リスペクト(事例紹介)コラムです。
少し前の話題になってしまいましたが、まだまだホットな話題だと思います。昨日もTVのどこかの局で憲剛選手特集をやっていました。憲剛選手の入団当初はJ2だったのですね。改めて川崎さん逆転優勝おめでとうございます。とにかくあの日のどの試合も涙を流す選手が多かったのが印象的でした。川崎さんは、湘南さんと並んで当ブログで最も評価しているJクラブ。一ファンとして川崎さんに関わったすべての皆様を祝福いたします。川崎さんの優勝からセレモニーのシーンを観ていると、あくまで個人的主観ですが、一番地域に根ざし、一番ファン・サポーターと距離感が近く、一番幸せなJクラブかもしれないと思いました。疑問を感じた人がいたら、試しにその一連のシーンを観て下さい。某黄色いチームは置いておいて、今までで一番感動した優勝シーンでしたね。あれからいろいろと川崎さんのJ1絡みのニュースが流れました。当ブログでも優勝時の模様を一度記事でアップしています。では、順番に見ていきましょう。
【昨季と異なる“強さ”を示した川崎…転換点となった夜、指揮官が発したある一言とは】
「今シーズンから指揮を執る鬼木達監督に率いられる川崎フロンターレには、閉塞感に近い雰囲気が漂っていた。」
「理由は何だったのか。それは風間八宏前監督(現名古屋グランパス監督)の下、約4年半に渡って突き詰めてきたパスサッカーが、ややピンボケ状態になりかけていたからに他ならない。」
「清水エスパルスとの第8節。ホームの等々力陸上競技場のロッカールームに、前日に43歳になった鬼木監督の声が響いた。『やっぱり、オレたちはボールを握ってナンボだろう』 握るとは、要はボールを保持し続けること。鬼木監督のこの一言を受けて臨んだ清水戦が、12月2日の最終節で鹿島アントラーズに勝ち点72で追いつき、得失点差で逆転して悲願でもある初タイトルをJ1制覇という形で手にした。今シーズンにおけるターニングポイントとして中村は位置づけている。」
〔就任1年目で初タイトル、初志を貫徹した鬼木達監督〕
「一度身につけた技術は落ちないことを前提に、鬼木監督が新たにチームへ浸透させたのは守備に対する意識だった。攻撃から守備、守備から攻撃を素早く切り替え、球際では激しく、かつ泥臭く挑む。市立船橋高校からJリーグが産声をあげた1993シーズンに鹿島へ加入した鬼木監督は、常勝軍団の礎を築いた神様ジーコの薫陶を直接受けた。
攻撃で圧倒することを目指した風間前監督体制から、守備でも圧倒していくために。鬼木監督はこんな指針を伝えてシーズンに入っている。『勝利への執着心と結束力を大事にしよう、と。攻撃的に行きたい、という思いを抱いて今年のメンバーが集まってくれたと思うけど、守る時にはしっかりと守れる、という部分も武器にしていきたい』」
「大敗を喫した7月29日の磐田戦を最後に、川崎はJ1戦線で11勝4分けと不敗のままフィニッシュした。最終的にマークした総得点71はリーグ最多、3番目に少ない総失点32は実はクラブ歴代における最少記録となる。攻守が究極のハーモニーを奏でるに至った原点をさかのぼっていくと、おのずと4月21日の夜に指揮官が発した一言に行き着く。」
引用:サッカーキング
そうですか、風間前監督の戦術からの進化を図ったのですね。攻撃型から守備型へ、鹿島さんのスタイルを一部踏襲した訳ですね。確かに鹿島さんは試合の序盤は相手の攻めを受け止めて、そこから「攻めどころ」を見極めて突いてくる戦い方であると、岩政選手のブログにも書いていましたね。上のコラムを読むと、そのポゼッションサッカーのスタイルが、某黄色いチームに似てるなとも思いました。終盤の川崎対柏戦で、最後の最後に川崎さんに追いつかれましたが、あの時勝ちきれていれば、今年の川崎の立ち位置にいたのではないかとも思っています。
【鹿島、“10.3億円を失った”V逸…川崎Fの優勝賞金総額は18.5億円】
優勝した川崎Fには、今季のリーグ優勝で総額18億5000万円が渡ることが決定。内訳は優勝賞金が3億円、そして理念強化配分金が翌年以降の支払いとなるが、18年に10億円、19年に4億円、20年に1.5億円が支払われることが決まった。このほか、J1クラブに均等配分される3億5000万円もあり、川崎Fは総額22億円を受け取る。
2位の鹿島には賞金1億2000万円、そして理念強化配分金が18年に4億円、19年に2億円、20年に1億円で総額8億2000万円が支払われる。総額差は10億3000万円。大きな差を生むV逸劇となってしまった。
昨年度、年間優勝した鹿島が受け取った賞金は総額1億8500万円(年間総合優勝1億円、第1ステージ優勝5000万円、年間勝ち点3位2000万円、CS準決勝勝利1500万円)だった。優勝目前だった経緯もあり、鹿島にとってはショックを倍増させる結果になった。」
引用:ゲキサカら
鹿島さんは準優勝止まりで10.3億円を失ったという事ですが、結構大きな差ですね。このコラムに2016年の営業収益ランクが載っていました。1位の浦和さんは約66億、2位の鹿島さんは約56億に対して、優勝した川崎さんは7位の約42億。例えば今回の賞金を上乗せしてみると・・・川崎さんは64億、浦和さんはそのままの66億、鹿島さんは66億と見事に3クラブが並び、川崎さんは一気に日本最大のビッグクラブになった訳です。もし、鹿島さんが優勝していたら78億で、頭一つ抜けていたのですが、このコラムの「V逸」の代償は大きかったかも。
Jリーグ側は浦和さんや鹿島さんにもらってもらって、日本を代表するビッグクラブになって、アジアの盟主になって欲しいと思っていたはずですが、思い通りにいかないのがサッカーです。当ブログは申し訳ないですが、20冠目の鹿島さんより、川崎さんが優勝してもらって本当に良かったと思っています。最後の方で対戦した浦和さんやガンバさんも「川崎の方がいいんじゃない」という心理が働いていたりしてと、勝手な妄想を想うくらいに。
【「エンタメ性」を重視する川崎の初戴冠が投じた一石。12月2日はJリーグの歴史的転換点に?】
〔表彰セレモニーで使った風呂桶は、公式グッズとして発売されることになった。〕
「記念すべき初戴冠の表彰セレモニーで、川崎フロンターレは「らしさ」を見せた。風呂桶はしっかりと公式グッズとして発売されることになった。そんな川崎はピッチ外でのイベントを数多く行なうことで知られている。名の通ったベテラン選手や女性サポーターを引きつけるイケメン選手でもお構いなしにバナナをかぶらせ、地域貢献活動として多摩川の清掃活動を行い、岩手県にある陸前高田市を訪れての復興支援活動をコンスタントに行ってきた。
ファンサービスについては、過密日程や選手個々のコンディション、天候に問題がなければ基本的に毎日実施。練習取材も基本的にフルオープンで、麻生では非公開練習は一切行われず、取材陣の取材も基本的に制限されることはない。サポーターもとことん優しく、長年応援を続けてきたいわゆるコアなサポーターはどれだけ不甲斐ない試合で負けたとしても、決してブーイングをしない。」
「勝利至上主義のチームであれば、地域貢献活動のすべては「勝利のために」というスローガンによって不要なものとして切り捨てられかねない。同様に数年先を見越したチーム強化策も目先の勝利を重視するサポーターのブーイングによって、単調なサッカーに置き換えられかねなかった。だが、川崎はそうではなかった。
「もし勝利至上主義のサポーターが主流派を占めていたら、鬼木監督が引き継ぎ実現させた攻撃的なスタイルのサッカーは日の目を見ていなかったかもしれない。」
〔中村憲剛は言う。「エンタメ要素が盛りだくさんなチームが優勝するというのは…」〕
「攻撃的サッカーを追求するピッチ内の継続性はもちろん、サポーターを引きつけるピッチ外のエンターテイメント性の追求もそう。直接的に結果に繋がらなさそうな活動にも力を入れることで、遠回りではあったとしても数多くのサポーターを獲得した川崎が、彼らの声援を受けてリーグ制覇にまでたどり着いた。そんな川崎の優勝について中村憲剛は「エンタメ要素が盛りだくさんなチームが優勝するというのはまた一つ新たな歴史を作れたと思います」と胸を張った。ピッチ内外でエンターテイメント性を追求する川崎の初戴冠は、Jリーグや他クラブの価値観に小さくない影響を与えるだろう。」
引用:サッカーダイジェスト
上の記事にサラッと地域貢献うんぬんが書かれていますが、それがどれくらい付加価値が高いのかを当ブログは知っています。東日本大震災から6年経っても継続事業として変わらず陸前高田市で復興支援活動されている姿は頭が下がります。毎日のファンサ、練習取材もフルオープン、非公開練習は無しという開放的な姿勢ですね。ブーイングをしないサポーターも、そういうクラブカラーに染まった流れなのか。
「勝利至上主義のチームであれば、地域貢献活動のすべては『勝利のために』というスローガンによって不要なものとして切り捨てられかねない」という文言は、どこかのかつての№3がいた時代を思い出します。少しましになったが、まだまだとも。ファン・サポーターと近い距離感が遠回りでもファン・サポーターの数を獲得したとありますが、来場者数が頭打ちで苦悩しているところは参考にされてはいかがかと。その距離感の近さはサポカンやキックオフイベント(記者会見ではありません)なども含まれると思います。「エンタメ性」とはどこまでファン・サポーターに近づき、情報提供をするかです。それにはもちろん公式SNSも含まれると思います。なぜなら、川崎さんはJクラブの中で最もSNSを駆使しているクラブだから。情報開示したがらないところは、やはり発展は無いという思いが強くなりました。
ちなみに、シャーレの風呂桶は2千個の注文が来ているとか。川崎さんのグッズの年間売上が約4億円なのに、風呂桶などの優勝記念グッズで1億円売り上げているって、ものすごい事です。今後も川崎さんの事例は次々と出てくる事でしょう。たぶん、フロンターレ日記などで、もっとファン・サポーター目線や、サポショ(提携店舗)目線でいろいろと面白い事例が出てくる事でしょう。また川崎さんの紹介事例が増えますね。
あと、以前の岩政選手のスポーツ報知コラム「岩政大樹オン・ザ・ピッチ」によれば、鹿島さんは今季絶対に優勝しなければならない年に設定していたそうです。監督交代もそれによるクラブの決断だったそうですが、惜しくも優勝が手からすり抜けちゃいましたね。最近の鹿島さんのイメージは、一発勝負にはめっぽう強いが、リーグ戦など長丁場には弱いと。もし昨季のようにチャンピオンシップがあれば、余裕で優勝していたのでしょうけど、今季からはリーグ戦で決めます。さて、来季はどこが巨額賞金を手にするのでしょうか。
J1川崎関連:73|72|71|70|69|68|67|66|65|64|63|62|61|60|59|58|57|56|55|54|53|52|51|50|49|48|47|46|45|44|43|42|41|40|39|38|37|36|35|34|33|32|31|30|29|28|27|26|25|24|23|22|21|⑳|⑲|⑱|⑰|⑯|⑮|⑭|⑬|⑫|⑪|⑩|⑨|⑧|⑦|⑥|⑤|④|③|②|①