とはパ・ド・シャンスと発音する。本当はJe n'ai pas de chance. (ジュ ネパ ド シャンス)というのが省略しない言い方であるが、pas de chanceだけでもよく使われる。「ついていない」という意味のフランス語である(注)。
これはドイツ語でどういうかと言われるとPechとでもいうのだろうか。Pech(ペッヒ)はよくおぼえていないが、多分ピッチ(タール)であったとおもう。タールにはまると身動きがつかないことから、不運のことを言うようになったと思う。逆に幸運のときにはgl"uck(グリュック)という。
フランス語のpas de chanceにかえると、これが「幸運だ」というときにはJ'ai de la chance. という。chanceの前のde laは部分冠詞と言われるものである。部分冠詞や不定冠詞が否定文では否定冠詞のdeになるというのが細かなフランス語文法であったと思う。
パンはdu pain(デュ パン)とか、肉だったらde la viande(ド ラ ヴィアンド)とかduとかde laの部分冠詞をつかう。これは一つ、二つと数えられないものを部分冠詞をつけて表すのが普通である。そういうモノの考えの延長として、幸運とかもあり、de la chanceと幸運も部分冠詞をつけて表す。
フランス語では冠詞としては不定冠詞、定冠詞、部分冠詞の三つがある。ドイツ語ならばフランス語と違って、部分冠詞はないが、kein(カイン)というような否定冠詞がある。
(注:なぜこんな言葉を思い出したかというともうちょっとで交差点を抜けられそうだったのにタッチの差で交差点を2回続けて抜けられなかったので、思い出した)