路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

凍て道や記憶は夜の意匠にて

2011年01月07日 | Weblog

 正月はおおむね快晴だったな。

 外出すると会う人がたいがい今年初めてだから年初の挨拶になるけれど、もうオメデトウという雰囲気でもない。
 元気に散歩する老人に会って、お元気そうで、と言うと、いやいや内臓はもう全然ダメで、体の中身は殆ど無くなってるみたいな話になって、でも足腰は丈夫で、それは軍隊時代中国大陸を二往復くらいしたからで、といった展開になり、このままでは寒風の路傍で万里の長城を造ったのはオレダみたいな話を聞かされそうで早々に逃げ帰ってくる。

                     

 受験生の受験料を払いに銀行へ行く。
 しかし、最近の受験はサッパリわからんなあ。センター試験だとか一般入試だセンター併用だとか、天地神明にかけてさっぱり理解できん。入学願書というもの自体が昔とはだいぶ違って、やたらデカい国税調査書みたいなヤツである。それに受験料納入書もくっついていて、つまりは銀行窓口にそのデカいのをそのまま差し出さねばならぬ。
 で、窓口のおねえさん、(といっても30代半ばくらいか) ワシが差し出したそれらを受け取ると、いきなり立ち上がって、これは大切なものですので少しお時間を、と神妙なオモモチになり、一枚一枚丁寧に確認する。
 呼ばれて、再度窓口に行くと、ではご確認を、と祝詞をあげる神主さんみたいに願書を捧げ持ってはひとつひとつゆっくりと疎漏がないか指差し確認していき、最後に合格をお祈りしておりますと深々頭を下げて「合格鉛筆」を差し出してくれた。ワシ受験生本人じゃないんだけど。
 少し泣きそうになった。

 7日は人日。

 泣きたくなるような青空。