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地域に溶け込む川崎フロンターレ24 【J特】

2011-11-14 00:12:51 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 昨日夜、いつものように「FOOT×BRAIN」を観ましたが、何とJ1川崎の話でバナナ本の作者の社員さん登場。慌てて録画ボタンを押しました。いやぁ、面白かったなぁ。いつもは、サッカーとちょっと違う話じゃない?と思われる内容も時々ありましたが、昨日はガチで多くの人に観て欲しかった内容です。特に地域貢献活動や選手による社会貢献活動に消極的なクラブさんに。以下、内容を抜粋して紹介。

 大きなテーマは「地域密着で黒字経営」
 J1川崎プロモーション部の天野部長登場。海外留学経験を生かし、仕掛け人として、日本のチームが今までやった事のないプロモーションを次々と実行。クラブを地域に密着させるために奔走し、様々な企画を実現、その斬新な企画は話題を呼び、本にもまとめられた。その企画を実行したとして中村憲剛選手と、川崎OBでサンモニでお馴染みの中西哲生氏も登場。J1川崎に学ぶ「地域密着の極意」とは?と続く。

 まずは「プロモーション部」って?という質問から。一言で言うとサッカークラブを地域に根付かせて、街の人やファン・サポーターに笑顔を作っていく最前線部隊。部ができたのは、クラブができた時から。中西氏も選手時代('97年~'00年)によくプロモーションに参加されたとか。
 中西氏が振り返る。「フロンターレって何?」と言われていた時代だったと。今ではどこでも一般的になったポスターローラー作戦をやり、ビールケースを台にして立って、イベントをしたりしていたとか。誰も来ないので、拡声器で叫んでいたとか。すごい下積み時代ですね。当時は観客が3千人入ったら「やったぁ」と大喜びしていたとか。そういう時代だったので、とにかく人に知ってもらいたいという事で、天野部長と2人でいろんな所に行っていたとか。2人は、他のクラブはそこまではやっていないと思うし、とにかく川崎は変わった事をいっぱいやっているという認識でした。
        
 ここで、天野部長と中村選手の各項目の自己評価でのレーダーチャートが出る。2人が共通して満点を書いているのが、「サポーターの熱さ」「地域密着度」の2つ。「選手とサポーターが近い」「負けてもブーイングしない。ブーイングしない事はいい事だと思う」「強いだけじゃダメだとクラブが考えている。いろんな人に愛されるように。特に地元の人に」とサポーターのコメント。
 番組Facebookの意見は「毎試合イベントが多彩」「地域との一体感・ファミリー感覚」「サポーターがブーイングしない」と。
    
「川崎フロンターレ方式成功の理由」
 ホーム・等々力競技場の隣接する公園に行くと驚きの光景がある。フロンパーク。相撲部屋の力士がちゃんこを売っている「春日山部屋 川崎塩ちゃんこ」、じゃんけんに勝つとバナナがもらえる「Doleランド」など、サッカーの試合会場というよりまるでテーマパーク。この盛況の裏には巧みな作戦がある。
 ホームタウンの川崎市は、昔からプロスポーツチームが根付きにくい街と言われてきた。大洋ホエールズ、ロッテオリオンズ、ヴェルディ川崎の3チームが他の都市へ移転していった。そんな街でフロンターレの挑戦が始まったと。
 市民の心をわしづかみした秘密兵器が並ぶ。フロンターレ「プロモーション作戦」として、バナナ、力士浴衣、風呂おけ、計算ドリル、紙芝居、バナナ本の6つが並ぶ。サッカーと関係ないものです。
    
①算数ドリル <子どもたちの注目を集める>
 稲本選手は移籍してきた初日に写真撮影だったとか。しかもママチャリ(笑)。「移籍する前から代理人から川崎はそういうクラブで、いろいろな事をやるチームだっていう事を聞いていたので、協力する姿勢でいたが、初日にやるとは思っていなかったので、多少ビックリした」と稲本選手のコメント(笑)。
 プロモーションに選手の協力は欠かせないという事だが、なぜサッカーチームが算数ドリルを作るのか。
天野部長
 「ファン・サポーターはスタジアムで選手を知るが、それ以外の市民は興味がなかったら接点が持てない。教育の分野でも貢献できる分野がある。こういうドリルを作れば、多くの子ども達・特に女の子が興味を持つのでないか」
 
「普段サッカーを見ない子ども達にもフロンターレをアピール」として、選手が学校を訪れて、子ども達と一緒に問題を解く実践授業を実施。女子児童の「チームはあんまり知らないけど、活躍しているのは知っている。(カードをもらって)楽しかったので、少しファンになる気持ちになってきた」というコメントが印象的。

②川崎応援バナナ <主婦の注目を集める>
 スーパーでフロンターレの物を、普段サッカーと接点がない主婦に手に取ってもらえる。「応援バナナ」として、川崎市内のスーパーで1袋198円で販売。試合会場でも販売され、なぜか毎回長蛇の列。選手達の体を張った協力があったからこそ。3人の新加入選手がバナナマンの被り物をしたポスターが登場。あれは慎吾君のCMが有名ですが、同じ格好です(笑)。
     
③春日山部屋コラボ浴衣&フロリン桶!?

 力士が着ると効果は絶大と、フロンターレカラーの浴衣を着た力士達が試合で、選手とハイタッチする映像。地元の浴場組合とコラボして「いっしょにおフロんたーれ」というポスターを作り、「みんなで銭湯にいこう!」というキャンペーン。ケロリン桶ならぬフロリン桶登場。選手が一緒にお風呂に入り、背中を流す。まさに体を張って下町の人情に訴えかける作戦。
 当の小宮山選手は「キツいっす。ここのスタッフ、いつも押してくるんで、断れないです。だんだん楽しくなってきちゃうし。反響はありましたね。子ども達からサッカーのプレーっていうよりも『おフロんたーれの人だ』とか」と。
 憲剛選手
「最初はマジか?って。ホントにこれやるんすか?みたいな。いつの間にか天野部長に引き込まれて、みんな楽しくなってバナナ(コスプレ)をかぶっちゃう。ホントにやるんすよ。不思議なんですけど、それは天野部長がフロンターレや川崎市を愛しているから、そういう気持ちが話をしていて伝わってくるから。選手もすごくわかるし、そういうのが上手というよりは『無神経』(笑)なんだと思う。結構断っている場面を見たりもするが、結局最後はやっている。天野部長は全然引かないです」
④フロンターレ絵本
 憲剛選手が「フロンタくんとワルンタくんの闘将カーン」の紙芝居を実演。えらい読むのが上手いすぎ! 相当回数をこなしている感じ。プロに入ってサッカーだけやってればいいと思っていたが、入団して天野部長と話をして、こういうチームもあるんだと思ったとか。
     
 多摩川エコラシコなど、川崎の選手は様々なプロモーションに積極的に参加している事例を紹介。「なぜサッカーチームがここまでやるのか」。
 「実力=人気ではない」
 クラブというのは強化と事業という車輪がある。選手が頑張って試合で結果を出しても、それがイコール人気には、愛されるという事にはつながらない。ただ、勝つ負けるというそこだけの切り口だけで、地域に対してアプローチをかけても、ある一定の人にしか届かない。我々は全市民の人、川崎フロンターレを愛している人に対してアプローチをかけるという事が大事。
 お客さんの反応は、まず「え?」が第一に来る。「なぜ?」「は?」という反応が出ればしめたもの。仕掛けている事は悪ふざけではなく、すべて意味がある。
中西氏
「川崎の街には(自販機やコンビニなど)どこへ行ってもフロンターレがあるんで、自分も驚く」
天野部長
「正直、結びつかないものはない。何か糸口があれば、そこから結び付けてやろうと思っている。それが結構今の形になっている」

 サッカーチームはどう生き残っていけばいいのか、川崎が選んだのは地域密着。チームが市民に愛されるには、まずはチームが市民を愛する。地域にチームを密着させ、共に豊かで幸せになる。そのためには何でもやる。徹底した市民サービスの背景にはそんな思いがあった。
 ここだけはよそのクラブに負けない点=フロンターレならではの個性とは。そこに日本サッカーが強くするヒントがある。
天野部長
「あたたかさ。よくファミリーという表現があるが、つながりである。悔しい時はともに悔しがり、泣いて、勝った時には喜んで、という『あたたかさ』というのが川崎フロンターレの源になっていると思う」
 一緒にゴミを拾って、ポスターを観てあの選手が今ここでやってると思えば、応援にも熱が入る。最期に2人の声。
 
 憲剛選手
「サッカーだけだったら、スタンドとピッチだけの関係。一緒に話ながらゴミを拾っていると、すごく身近に感じてもらえるし、逆にサポーターの人に対して身近に感じる事ができる。自分達選手もすごくそういう部分を大事にしないといけない時間だと思っている。

「他にクラブはもっと地域密着できるヒント」
 中西氏
「クラブと街が一体化する事。それによって『応援しようよ』とみんな思うし、選手も『街のために』と思う密着化する関係ができれば、日本のサッカーも強くなってくると思う。志を高くやっていくべき」

 '99年に川崎がJリーグに加盟した当時、千人にも満たなかった観客は今では2万人を超える。まさに「川崎の奇跡」。地域との絆を強めれば、やがて日本が強くなる。フロンターレの試みはまだまだ続くと締めくくられました。面白かったですね。

 他のクラブの方にも読んで欲しいと思いましたし、視察はこういうクラブに行くべきと思いました。選手による社会貢献活動に後ろ向きなクラブもあるかと思いますが、これを読んでどう思うのだろかと思ってみたり。かくいう自分も今度の視察見学先(レッズランド、平塚ビーチパーク、マリノスタウンに続いて)は、川崎さんの試合と商店街かなと思っています。たぶん学生時代に川崎にいたとか、転勤で川崎支店に赴任していたら、絶対に「川崎」にはまって青くなっていた事でしょう。なっていたら楽しかっただろなと。
 「愛されるクラブ」という言葉をどこかで聞いた事がありますが、レベルが違う話であり、動員数という表面だけの形と、こちらのように中身を伴った形とは全く違うと思ってみたり。川崎市民は幸せですね。あーうらやましい。(具体的にこの記事を読んで欲しい顔がいくつも浮かんじゃいました) 川崎さんもまた、Jリーグ百年構想の優等生だし、絶対に百年続くクラブでしょう。
 
 話は変わり、今日某所でファジアーノアウェー試合を中継観戦しました。その模様は明日。

コメント (4)
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