月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

春を忘れない。

2013-03-26 | 生活
先週の木曜日に梅田で友人とランチをして別れて家に帰ってから、丸5日間も家にとじこもっていた。
家から一歩も出なかった。
多少の家事と睡眠以外の時間は、ほとんどパソコンに向かっていた。
季節が移り変わることにも気づかず。

夕方、久しぶりに家の外に出てみた。近所のスーパーへと歩く。
数日前のテレビのニュースでは桜の開花を告げていたからどんなに暖かいのだろうかと期待していたが、予想外の寒さ。
薄手のニット1枚だけだったので震え上がった。

明後日、シンガポールからいよいよ姫子(姉)が帰国する。
半袖とサンダルで大丈夫かしら?とメールに書いてあったことを思い出し、家に戻ったら「無理!」って返信しておかないと、と思う。

スーパーへの道のりは、ウソみたいに5日前とは変わっていた。
まず、わが家の花壇を見てぎょっとした。色とりどりの花が咲き乱れている。
ハナミズキの蕾も膨らみ始め、いろんな草木の新芽が出ていた。

特に水仙は、少し前に咲いたのだけど、本当に衝撃だった。
球根の花は、力強い生命力を感じさせてくれる。1年も土の中にいて、もうその存在すら忘れかけていたのに、緑の芽が出てきたなぁと思ったら、ものすごいスピードで伸びていき、気づいたらこんな花を咲かせていたのだ。


ちゃんと春を忘れなかったんだね、と思わず話しかけてしまう。
冬の間、じっと寒さに耐え、こんなにきれいな花を咲かせてくれたと思うと、なんだか愛しくてたまらない。
どうして忘れずに咲くんだろう。

そんなことを考えながら歩いていると、桜が咲いていてびっくりした。
いや、咲いているとは思っていたのだが、あまりに外が寒かったので変な感じがしたのだ。
それに、5日前はまだ咲いていなかった。

花冷え、というのはまさにこういう時期のことを言うのだなぁ。
「花冷え」
昔の日本人はなんと美しい言葉を生み出したのだろう。

スーパーに入ると、中は暖かかった。
周りの人たちはみんな冬の格好だった。中にはダウンを着ている人もいる。
夫以外の人間を見るのも久しぶりで、いろんなことが新鮮に映る。なんだか変な感じだ。

家までの「心臓破りの坂」を上ると、それだけで息があがった。
5日間歩いていなかったら、体力も落ちるんだなぁ。

たった30分の外出がこんなにも驚きと喜びに満ちているなんて、不思議。