物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

テンソルの表示の仕方2

2008-02-05 12:30:21 | 数学

11月28日に「テンソルの表示の仕方」という標題でブログを書いた。曰く

”テンソルを文字の右肩とか右脚下に付けたいわゆる添字で表すことは一般に知られているが、この添字にプライムがつくのは本当にいいのだろうかと疑問に思っていくつかの書籍を調べた。 

添字にプライムをつけるのは数式の標記上は面倒なのでどうかとは思うが,この添字にプライムをつけたことが変数が違っていることを表しているのならば仕方がないが、表記法としては気に入らない。”

このことについて今朝起きてから須藤靖さんの「一般相対論」を何気なく開いて読んでいたら、このことについて触れていた。おかしな記号であるが、これが便利であることが実感できるようになるとあった。これはもちろん成分の変数または基底ベクトルにプライムをつけることの略記法とあった。

ホーイラーたちのいわゆる「電話帳」Gravitationにはこの表記が使われている。そして須藤さんはこの本の影響を深くうけていると文献紹介で書いているから、このことがGravitationには書かれているのかもしれない。

確かに添え字にプライムをつけると添字の文字の種類を増やさなくてすむ。しかし、記号については内山とか矢野健太郎とかはその事情を書いてはいない。また須藤さんの本では共変微分のことも微分におけるchain rule に則った自然な拡張であると言っている。