-09 00:00:47 | Weblog
COCON烏丸で船井美佐さんの個展があり、ライブイベントがあった。
映像と音楽、そしてライブペインティング。
音楽は山本精一さんとウリチパン群の千住宗臣さん。
ライブペインティングは無から線がどんどん繋がって形を結んでいく時間が面白かった。
私の場合はライブで筆を持つと付け立てとか筆触とか日本画の運筆技術を使っちゃうけど、筆の使い方ってやっぱり違いが出るなとあらためて感じました。
また、母校の卒展と星野画廊の三上誠展に寄り道。
卒展には過去に私が模写したものと同じ絵が2点並んでいました。最近はレポートも一緒に展示しており、熱心に調べたりテストしているけど、作品の上がりは正直イマイチで少し残念でした。

アロイーズより

2009-02-08 10:17:42 | Weblog
近江八幡にあるNO-MAでアロイーズの展覧会があり、ジャクリーヌ・ポレ=フォレル氏と正木晃氏の講演会があった。
フォレル氏はデュビュッフェとも交流のある内科医師でアロイーズとは交流も深い、アールブリュットの証言者のような方であるらしく、今回はアロイーズの大作絵巻について語ることで、アロイーズを知るという内容。
第2部ではマンダラぬりえの考案者でもある正木氏がチベットの曼陀羅壁画のスライドとマンダラぬりえのサンプルから色彩についての話の後、両者にコーディネーターが話をふるというものだった。
アロイーズが生花の贈り物にはまったく興味を示さなかったが、ペイントエッグ等にはとても喜んでいたという話や、精神的に健康な人が、何故ちょっと病んでいる人の絵をみて癒されているのかという疑問(なんかちょっとひっかかる言い方だけど、否定しがたい。)も気になるコメントだった。
あらためて大量のアロイーズを見に行くと色彩の生命力に圧倒される。色彩の力が体感的に襲ってくるのは、タントラ等のそれに近い。イメージの内容よりも色彩が有無を言わさず溢れて迫る。逆にイメージは大量反復による既視感で、単体としての意味の消滅を起こしている。一見して変わらなく見えてしまえば、図像イメージよりむしろ観者はその痕跡から心理を読み取ろうとする。しかし、何かじっと見ていられない雰囲気がある。向こう側へと行く危険性を感じているのか、思考の触手が深層まで行く事を本能的に避けている。あせらずとも、いずれ自ずとわかるさと言わんばかりに。

大阪 よどや界隈徘徊

2009-02-02 21:52:25 | Weblog
中之島中央公会堂内には建物を活かしたカフェがあって、そのすぐ横にある東洋陶磁美術館へ寄る際にはそこで少し食事したりする。
濱田庄司の没後30年にあたる今年は去年末の大阪民藝館に始まり、今年は大山崎でもやるらしい。
濱田庄司の作品はやはり大皿に尽きると思うのだが、今回は部屋に分けて壷や茶碗や皿をそれぞれに比較しやすく並んでいて、部屋を振り返るとなかなか壮観な眺めだ。
しかし、この美術館は常設が名品揃いで民芸の巨匠も分が悪い。

しばらく歩いて国立国際のアヴァンチャイナを観に行く。個人的には死体派の作品と楊振中とツァオ・フェイの映像作品が良かった。
grafでは佐々木愛さんのドローイング展示があって、普段の作風から一転して色彩に溢れていた。
更に映画の日であるから梅田で「レボリューショナリー・ロード」を観る。ちょっと哀しい映画でしたが、人生訓があるとおもいます。