路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

葱植えて悔恨ななめに並びけり

2010年04月20日 | Weblog

 朝から曇り。
 もういいかげん植えものせねば、ということで葱を畑に。
 春は葱から、ではなくて本来はジャガイモからだけれど今年は逆になってしまった。これも異常気象のせいだな。
 葱の畝は深く掘らねばならないところ、浅く浅くと(結果的に)なって、ほこほこ植えて、ともかく終わりにして帰ろうか、となったところで雨ふりだす。
 以後は降ったり降らなかったり、でも最終的には、やっぱり今日は雨でした、な天気。
 ほんと、異常気象というのも飽き飽きするような天気だなあ。

 というわけで、やっぱり『虹色のトロツキー』読み出してしまう。
 まだ読み出したばっかりだけど、なんだか初見のよう。つまり読んだ記憶が断片的にしかない。で、面白い。
 以前の記憶では、なんだか竜頭蛇尾だったような記憶だけがあって、世評ほどではないような気がしたのだけれど、読み直しだすと、傑作ですね。
 ちょっと久しぶりにワクワクしながら展開が気にかかる、みたいなことになっております。なんででしょうね。前回は速読すぎたのか、こちらの知識が不十分だったのか。たぶん後者でしょうな。
 それにしても、満州、ということですなあ。
 たかだか十数年の擬似国家にこれほど濃縮された歴史の沈殿物が。たぶん日本近代史、どんな国内地方史だろうと、そこに満州の影を見落としてはいけないということでしょうね。

 と、そんなことよりオマエの人生ナントカしろよ、といった一日。

 晴れればいつでも開拓に励むのに、な日でした。



学校につづく階段散るさくら

2010年04月19日 | Weblog

 のどかな春になった日、だけれど急にそんなふうにされても体がいうこと効きませんワ、みたいな一日。
 そういえば今年は花粉症もたいしたことないよなあ、と思ったりして、このまま初夏ということになるか。

 油断してたらやっぱり草盛んに萌え出して、朝五時でじゅうぶん明るいから早起きしてくさとりでもしようか、と少しだけ思う。

 ま、そんなこんなで、(またかよ。)ともかく今日も生存だけはしてましたけどね。

 あしたは頑張ろうとは思っております。



遥かなる蠢動聞きて籠り居る

2010年04月18日 | Weblog

 ほんとうに久しぶりの穏やかな春日である。
 でも昨日の雪で地面濡れてるし、また明日あたりから寒くなるという説もあり、畑も行けないしナア、ということにして終日家居。
 ほんとはやることあるんだけどね。

 ちうわけで、日曜日、佐野眞一『甘粕正彦 乱心のコウ野』を読み続けて、ついに読了してしまった。
 さすがに面白いもんネ。
 なんてったってもうオールフルキャスト総出演だからなあ。甘粕正彦、近代最大の闇の大魔王ダネ。でも、あと百年たったら日本近代史最高の悲劇の主人公、誠実なる無私の謀略家みたいなことになってるかもしれませんなあ。
 佐野眞一あいかわらずよく歩くなあ。たぶん秘書とか子分とか弟子とか(スタッフっていうんですかね。)がいていろいろやってはくれるんだろうけど。
 次回作に誰を持ってくるのか、楽しみです。
 それにしても自身の記憶力の減退にはガクゼンとする。いろんな挿話に、あコレ知ってるもんね、とは思うけれど、その出典が全く思い出せない。昔は読んでいてコレ〇〇のパクリやん、と言い当てられたものだけれど、今はそれができない。そのようにして記憶の闇は深まるのであります。

 なんか『虹色のトロツキー』引っ張り出してきそうな予感が。
 ナンデやネン、ということですが。

 そんなことより、受験生そんなに寝るなよ、と言っておこう。

 いちおうナ。



春光の一閃里を着色す

2010年04月17日 | Weblog
朝6時前に目覚めるとマサに霏霏とした雪。
 おいおいどうなってるんだ、というのももうヤンなるカンジではあるな。
 昨日ツバメは桜と雪とがともに舞い散るのをみたそうである。なんか短編小説の末尾か演歌のサワリにいいようなイメージではある。
 7時頃には止んで、外に出ると朝日が雪に反射して目が開けてられない位の眩しさ。
 咲き出した木蓮も連翹も深い綿帽子の下である。





 4月にこんな雪とは・・・、ということだけれど、思い出してみると、ワシが小学校3年か4年のころヤッパリ4月の大雪で、鉄道が普通になって6年生の修学旅行が中止になったことがあった。あれはちょうど今頃であったなあ。

 それから空はドンドン明るくなって、昼前にはあたりをどよもす雪解けの音。まさに滝壺の中にいるごとくなる。
 かくして昼過ぎにはすっかり雪解け。なんだったんだ一体、という仕儀に。

 せっかく撮った雪の画像を複数アップしようと悪戦苦闘数時間に及ぶも結局できない。
 「1つの記事に2つ以上の画像を投稿する」という説明文を8枚もコピーして、それを見ながらやるのだけれど、どうしてもできない。なんだか不親切な説明文で、初心者かつアナログ旧人類にはさっぱりわからない。
 切ったり貼ったり、コピーやらアップロードやらナニやらかにやらして全くわからず、最終的にこのような画面に。どうしてこうなったのか、サッパリわからん。最初の1枚は真ん中にきて、あとの2枚は端っこだし、最初と2枚目の間には文章入ったけど、2枚目と3枚目はくっついてどうにもならんし。ここまでくるのに同じ画像を何度も何度もコピーやら貼り付けやらしたけど、それらは一体どこいってしまったんだろう。
 モー、こんだけのことにスゲー疲れた。

 『甘粕正彦 乱心のコウ野』読み出す。
 前作の『阿片王』はちょっと焦点が定まらないというか隘路に入りすぎ、みたいなところがあってヤヤ期待はずれだったけれど、今回は期待できそう。
 あせらず丁寧に読んでいくことにしよう。

 もうそろそろ天気も安定してくれんとナ。

 ただでさえ精神的に安定しない中年オヤジなのだから。



 

片腕をはずしたき宵川端忌

2010年04月16日 | Weblog

 というわけで、五十肩痛いわけです。右肩上がんないし、夕方になるとホント痛いし。はずせるもんならたまにははずしたい、ような。それでも水木しげる先生のような才能があれば・・・、てのは筆の滑りでしょうな、ヤッパリ。

 そういうわけですけど、もう言うのもイヤですが、寒い。力なくサムイ~。
 どうなってるんでしょうか。夕方からついにまた雪。もう3日くらい雪降るよな。それも春の淡雪とかではなくて、カンペキしっかり冬の雪。
 4月も半ば過ぎなのにね。

 冬眠鼠さんの雄姿をアップしようとしたら、本人から頑強な拒絶にあったので、かわりに誰だかわからない坊さんの像を。
 所用でお寺にいったのですね。今までそれほど気にも留めなかったけれど、お寺ってケッコウいろんなものがあるな。なんか行く度に立派になって、みんな檀徒の金だろうけどな。

 谷沢永一『えらい人はみな変わってはる』読了。
 「私はなんとかコラムニストになりたかったのである。何事も執念で願ってみるものらしい。この三十数年、私の著作はコラムで充たされている。」
 ワシもコラムニストなりたかったけどね。
 まあ、博覧強記は認めるけど、(そりゃそうだ。)コラムとしてはどうなんだ。
 やっぱり文章だなあ。この場合は文体でもいいけど。(もっとも文章と文体の違いはワシにはようワカラン。)
 これだけの内容、できれば違う人の文章で読みたかった、というのが正直な感想。例えば・・・山田風太郎、とかですかね。

 そんなわけです。
 今日ほんの少し焚火をしたら、ずーっと体から火の匂い。
 冬の匂い。

 冬だもんな。

 寒ッ。



花震え名のみの春の昏れ難し

2010年04月15日 | Weblog

 朝起きたら雪だもんな。ドーかしてるぜ。
 寒すぎ。

 なんやかや、よくわからないことばかりだな。
 今日も冬眠鼠さんは、木材の切断。ついにチェーンソーでてきちまったし。
 ワシはもっぱら横で木をおさえる係り。ずっとそうだな。
 ブエーンブエーンとスゴイ音。その音だけでワシは震えあがるけどな。ぜんぜん平気でブエーンぶえーん。

 でも寒いぞ。
 ほんとに寒いぞ。

 昨日に引き続き夕刻耕運機。
 やるたびにワシは動かし方がわからなくなる。昨日の今日なのにわからなくなる。最初から全部冬眠鼠さんにやってもらって、動くようにしてもらってからじゃないと何もできない。
 それでまた地球を裏返す。
 風がピューピュー。
 地面の下凍ってんじゃないのかと思ったけれど、地下はそれなりにホクホクしておりました。いちおうな。

 で、やっぱり寒い。
 終わってから体中カチカチになる。ストーブつけて体を解かす。

 ここ3日くらい携帯からブログへ画像を送ると「送信に失敗しました」という返信がくる。でも画像フォルダーには普通にアップされている。
 必ずそうなる。
 どういうことだ?ワシの扱い方がどこか間違っているのか。おかしいなあ。
 このまま続けてるとどうなるのだろう。
 今まで同じやり方で全く問題なかったのに。
 ほんとに機械モノは苦手である。ウーム。

 そういうことで、寒い。ひたすら、寒い。
 いつまで寒い?

 モー、やだ、寒いの。



図書館に桜の頃の憂いかな

2010年04月14日 | Weblog

 あれ、桜咲いてんじゃん。
 場所によるけど、ケッコウ満開の所も。

 でも、寒いし、風強いし。のどかな春の日ってぜんぜん無いじゃん。

 春の日らしくもない日が続くのに、なんだか春の憂愁、まあ気分なんとなく下向きで、会う人がみんなワシのことをこころよく思っていないのではないか、というようなふうに感じてしまう日。出先で事務のオネエサンがなんとなくいつもと違ってよそよそしくて、オレ嫌われてる?みたいに思ってしまう日で、いい年こいたオヤジがナニやってんだろう、な日。
 ほんとナンダカナア。

 で、時間もないし用事もないのに、図書館なんぞに寄ってしまう。
 特に借りたい本もなく、というか借りる気も湧かず、一巡して出てこようと思ったけれど、佐野真一『甘粕正彦 乱心のコウ野』(2008 新潮社)(コウは日ヘンに廣)があったので借りる。
 これ出版された時にぜひ読みたいと思っていたのだけれど、買うには高いし、図書館ではどこでも貸し出し中予約あり、でぜんぜん借りれなかったもの。だからまあ今を逃すとまた借りられなくなるかもしれないので借りるけど、今の気分で読めるだろうか。
 で、一冊借りるとナンだか一冊だけでは悪いみたいに感じて、(というふうに感じてしまう精神状態なのですが。)あと二冊ぐらい、と思いいろいろ逡巡して、谷沢永一『えらい人はみな変わってはる』(2002 新潮社)を。
 で、あと一冊がなかなか決まらず、もうイイや、ということになる。
 ナニやってんだろうね。

 夕刻から耕運機押して畑へ。
 いつもの年ならすでに蒔きもの始まってるはずが、今年は今頃土起こし。
 でもまた今年も土裏返すことのできる幸せよ。ブオンブオンとなにも考えずにただ土だけ押してると少し気分も落ち着くカンジ。われらはこうして土と生きてきたのでありましょう。
 一時間半ほど頑張って、畑の半分を黒くする。

 暮れかかった道を耕運機押して帰って来ると、風がすごくすごく冷たい。精神的にではなくて、現実にすごく寒い。
 どうなってるんだ。
 地球温暖化ではないのか。古来、冷害ってのは数多あれども、温害ってのは聞いたことないもんナ、などと考えながら帰ってくる。
 ホント、どうなんだろうね。

 「地球は冬で、暗くて寒い。」ってゆうような三好達治の詩があったよな。梶井基次郎の追悼詩。首途っての。
 なんかそんな気分。

 春なのにネ。


 

こんな日は地球に浮かぶ闇ありて

2010年04月13日 | Weblog

 ようやく本来の春らしい日になった。と思ったら明日からまた冬に逆戻りらしい。

 冬眠鼠さん本日も大活躍で、ガラス窓二枚も作る。スゲー。
 そのあと配水管も作ってくれるらしい。ほんと進む道間違えてるぜ。

 小生はといえば、なにやらかにやら、ちっとも体がピリッとしない。我が半生の怠惰を憾むのみ。少年老いやすくであるなあ。

 というわけで夜半から風が出てきた。

 もう寝ます。



うかぶのは雨の句ばかり春の暮

2010年04月12日 | Weblog

 どうしてこう雨ばかりなんだろう。
 去年の今頃は木蓮も満開で、石楠花も咲いていたし、牡丹も咲きだしていたし、桜だってほぼ満開だった。ということが去年の写メの日付でわかる。
 今年は梅だけは開いてるけど他の花はまだまだである。畑も去年の今頃はすっかり耕運機かかっていたのに、今年はとてもそこまでいかない。雨ばっかりだし、寒いし。

 井上ひさしが死んだらしい。
 晩節いろいろと批判もあるようだけれど、我々の世代では若い頃の本棚の常連のひとりであった。なにより70年代半ば以降新刊が続けざまにドンドン出て、とても遅筆堂どころのさわぎではなかった。ここ十年くらい急速に本屋の文庫棚からも消えていって、こんな存在はちょっと珍しいのではないか。
 『ブンとフン』とか『モッキンポット師の後始末』とか『青葉繁れる』とかどれもワシの中学から高校くらいにかけての新刊だから、まさにド真ん中でどれも面白かった。それ以前に『ひょっこりひょうたん島』はこれまた世代的にド真ん中で、当時テレビというものは子供が見てはいけないものだったけれど、ひょうたん島だけは例外的に親に頼んで見せてもらっていたものであった。
 80年代以降だんだんと読まなくなっていったけれど、さて考えてみると井上ひさしのベストとなるとなんなんだろうな。ワシ自身『吉里吉里人』も読んでないからなんともいえんけれど。やっぱり初期の小説と、戯曲では『イーハトーボの劇列車』だろうか。『コメの話』等の評論は吉本隆明が批判してたりしていた記憶があるけど、ワシは好きだったな。
 ま、いいけど。
 それにしても、第一報が産経だったらしいのはどういうことか。
 ま、これもどうでもいいけど。

 昨日まで「我が家の歴史」を長いこと3日も見続けてしまった。
 最初から、アレこれちょっとひどいんじゃネと思いながら結局全部見てしまったけれど、やっぱり結論としては相当にダメなんじゃねえの。なんか作者が最初から、ダメなもの書くのを楽しみますから文句言うなよ、みたいな作品でしたなあ。

 ということで、雨、止まないかなあ。



そういえば春の嵐の記憶のみ

2010年04月11日 | Weblog

 日曜日。
 朝からポツリポツリと雨。日中やや晴れ間がでるも昼下がりまた雨。結局雨。
 畑へも行けず、なにもせず。

 家中に睡眠菌散布したものがいるらしく、みんながコンコンと眠りこける。時にガーガーと眠る。なんでだろう、ひたすら眠い。ほんとに眠い。で、眠る。

 眠っちまうとナンにも記憶が無い。
 だから、ナンにも書けない。

 明日は晴れるかな。