AfDとはAltenative fuer Deutschland(ドイツのための別の選択肢)というちょっと右翼のドイツの政党で先月のBundestag(日本の衆議院にあたる)の選挙で12.5%の得票を得て、今回初めてBundestagでかなりの数の議席(60席くらいだったか)を得た。
これは多分に中東からの多くの難民の受け入れに危機感を感じた旧東独の地方で市民の支持を得たということらしい。実際にはドレスデンのようなところでは1%かそれ以下かのくらいの難民しかいないのにそういうところでAfDが支持を得たのはちょっとおかしいねというのがドイツ人の R 氏の反応だった。旧西独の都市では5~8%くらいの外国人がいても別にAfDの支持率はそれほどではない。それが変な反応の所以である。
先日の選挙の結果について話してくれたのはドイツの駐日大使のヴェアテルン氏である。昨夜 E 大学の法文学部の会議室で100人以上の聴衆を前にして話をされた。彼はAfDが政府に入ることはまだないし、その支持者だって別に全員がネオナチという訳ではないと言いきられた。
AfDが議会に議席を得た意味はドイツの政治に対する警告ぐらいの意味はあろうか。逆に言うと87.5%は通常の感覚の持ち主のドイツ国民であるという。
ドイツはナチスが政権をとる前のワイマール憲法の時代に小党分裂して、それがナチスの勃興を助けたという苦い経験から、得票数が5%を越えないと議会に議席を獲得できないという5%条項というのがある。はじめ緑の党などもこの5%条項にひかかって議席を獲得できない時期が続いたが、いまでは議席を得ている。AfDも同様であった。
それにしても若い高校生と思われる人も数人見かけるという盛況ぶりの講演会であった。主催の愛媛日独協会の関係者は大喜びであった。