よもやま解体新書

山下和也の制作、見聞記. 北へ西へ南へ。

見ブログ3~大阪暮情~

2006-01-30 23:08:37 | Weblog
それで昨日は大阪にいたのです。
国立国際美術館横にあるglafの本拠地に行きました。glaf.gmでは奈良美智のAtoZの一関でhomeという展覧会をしてました。相変わらず奈良ファンでいっぱい。glafのショールームでは伊藤利恵さんの陶がよい感じでした。その後db(ダンスbox)に菱田信也さん戯曲の「蟹京都」をみに行きました。12人の証言により二人の男女の姿が浮かびあがってくる設定ですが、菱田さんと役者の駆け引きが随所にあってアフタートークでその実体がわかるのですが、かなり面白い事になってた。役者の技量が試されるというか、ハプニングだらけのLIVEな舞台。12人は公募もあって実際の素性もピンきり。このためだけに東京から来たオカマがいたり、よゐこ濱口の弟がいたり、吉本のピン芸人がいたり…(この三人は濃かった(笑))
あとすばらしい役者さんも多数。暴走する竹ち代さん。で、高校の同級生Mさんは渦中のオンナを演じてたのでした。(オイシイ!)
トークの最後に蟹缶ジャンケン大会があったのですが、なんと最後まで勝ち残ってしまい優勝!紅ズワイ缶をプレゼンター指定で貰うのだが、せっかくなので?なんの設定もないのにタカラヅカオに勝手に拡大解釈して演じた目立ちたがり屋の濱口弟を指定した。よほど嬉しかったのか、ハグして小道具のバラをプレゼントしてくれた。その風貌は近くに来れば来る程、ヒゲのOL籔内笹子だった。(客席には濱口父も連日来場。ええ家族やわ。)
帰りに一円投票というのを演者の写真付boxに行うのだが、それにはピン芸人のみどりさんに投票。彼女の詩(ネタ)をまた聞きたいなと思いました。おもえばこの人の箇所はホンマに演出ゼロ。そのまま芸が投入されてる!菱田さん戯曲放棄?
しばらくダーチャという喫茶でゆず茶片手に藤本由紀夫の「20世紀の目と耳」を読破すると、三条のヤマンタカEYEの展覧会を観にかえる。なんか高校時代のクラブカルチャーエナジーの記憶が甦る。コアな現代の原始教?空間に来た感じ。なぜかカッコイイという不思議と自由のエナジー。ブリコラージュ原始境?
これは、いまはむかし、それでいて現在進行形のアングラパワーだ!はじめて観るのにナツカシイ。(まったく個人の記憶でしかないが…ウッシー元気かな?あなたの天然アフロがナツカシイ…)

見聞ログ2

2006-01-30 22:00:53 | Weblog
我身にかえれば、日本畫への問題提起と日本畫壇への問題提起は同じようで違うという事です。日本画ジャックは日本画壇ではなく、日本画への問題提起であったと思う。問いはそれを享受するものの感性によって無限の答えを有し、また変化し続ける。三瀬さんも出品しているMoTアニュアルは日本画壇ではなく、日本画の現在進行形の一面の提示という点でジャックと照らし合わせてみてどう感じるか二月中頃に行く予定なので楽しみにしてます。
 岡崎乾二郎と松浦寿夫の対談に「国民絵画としての日本画」というのがあって、国民的絵画と国民絵画は違うという話がでてくる。国民絵画は各国にあるが、それらはローカリティによって支えられているので完全にグローバル化する事は自却行為であるという指摘があった。日本画はローカル性を保持しながら、グローバル化するという一件矛盾した考えを持っているが、これは無理な話ではない。
要はそのローカルの中の何をどうウツスかと言うことやね。

 p.s.大和川レコードの阿佐田さんが、ぽえ犬通信というフリーペーパーのコラムで共同制作について書いた記事があって、作品同士のコラボとは別に、何を共同制作するかという視点の話をしていて、例えばアーティスト同士でない場合のコラボもあるわけで、システムの制作という話も少し頭をよぎった。

見聞ろンぐ

2006-01-30 21:12:31 | Weblog
実は引っ越ししてこの十ヶ月、家には時計がなくてケータイが唯一のタイムキーパーでした。
壁掛け時計が欲しいなーとか思いながら気にしてましたが、いいなと思う時計はやっぱり高い。
昨日たまたまcocon烏丸に行くと時計が新モデルの入荷で旧モデルが安くなっていた。その中でR/15ぐらいのシンプルだけど分単位にちゃんと刻まれているglafの時計をみつけた。約30%offになってたので買っちゃいました。 文博の民芸をみて池大雅と清水卯一の常設をみる。大雅を見直すよい機会になった。
その後藤井大丸でドート・ボンチェのプロダクトを発見する!こんなところで出会うとは…、しかも渡邊良枝さんのプロダクトも…じつはここのインテリアコーナーは結構あなどれません。
夜、I旅館に書家Yと画家AのLIVEペイントをみる。実は自分でやっててもLIVEペイントを実際観るのははじめてで、自分の仕事を客観的に観るにも見とこうと思いまして、最近のダンス三昧も私の中ではその一関なんです。
Yさんは墨象集団Sのメンバーのひとりで、国内外で活動しているそうです。Aさんは文椿ビルで小品をよくみますが、メロウなカンジ?の水彩ドローイングが印象的です。Yさんは漢字のメソッドに沿った現代書道で、一見すると特に珍しい書作ではないように思う。LIVEペイントは全部で三画面行いAさんはプロジェクター上で絵?を描いて、また二画面目には少し直に紙にかいたりしてましたが、基本的にYさんのLIVEペイントという内容でした。急遽、Nさん(サウンドアーティスト)も参加。Yさんの向かう白紙の画面にプロジェクターで映像がながれる。これは結構かきにくい筈である。第一面は書字ではなくほぼドローイング。第二面は雨という大きな文字と即興詩がツラツラかかれる。第三面は「山」の一字書である。立てかけた状態でかかれた墨がだらだら流れる。時折水を噴霧してあえて流しているが、LIVEペイントを観る方にはその経過が多少面白味としてみえる。
ただ私的な感想としては墨色、線種の幅が狭い事(基本技術が漢字メソッドに由来し、墨跡に因る為か)と絵を描く筆線としては稚拙なところ(書家にはおかど違いな意見?)、かかれたものの拠り所はどこにあるのかが気になった。もとより書家であるし、Yさんの作風からしてそれらの点はあまり言及するところでもない気もするけど、水墨で絵をかく側としては気になる。書畫が破格、逸格、狂格へと至る際にテクニカルな部分が抜け落ちる事が儘あるが、そう思うと前述の書作は技術的基盤をPRする前座とも思えなくもない。字は誰もが書くもので(最近はパソコン作業で字を書かない人も多いけど)身近であるが故になんとなく味が先行してしまうけど、本当の破格、狂格というのは真をとらえてこそで、実は希少であると思う。
その意味では近現代では須田剋太の字、井上有一の書、また石川九揚さんもあの突っ走りっぷりは素敵だと思う。
発展途上中の作家を彼等と並べて論じるのもどうかと思うが、多面体の活動の底流に流れる書家としての持論がいかなるものなのかは実際話してみないとわからない気がした。
身近になる事は一面親しみやすく良いのだが、同時に近寄り難い格というものも真に必要なのだと思う。味に陥るのは破格でも逸格でもない。
大雅に戻ると彼の畫の基本メソッドは芥子園畫伝によっている。この時代の文人畫は少なからず皆これに習うのだが、大雅が味がありながら味に陥らないのは編集技術と写実に因っている。大雅から写実を抜けば味に陥ると私は思っている。
では、書における写実に変わるものは何かとふと思うのだが、そこに前三者の書字が私の脳をかすめる。書字を通じて、何を ウツシ、何を カク のか?
YさんのLIVEペイントはパフォーマンスである以上のものはなかった。かかれたそれが、書字に対する問題提起には少し遠い気がしたのだ。彼の立ち位置が書壇に対する問題提起であったとしても、書字に対する提起にはまだ遠い気がした。

Air mailが届いていたフロム アメリカ。

2006-01-23 00:09:56 | Weblog
おもわぬ便りに笑みがもれる。その人は最近はクラッシックバレエをはじめたらしい。好奇心旺盛な人だから、自由の国は肌に合うそうな。チャレンジスピリッツの国であると同時に成果にシビアな国。
手紙を書く人が増え、重いパソコンの画面を開いて画像整理をチマチマやる。

今日はまたフェスティバルゲートのdbで岩下徹と東野洋子、斎藤徹の即興セッション。 斎藤さんはコントラバス奏者なんですが、めちゃ面白い。この前のどらビデオじゃないけど、へんな違和感がダンサーよりある意味目立つ。東野洋子さんの動きはしなやかでキレがあって旬のダンサーってカンジ。岩下徹さんは職人的踊る身体とでも言おうか…
今回はアフタートークも充実して話の中に共感する点も多く、ためになった。

その後、北加賀屋のブラックチャンバーで大阪音大中心の音楽、映像、ダンスのユニットの公演を観る。会場に入ってそこが、ダムタイプがphを公演した場所だとすぐに気が付いて少し感動した。
音楽家主体の女性中心のグループだが、曲も踊りもクラッシックベースで、オリジナル曲もプラス現代音楽というカンジでしたが、まだ二回目の公演なのでこれからどう方向性を強めるかの発展途上中という印象でした。
来週のdbには高校の同級生がダンサーの一人として出演します。
はじめてみるので少したのしみにしてます。


滋賀京都滋賀京都大阪京都滋賀

2006-01-09 18:10:04 | Weblog
週末にEPSONのプリンター買いました。今までないのが不思議やけど…
土曜日は朝から雪が積もってて相変わらず湖西線は遅れてました。
大学図書館に本を返しがてら模写室を覗くと、卒展前だというのにあまりに学生がいない…大丈夫かなー。
夕方は芸術センターで先日観たダンスの山下残さんと柴崎友香さん(小説家)の対談を聞きにいく。
その後、大野一雄のビデオを観る。

で、昨日はフェスティバルゲートでやってる大阪babaというダンスプログラムの初日、北村成美のシゲニカルパレ-ドを観る。北村さんの踊りはタフで浪速のロックってカンジ。一楽さんのどらビデオ(ドラムで映像が変化する装置)との絡みがまた面白くて、またこの後の竹ち代毬也さんとのアフタートークとかが、ビール片手に大阪ノリが炸裂してて「あぁ、大阪帰ってきたわ」とか思いました。ちなみにさ来週は岩下徹さん、東野洋子さん等の即興セッションでこれも楽しみ。

今日は成人の日で振り袖姿が歩きまわってました。平安神宮近くの観峰美術館でパキスタンのミニアチュ-ルとカリグラフィを観る。ビデオで制作風景や作品説明なんかもあってわかりやすかった。道具やスタイルなんかをみながら、ふとインドネシアの絵画を思いました。ミニアチュ-ル一枚描くのに2~3カ月かかるらしい。関心しながらも…
イスラエル文字のカリグラフィは初めてみましたけど、書としてみれば明らかに中国や日本とは違う感覚でした。まだ西洋に近いカンジ。あと、装飾によって現実から異化させるという考えがあるようでした。
観峰美術館は書家の故・原田観峰さんの記念館に隣接してますが、ここにある硯が凄かった。ひとつは30匹ぐらい?の龍のゴツイ彫りが施された使いにくそうなバケモン硯で、もうひとつは吸い込まれるような肌触りのホウボウの巨大な硯。
そこを後にして須田剋太の小品展をみる。先に書をみてたのですが、筆致等にも共通するものありでした。
本を片手にコーヒを脇に あっという間に日は暮れゆく。

あけました☆

2006-01-03 14:01:20 | Weblog
新年あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願い申し上げます。
今年は4日から仕事なので休みは今日まで。今年はゆっくり家でゆく年くる年でした。紅白も途中からですが久々みました。小林幸子の衣装装置はなんかそろそろ違う手を考えた方がええんちゃうとか思いつつ。和田アッコの白組出場とサブちゃんの異常な紙吹雪の量はベタやけど良かったわ。
で新年は朝からゆらゆらと水筒と本を片手に鈍行で丸亀に行きました。猪熊弦一郎現代美術館に中川幸夫を見に行くためです。14時について17時半には丸亀をでなければなりませんでしたが、サイコーでした。依然庭園美術館でみた時よりぜんぜんいい!森山明子さんの本も読破したしね。
猪熊弦一郎も結構好きな私は本こそ買わねどポストカードを結構買う。
今日は恩師に挨拶へ。三ガ日って早いわー。動きっぱなし。