リスペクトコラムです。
いろいろとネットを観ていたら懐かしい名前が出てきました。J1川崎の名物広報スタッフで現在は東京五輪のお手伝いをされている天野部長さん。昔、川崎さんの様々な集客イベントを紹介されていただきましたが、その時に天野さんの強いこだわりを感じましたが、その天野さんの思いが強く伝わるコラムでした。
【フロンターレの名物広報・天野春果が危惧する、Jリーグのアンバランス。「事業のクラマーさんが必要」】
〔事業の重要性を伝えられる教育者が必要〕
「川崎フロンターレのプロモーション部部長として事業の側面からこのクラブの成長を牽引してきた天野は、次のように説明してくれた。
『日本の文化を理解した上で、プロスポーツにおける事業がいかに重要かを、これからの担い手に伝えられる傑出した教育者がいてくれたら……。いま必要なのは強化ではなく事業のクラマーさんなんです』
天野が危惧しているのは、Jリーグに蔓延する強化と事業のアンバランスだ。多くのクラブが目先の結果に囚われすぎている。常に強化ばかりに力が入り、事業は蔑ろにされがちだ。そうした偏向を積み重ねてきて、現状はどうなっているのか。事業の側面からJリーグを発展させうるプロの人材が少ない。それ相応に強化が進んだ選手や監督と比べると、事業のプロフェッショナルは必要性すらあまり認識されていないだろう。フロンターレの事業に20年近く関わってきた天野の、それが偽らざる実感なのだ。」
「日本中の誰もがJリーグに興味を持っているわけではない。プロスポーツが定着している欧米諸国との大きな違いがここにある。関心の低い多くの人を振り向かせ、スタジアムまで足を運んでもらうには、強力な仕掛けが必要となる。話題性の高い企画やイベントによるファンの裾野拡大こそ、事業の主な目的なのだ。日本はプロスポーツ後進国なので、なおさら事業に大きな意味がある。」
〔“いびつな乗り物“になりかけているJクラブ〕
「新規の顧客を事業で集め、リピーターを増やすためにチームや選手を強化する。関係性を単純化すれば、こうなるだろう。乗り物に例えれば、強化が前輪で事業が後輪だ。天野はどうして事業の軽視を問題視しているのか。乗り物の前輪だけが大きくなれば、やがて前進できなくなってもおかしくないからだ。
いわば“いびつな乗り物“になりかけているJリーグの各クラブが今後いっそう問われるのは、お金の使い方だろう。先頃話題になったテレビ放映権料の大幅な増額により、それぞれ収入が増えるのは間違いない。それでは事業へのどんな投資が想定できるのか。予算の増額や、担い手の待遇改善か。天野に聞くと、やや意外な答えが返ってきた。
『厳しい環境が必要になります。いまよりもはるかに』
どういう意味なのか。
『選手や監督は結果を出せないと、首を切られます。事業のプロを増やしていくには、同じ厳しさが必要です。待遇を改善するだけではなくて』
「時間に限りがあるからこそ、天野は危機感を募らせている。川崎フロンターレの事業には、「なぜサッカークラブが?」と思わず口もとがほころぶような驚きと、地域への貢献を両立させた企画やイベントが数多い。他の追随を許さないその仕掛け人として、地道にプロスポーツクラブが取り組むべき事業への理解者を増やしてきた天野は、こう表現する。「もう26年目なんですよ」、と。
「スポーツで、もっと、幸せな国へ」というJリーグ百年構想への強い共感が、天野のこれまでの挑戦を支えてきた。」
引用:VICTORY
天野節炸裂ですね。天野さんは、昨年にクラブから東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に出向していますが、たぶん早くクラブに戻りたいんでしょうね。出向した後に2連覇ですから。今度は自らの手で優勝をさせたいと思います。Jリーグに蔓延する強化と事業のアンバランスを危惧しているそうですが、天野さんらしい論調です。当ブログも同感です。サッカーだけやっていればいいのかという言い方で書きますが、天野さんは「事業」、当ブログは「公共財としての社会貢献」です。表現は違っても、根は一緒だと思います。
前輪が強化で後輪が事業で、前輪だけが大きくなってもやがて前進できなくなると。そこにはJリーグ百年構想にもつながっていると結論付けています。当ブログの論調もまさにJリーグ百年構想につながっています。やはり根は一緒か。
今回の川崎の連覇で、「地域貢献活動に力を入れているから、シルバーホルダーなのだ」という声を一掃しました。最近は村井チェアマンを筆頭にJリーグをあげてJクラブの社会・地域貢献活動を推進していますが、そのうちに天野さんの考え方もJリーグに浸透していくのではないでしょうか。東京五輪に天野さんのどんな演出が反映されるのか楽しみです。
天野氏ツイッター:https://twitter.com/kdiis4tior5kyqd
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