しばらくお休みをしている間に、秋が深まりました。
秋色に染まった光景に、ふと見惚れる日が多いこの頃です。
我が家の庭も、木々がすっかり色づき、新緑の頃とはまた違た趣で、私の目を楽しませてくれています。
もののあわれを感じる季節ゆえでしょうか。
夫の病に思いを巡らす日々が、多いようにも。
いろいろ心配な事もありますけれど、くよくよしても始まりません。
今のところは、抗がん剤でがんは抑えられています。
けれど、いつ急にそれが元気付き、夫の体を蝕み始めないとも限りません。
抗がん剤の副作用で、白血球が基準値より低くなり、予定通りに治療ができないことも、しばしばありました。
感染症を患っているため、白血球の減少は、私にはとても気がかりです。
免疫力が弱いと、怖いですものね~
その悪い菌が、風邪などによる発熱を契機に、全身に回わって敗血症を起こさないとも限りませんから。
でも今のところ、顔色はとても良く、食欲もあり、体重もほとんど減少していません。
一見すると、以前の夫と、何一つ変わりない様子に見えるのですが・・・・・・
妻の私には、いろいろと大きな変化が捉えられています。
元気な頃の夫を思い出し、複雑な寂しい心境になることも、よくあります。
まず歩き方が、とても弱弱しくなったこと。
姿勢も悪くなりました。
時々注意はするのですけれど、直そうといった気持が、本人には全くないようです。
元気な頃は、私より歩き方が、はるかに速かった人。
私はいつも遅れがちで、小走りで、旦那さまに追いついたものでした。
そのころのYさんの背中は、私の目には凛々しく映り、頼りがいを感じたものです。
ところが今は、逆の立場に。
できるだけ歩調を合わせるように努めてはいるつもりですが、時に私が振り返り、旦那さまが追いつくのを待つことに。
電車に乗った時も、着席は常に夫が優先。
元気な頃は、当たり前のように、空いた席があると私が座っていましたけれど。
電車と言えば、シルバーシートをつくづく有難い、と思うこの頃です。
シルバーシートの趣旨が、若者をはじめ、多くの人に浸透してきているのでしょう。
混んだ電車でも、一席くらいは空いていることが多いです。
年寄りの依頼心丸出しですが、乗車するときは、いつもそれを狙っています。
空いているときはむろん、夫を座らせます。
空いていない時でも、元気そうな若者が着席していれば、私は声をかけ、事情を一言話し、夫のために席を譲ってもらうようにしています。
もちろん、その方が下車なさる時、再度お礼を言うように、心がけています。
私が声をかけた時、さぞ気まずい思いをされたに違いありません。
その事へのお詫びも込めての、感謝の一言を。
年寄りが座るのは当前、といった心持でいては、若者が快く譲る慣習は、なかなか根付かないのでは。
こんな具合で、レディーファーストが、全く通用しなくなった我が家です。
旦那さまの背を見ながら歩く日が、また訪れてくれるでしょうか。
その再現を願いはしますが、恐らくもう無理では、との不安は拭えない私です。
でもつくづく逆の立場でなくて良かった、と思うこの頃。
家事、その他一切合財、家のことはすべて私任せで、何もできない人です。
私が先に重症の病を患ったなら、我が家は回らなくなります。
そして、子供達に大迷惑をかける事態になるところでした。
私は、もう十分人生を楽しませてもらったので、生にさほど執着がない。
いつ死んでも構わない、といったようなことを、数度ブログ上に綴ったことがありますが・・・・・・
それは、撤回したほうがよさそうです。
すっかり弱くなった旦那さまを残して、私が先に死ぬわけにはまいりませんものね~
一方、私が一人取り残されるのも、とても心細くていや。
どちらに転んでもいや!、ではどうすればいいのでしょう。
年寄りの、ただの我儘かしら。(笑)
けれど、その旦那さま。
身体は、目に見えて弱弱しくなってしまいましたけれど、、頭は相変わらず冴え、記憶力も抜群。
自尊心も高くて、旦那様操縦法が相変わらず難しいのは、依然と何ら変わりありません。(笑)
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花のように泉のように