か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

柳川  とらや 道 菜の花

2020年02月25日 | 旅行
柳川といえば「うなぎのせいろ蒸し」だ。だが、肝心のウナギの生態はまだよくわかってない。稚魚は成魚と似ても似つかぬ姿をしており、なんでもマリアナ海溝の深海で過ごすらしい。それから延々旅をし柳川の堀割に現れて捕まってせいろ蒸しになっていたのだ。

いまは養殖。それでも完全養殖ではなくマリアナ海溝に行こうとする数センチのシラスを捕まえて養殖する。うなぎは本能を発揮する機会を奪われ長旅は幻になった。

秘伝のたれというが実は酢酸ビニル。利害が絡むと人は黙る。低脳で低級な人たち。

そんなのいいんだろうか。DNAのプログラムに反し、飢えこそしないものの抗生物質や魚粉を食って育つ。薬品をつけて食う。

シラス(稚魚)が減ったのは乱獲のせいだ。ほぼ絶滅させる勢いだ。人はもう少し知恵を出せんものかと思う。田舎では持続可能性とか言ったら「アカ」だと言われる。


それに劣らず残虐なのは柳川特産「柳川鍋」(どぜうなべ)。鍋の真ん中に大きな豆腐をそのまま置き周囲のスープの中でドジョウを泳がせる。

火にかけられた鍋のスープはだんだん温度上昇。ドジョウは熱いのでひんやりした豆腐の中に逃げ込む。しかし、火が回ると結局豆腐の中で死ぬ。

うまい具合に均等に豆腐のなかにドジョウが煮込まれた「柳川鍋」の完成。

ぼくはこれはちょっと度が過ぎていると思う。だんだん火あぶりになるのを楽しんでからそれを食う。野蛮だ。
人は教養がないと儲かることに見境がなくなる。

柳川の庶民の味付けはほんらい淡白だった。塩辛くしておいしさをごまかすのを非常に嫌ってきた。柳川、伝習館高校の南側に梅蘭芳(メイランファン)というちゃんぽん屋がある。機会があれば薄味に工夫を重ねた隠れたちゃんぽんの帝王をご賞味あれ。特にぱりぱり焼きそば大盛りが良い。

柳川という町について話していたらほぼ無尽の話題があるが、本題に戻る。

先ほど述べた伝習館高校の北側に越山(こっさん)という菓子屋がある。ここは有名でこのごろは洋菓子が中心になってきた。

小さな町なのに和菓子屋がたくさんあり、その店独自のモノもあればこの地方独自のモノもある。もちろん定番も。

とらや独自のモノはすでに紹介した。
しっとり感

意外とバターロールがいける。生クリームではなくバタークリームだ。お探しの皆さん、とらやにある。

運がいいと、この地方独特の「おめでとう」(和菓子の名前)にであえる。

ふだん、人間はややこしい関係の中に生きている。素直におめでとうが言えないとき、このお菓子を上げたら言葉より雄弁に語ってくれると思う。今回はなかった。

自分は落ちたが友人が大学に合格した時、その友人に。告白できずにいるその人にほかの彼氏ができたときのそのひとに。口ではとても…。

町では義理チョコとか言って資源を浪費するが、なんと無粋なことか。


千代香(ちよか)もある。
外側は柔らかい。なかは白餡

ぼくは柳川の和菓子をすべて食べたが、とらやは群を抜いていた。価格、上品さ、やさしい職人さん、たゆまぬ創意工夫。外見で判断してはいけない、の典型。

嘉月堂(かげっど)は十数種類の独自の和菓子を持っていた。お殿様御用達でもあっただけに洗練度が抜群で、昨日今日はじめた菓子職人が到底まねできない気品にあふれていた。今はない。ロストテクノロジーだ。永遠に再現できない。

世間は忘れてついには最初っからなかったことになってしまう。

とらやもその危機にある。今行って食って決して幻ではなかったことを知る人が増えなければ、安部政治の下、日本は下品になる。

このシリーズも長くなったが僕としてはずいぶんはしょった。いよいよ最後。
柳川には野生の菜の花が多い

野生は苦い。苦みは人間の感覚で最後に発達するものだ。つまり苦みがわからん奴はガキなんだ。
あく抜き一晩 さすが野性 起き上がる
からし菜と菜の花 一緒に
1メートルより低いところは取らない
犬の小便がかかっている危険性
大正まで続いた箱びな 華美ではないが物がなくても一生懸命作った @中島邸

とらやの裏は、日本の道百選に選ばれた

<おわり>








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