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地域に溶け込む川崎フロンターレ94

2020-08-16 00:01:16 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 前からキープしていた川崎さんネタですが、長文のためになかなか記事にできませんでした。先週一度できたのですが、消してしまってガックシ。今回万全を期して記事にできました。いやはや川崎さんはすごいですね。今季は特に向かうところ敵なしの勢い。そうでありながら、貢献活動もしっかりできている。
 今回のコラム主催者のRashiiは企業のパーパスに着目し、「パーパスブランディング」に関する情報やソリューションの提供、人の交流、新たな価値創出をサポートするプラットフォームを目指すグループ(?)。パーパスとは「何のために存在し、社会に何を提供するのか」という、近年、注目され始めている企業やブランドの存在意義。今回の登場人物はJ1川崎の集客プロモーショングループの井川氏。
     
【どうしてサッカークラブがそこまでやるの?】
〔VOL.01「サッカークラブらしくない」クラブをつくった共通の夢。〕
「川崎フロンターレというコミュニティから生まれる多彩な価値の提供により、Jリーグが調査したスタジアム観戦者調査において「ホームタウンで大きな貢献をしているクラブ」として9年連続1位になっています。本業のサッカーで優勝、売上50億円突破と経済価値を高めながら、多様な社会価値を生み出しています。」
「(クラブ全体での実行力、細部にまでこだわった仮装の完成度)。こうした企画を数々実現させている背景には、スポーツチームが中々定着しなかった「川崎」という町を拠点に、人気がなかった時期から試行錯誤してきた人たちの共通の夢がありました。」
「初めてJ1に昇格しながら1年でJ2に降格してしまった2001年当時のこと。等々力陸上競技場の年間入場者数は3,784人と前年の約半分に減り、J2リーグに参入した1999年よりも少なくなるという厳しい現実に直面します。当時、「富士通の企業チーム」だという認識が強かった地元川崎の人たちに応援してもらうために「川崎フロンターレとは」、「川崎フロンターレはどうあるべきか」について、クラブは自分たちを見つめ直したそうです。当時クラブ一丸で考え、たどり着いた「川崎フロンターレを通して地元川崎を元気にする」というパーパス=存在意義が、今の川崎フロンターレにつながっています。」
〔強化と事業は、両輪でやっていく。〕
「川崎フロンターレの場合は、「強化=勝つこと」と「事業=プロモーション、地域貢献」は両輪でやっていく、という考えがクラブ内で共有されていると言います。日本代表経験者を有し戦力的にもトップクラスですが、それでも勝つこと「だけ」が提供価値ではないと認識し、企業や行政とコラボレーションしながら多様な価値を提供することに川崎フロンターレらしさが凝縮されています。実際にJリーグが公表している「スタジアム観戦者調査2017サマリーレポート」でも、直近の3年間での川崎フロンターレの観戦者の新規参入層構成比は21.8%とJ1トップの数字。「強化」と「事業」の両輪でやってきた成果が、着実に表れています。」

 今でこそ飛ぶ鳥を落とす勢いの川崎さんですが、2001年に一度挫折を味わっているのですね。来場者数が4千人足らずって、今のJ2だったらJ3から上がってきたばかりのクラブみたいですね。観客数が少ない挫折を経験しているから今の栄光へ成長できたのかもしれません。逆の例えでスタジアムの立地環境で恵まれている等で来場者数で挫折を経験していないところがあれば、未来が無いかもしれませんね。今でこそ華やかなJ1クラブですが、実は下積み生活で苦労されていた訳ですね。そういうところは強い。読者の皆さんの地元クラブで、そういう苦労をしていない「甘ちゃん」はいないですか?
   
〔VOL.02「おもしろいかどうか」その裏側に隠された想い。〕
「プレー以外で提供できる価値を選手自身も理解し、協賛する企業へのインパクトにつなげています。「川崎フロンターレはおもしろいことをするクラブ」という独自性を、川崎フロンターレに関わる人たちが一緒になってつくりあげていることがわかります。」
「「クラブとして企画をやる時は『話題性』、『地域性』、『社会性』があるものにしたいんです。なるべく、この3つが揃っているのがベストです。3つ揃わない時もありますが、サッカークラブが何でこんなことをやっているの?と多くの人に興味を持ってもらう可能性を少しでも高めるためです」(井川さん)
 1つ目の『話題性』。スポーツに限らず日本中に数多存在するコンテンツの中から「川崎フロンターレ」を選んでもらうために、話題性のある企画の実施とSNSの活用で「サッカー」という枠の中だけではない幅広い露出を狙っています。」
「旬のテーマに目をつけ企画を実現させるフットワークの軽さと実行力。ファン・サポーターはもちろん、地域の人や企業からも「川崎フロンターレは、次はどんなおもしろいことをしてくるんだろう?」という期待が、常にクラブに寄せられるサイクルが生まれています。そして、コラボレーション企業にもしっかりとインパクトを残すWIN-WINの関係が築かれています。」
〔「川崎のために」という、想いでつながっている。〕
「2つ目の『地域性』。企画に地域性を持たせることで、「川崎だから」、「地元だから」とファン・サポーターはもちろん、サッカーに興味のない地元の人たちの関心も集めることができます。」
「実際に「この町を元気にしたい」、「川崎の魅力を発信したい」という声は、地元の人たちや行政からもあがっていたそうです。その想いは、サポーターにとってのパーパスとも言えるかもしれません。サポーター有志の方たちにはクラブへの想いはもちろん「川崎のために」という共通の想いがあるため、試合日以外の集客の手伝いや企画実現への協力を惜しまないそうです。」
「「自分たちが川崎を良くしていく」と志を持つ人たちの川崎フロンターレを通した共創、幸せな関係はこの先も長く深く続いていくのだと思います。」
〔サッカークラブが考える社会価値とは。〕
「3つ目の『社会性』。元々、Jリーグの理念として「地域密着」が掲げられていますが、川崎フロンターレはスポーツの力、サッカーの力で、地域の活力になる社会的活動をいくつも実施しています。」
「社会性は、川崎フロンターレに関わる人たちに共通したマインドです。2011年に発生した東日本大震災に対し、クラブは独自の被災地復興支援活動として『Mind-1ニッポンプロジェクト』を立ち上げます。一過性の活動ではなく継続した支援を行うためにクラブ、選手会、後援会、サポーター、川崎市とで委員会をつくり、数々のサポートを実施してきました。」
「「支援はブームじゃない」を合言葉に、続けてきた『Mind-1ニッポンプロジェクト』。今も変わらない想い、熱量で行動する人たち。川崎フロンターレに関わる人たちが築いたコミュニティから生まれるものには、人を「巻き込む力」と「広げていく力」があります。」

 出ましたね、地域性と社会性。よその事例で、話題性はいくらかあっても、自分たちが地域を良くしていくという思いは無いんだろなと首をかしげるシーンがあります。ここで出てくるのが「パーパス」というキーワード。あと、最近ではシャレン等で「共創」という言葉を見かける事が多くなってきました。社会性は過去の記事に書いてきたとおり。何を言いたいか読者の方はご存じだと思うので省略。最近では山雅さんがその域に近づいてきた感があります。

〔VOL.03 世界にも誇れる、スタジアムの空気。〕
「川崎フロンターレのコミュニティには、特有の温かさがあると筆者は感じます。それは、陸前高田との交流、試合前のお祭りのようなにぎやかな雰囲気もそうですが、ゲーム中のスタジアムの空気に特にあらわれています。等々力陸上競技場では試合で劣勢の時も、負けても、自分たちの代表である選手に対するブーイングは起こりません。そんな時こそ、チャントで、声援で選手たちの後押しをする姿が印象的です。」
「誰もが安心して安全に観戦できる環境は、Jリーグが世界に誇れるものの一つです。それはオーガナイズされたリーグの運営とコミュニティを形成する人たちの想いがつくりあげたJリーグ、そして川崎フロンターレならではの強みです。日本独自のクラブのあり方を提示しながら、「町を元気にするコミュニティ」を着実に強く、広げることに成功しています。」
〔予算がないからこそ、人は成長する。〕
「「低予算」の中でいかにインパクトを生み出すか。そこは、実行スピード、人を巻き込む力が重要になると言います。一人二役どころか何役なのかと思わせるほど、様々な場面で井川さんを含めスタッフの方々が躍動されていました。ただこれもクラブ全体で、境界をどんどん超えながら動くことが当たり前なのだと言います。」
「中でも大きなメリットは、「サポーターと一緒に自分たちで考え企画し続けるからこそ、アイデアの良し悪しの判断がつくようになることだ」と言います。川崎フロンターレらしい尖ったアイデアは、自分たちの強みを掘り下げ、考え続ける中でしか生まれません。」
「「低予算」で実行するには多くの人に協力してもらわないと成り立ちません。地元の人やその道のプロの人たちを巻き込んで、味方になってもらわなければいけない。「好きだからやる」という人を増やし続け、地元に輪をどんどん広げることが必要になります。そうすることで、一見サッカーとは遠い業種の人たちとも関係性を築けることにつながったと言います。」
「「低予算だから手弁当なんだろう」というのは、ある一面からの見え方に過ぎないと感じます。協力を惜しまない「仲間」たちには、「自分たちがこのクラブを支えている」という手ざわり、手ごたえがある。だから満足感にあふれ、それが幸福度の向上につながり、その人たちがさらに周囲の人たちを巻き込んでいく。共創する「仲間」がどんどん増えることで、独自の世界観はさらに濃く、多くの人が関わるコミュニティになっています。「低予算」という言い訳をしたくなる状況が、逆に「考えぬく力」、「巻き込む力」、「広げる力」を強くしていているのではないでしょうか。」
〔クラブは、家族みたいなもの。〕
「強いから応援するのではなく、自分たちの代表だから応援する。たくさんの人が応援してくれるのなら、クラブは強くなければならないという順序の考え方。」
「全体の目的が勝つこと「だけ」になってしまうと、あらゆることが成績に左右されてしまいます。不確定要素のあるスポーツ、サッカーであればなおさらです。だからこそ、川崎フロンターレは「強化」と「事業」が両輪なのです。勝つことだけではなく、愛される存在であり続けられるか。コミュニティが発展するために大切な考え方です。」
「何のために存在するのか」、そのパーパスが共感を集め、多様な人が関わり、それぞれが自分ゴト化し、価値を高める活動をしてくれる。そして独自の文化が形成され、エンパワーメントするコミュニティになる。」

 企画をオープンにして、ファン・サポーターと協働できるかどうかが、付加価値の高低だと思っています。高いところはサポカンなど対話を熱心にされています。山雅さんはこの前オンラインでサポカンされていますから。サポカンから逃げているところがあれば、未来はしんどいと思います。
 強化と事業が両輪とあります。金儲けばかり、数字ばかり追うだけではパーパスが存在しないでしょう。「自分ゴト化」いいですね。モノ・カネしか目につかないところもあれば、川崎さんのようにヒト・コトがはっきり見えるところと違いが大きいです。川崎さんは以前の記事で紹介したように、20日が非日常。残り345日は日常生活にどう食い込むかを考えている。素晴らしいですね。
   
〔VOL.04 みんなで、乗り越えていく。〕
「新たな課題が生まれていると言います。優勝やプロモーションの効果もあり、チケットの入手が難しくなっているそうです。スタジアムで応援したいのに、チケットが買えず試合を見られない方に対して、どうケアするのか。どうやってつながりを持ち続けるのか。クラブが人気になったからこその新たな課題です。」
〔生きているうちに、できるか。〕
「生きているうちにできるかな」井川さんに川崎フロンターレのこれからを尋ねた際にこぼれた想い。クラブが誕生し、自身も20年ともに走り続け、その間クラブは着実に拡大してきました。それでも、川崎に住むすべての人が「川崎はいいな」と思える町にすること、川崎フロンターレを町の文化として根付かせることに挑んでいく、という井川さんの志、パーパスが見えました。この志を実現するためには、クラブが愛され永くあり続ける必要があります。そのためには、経営面でも持続的に収入を拡大し、チームや選手に投資し、クラブの強みを拡大させるサイクルをつくらなければなりません。」
「今回の取材で、「一緒に」、「みんなで」という言葉を、井川さんからもサポーターからも、何度も聞きました。クラブとサポーター、パートナー企業・自治体、すべてのステークホルダーが共創して、川崎の価値を高めている。当事者として、仲間として。その良好な関係性の真ん中にはいつも川崎フロンターレがあります。独自のつながりが、川崎フロンターレならではの「八方よし」を実現しています。」
引用:Rashii
 
 語る会メンバーで川崎サポの平女史が時々言っています。等々力の席数よりファンクラブ会員数の方が多いから、全員座れない。だから試合に勝つより席に当たる方がうれしいと聞いた覚えがあります。地元岡山でCスタで言うと2万人の会員か・・・実際は今何人登録されているんだろか。確か地元岡山は余り個人会員に目を向けていないから少ないと、どこかで聞いた記憶があるが本当なのか。どなたか教えてください。そんな川崎さんはうれしい悲鳴ですね。
 川崎フロンターレの八方よしは次の8つです。①サポーター、②選手・スタッフ、③株主、④パートナー企業、⑤Jリーグ、⑥コミュニティ、⑦行政、⑧地域です。このフレーズはすごいと思います。当ブログで口にするのは三位一体(①市民、②行政、③企業)で大分さんの使っているフレーズですが、それを大きく上回る価値観。特に③の株主ですが、株主名簿(別に持株会もあるし)を公開されている川崎さんだから口にできる事。例えばオーナーが過半数の株を持つ個人商店状態、設立当初の数名の生え抜き役員がそのまま長年株主を務めて、最近になって少しスポンサーを加えたくらいで名簿は非公開、というような事例のところからは出てこない価値観です。あと、Jリーグやコミュニティというキーワードも川崎さん以外だったら出てこないでしょう。それくらい川崎さんは優れているという事か。異次元のJクラブ、これからも進化し続けていって欲しいです。
J1川崎関連:96959493929190898887868584838281807978777675747372717069686766656463626160595857565554535251504948474645444342414039383736353433323130292827262524232221
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